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幼馴染は魔王でした。私は勇者のようです。  作者: うらぎった
過ぎ去りし日々...そして<破滅の魔王>の名の切欠(きっかけ)
27/47

皐月のお仕置きタイムとメイドさん。

一旦何か切れると色々都合が難しくなるのは何故なんだろう?


まあ、色々有りましたが続きです。

 江見


「うきゃーーーーーーーー!!痛い痛い痛いーー!」

 

 今日の江見は朝から皐月に説教されつつ絶賛お仕置きされ中である。

 罪状は智樹をボコボコにした刑。

 皐月の今日のお仕置きの技は足四の字で、ガッチリと江見の足に決まっている。

 更に言うと、そのまま皐月は片足を持ちながら体を何度も後ろに倒し、更に江見の足を攻めていた。

 皐月が動く度に足に激痛が走り、江見はその痛みで悶絶したり叫んだりしていた。


「......いやいやいや!やめてやめてやめて!皐月、それもやめてー!......いだだだだだーーーーー!

 たんまたんま皐月!痛い!痛いから!!それ本当に痛いから!いやーーーー!!チョーク!チョーーーーク!!」

「駄目!」

「だったらロー...」

「それも無い!せいっや!!」


 皐月はそう言いながら怒りの表情のまま、江見を足四の字固めに固めたまま足首を捻り、更に両足を攻め続ける。


「ぎにゃーーーーーーーーー!皐月様、皐月大明神様、皐月観音菩薩様、勘弁してーーーー!」


 江見は床を必死にバンバンと叩きながら涙目で皐月に許しを請うてみた。


「智樹君にあんな事したあんたに慈悲はないの!」


 しかし、皐月からは慈悲が降りてくれなかった。

(ちなみに智樹は顔がボコボコの状態で春奈の必死の<祈祷(回復呪文)>を受けている。信也は(うわー...生きてるか?智樹...)とか言いながら眺めている)


「あんたはその口より先に手が出る性格を何とかしなさい!」

「だっ...だってだって、あんな状況なら気が動転して手が出ちゃうでしょう?」

「その(手が出る)時点でおかしいのよあんたはー!せりゃ!」


 皐月はそう言いながら、四の字固めの縦の方の江見の足を股の間から腰の上に持っていき、横の足を持ちながら横に、上に捻る。


「にきゃあああああああああ!!いだだだだ!足がもげるもげるもげるーーー!」

「大丈夫、もげる寸前まで追い込んであげるから!」

「鬼ーーーー!悪魔ーー!鬼畜ーーー!」

「あんたが悪いんでしょうが!」


 そんな事をしながら彼らの朝は始まった。


 =====

(江見)


 痛い...痛いよぅ...足がズキズキするし痛くて頭が痛いし目から涙が出てくる。

 何で朝っぱらからこんな痛い目に会わないといけないのよ...

 これと言うのも智樹が...そう考えながら今朝の事を思い出し、智樹に抱きついていた事を思い出しタコのように赤面する江見。

 ......智樹のせいじゃなくて、よく考えたら慌てた私が悪いのよね......

 こんな調子じゃあ大きくなってもし智樹と結婚したら...って私何考えてるのよ!

 今のまんまじゃあ全然駄目じゃない、今朝も智樹殴っちゃったし......どうして私智樹に近づかれるとあんなに慌てふためくんだろ?

 智樹意外の人だったら苦手な人でも普通に話せるのに...何でだろう?


 何てね。

 分ってる。

 自分の好きっていう気持ちが暴走して、智樹を前にしたらその気持ちが暴れ出す、弾け飛びそうになる。

 そして何故か照れ隠しに......手が出ちゃうんだよね...普通なら平手打ちなんだろうけど、私の場合体を鍛える為に空手をしていたから拳が出ちゃう...

 御免ね、智樹。

 でもね...でもいつか...私のお母さんとお父さんみたいに幸せに寄り添って行けたら幸せだなぁ...でも、それには...この殴っちゃう癖治さないとなぁ...はぁ...とか自分に浸っていたら。


「あんたは何ボーっとしてんの!まだお仕置きが足りない?」


 そう言って皐月は、手を横にして振り上げチョップしようと手を掲げた。


「にゃー!たんまたんま!皐月、もう反省してるから!痛いのは嫌だからー!」


 両手で頭を庇い、そう言うと涙目でチワワのように震えていた。


「まったく...そんな事じゃあ私が智樹君貰うわよ...」

「ん?」


 何か後半部分は声が小さくて聞こえなかったけど、何か聞きずてならない事を聞いたような......?


「ほら、行くわよ江見」

「え?え?あ、ちょっと待ってよ皐月ー!」


 皐月はさっと振り向くと、そのまま朝食を食べる為皆の方に歩いていく。

(ちなみに智樹はさっさと医務室に連れて行かれた)何だろう?気になるなぁ、江見はそう思いながら皆の方へ歩いて行った。


 朝食が終わって少し経った時間。


「ねぇ皐月」

「ん?何、江見?」

「今朝、あんた何か妙な事言わなかった?」


 江見にそう言われ、へ?という顔になる皐月。


「妙な事って...あんたを叱っただけだけど、それが妙な事だって言うんじゃないでしょうね?」


 そう言う皐月は江見を睨みつけながら聞き返す。

 ちょっと怯みながらも江見は訂正しながら聞きなおす。


「いや、違う!違うのよ。何か...聞き逃したんだけど、小声で言わなかった?」


 そう江見に言われ、考えていた皐月は考えながらんー?と唸っていたが、何かに思い至った時ほんのりと顔を赤く染めた

 ん?んん?


「あ、ああ...あれね...何でもないわよ。何でも無い、何にもないのよ」

「えー?そうかなぁ?」

「そうなの!あんまり人のプライバシーを聞きたがると嫌われるわよ!」


 そう言いながら皐月はビシッとでこピンをてきた。

 いたたたた。

 まあ、皐月がそう言うなら...そうなんだろうなぁとその時は納得したのだった。

 思えば、あの時ちゃんと聞いておけば良かったと今でも思ってる。

 そして智樹は、そのまま医務室で氷魔法で顔を冷やしながら寝たまま起きてくる気配はなかったので、朝食を食べた後広場で今日の訓練とかどうしようかと皆で話していた。


「どうしようか?今日の訓練」

「やった本人が何言ってるのよ......てか何でアンタは智樹君だと手が出るのが早い訳?そこが分らないんだけど?」

「そんな事言われたって分んないわよ、でも何でか...物凄く気恥ずかしいのよ...」

「それでも限度があるわよあんた...」

「そうだよ江見ちゃん、そんなんだといつか智樹君に嫌われちゃうよ」

「と言うか、未だに智樹が江見と仲良くしてるのが俺は不思議だ」


 ぐっ......春奈とか信也が言う事が胸に突き刺さる。

 でも、本当に智樹の事を考えると心音が早くなって顔が熱くなる。

 でも、その...まだ智樹と恋人同士になるとか、き......キスするとかはまだ考えられない、てか考えたら頭が熱くなる。

 もし本当にされたら自分がどうなるかも分らない。

 多分、無意識に手が出ちゃうんだろうなぁ......何で?智樹が好きなのは自分でも分ってる。

 でも、それを酷く怖がる自分も居るのが分ってる。

 まるで...自分の中に2人の自分が居るみたい、変な感じ。


「ともかくだ。少しでも強くなる為に訓練しとかないとな」

「まあ、実践と訓練は違うでしょうけど、しないよりはマシよね」

「誰か教えてくれないかなぁ?」

「あらあら皆こんな所で集まって何話してるの?」


 そんな事を離していると、お姉さん......フィーリアさんとメイドさんがやって来た。

 メイドさんは私達と同じ位の年の人のようだ。

 そう思っていると信也がメイドさんを指差し言う。


「あ、この前のドジッ子メイドさんだ」

「違います!私はそんなにドジじゃあありません!前のは緊張してたまたまです!!」


 2人の間でそんな会話が交わされる。

 知ってるの信也?


「ん?ああ、この人なお風呂場で着替えを持ってきてくれた人なんだよ」


 ああ、そう言えば私達の方でも着替えを用意してくれたメイドさんが居たわね、流石お城だなーとか思った。

 でもそのメイドさんを何故信也が覚えてるんだろう?何かインパクトがあったんだろうか?


「持ってきてくれたのはいいが思いっきりずっこけて顔打ってな、いやーあれは思わず呆気に取られたわ」


 へ?こけて顔を打った?そんな誰かさんみたいな人がこの世界にも居るんだなぁと私は誰かさんを見ながらそう思った。


「......何でみんな私の方を見てるのよぅ!」

「いや、何となくね?」

「だな」

「絶対何となくじゃないでしょーーーー!言いたい事があれば言えばいいじゃないのーーー!」


 いや、言ったらあんた絶対泣くじゃないのよ。

 まあ、言わないけどさ。

 そんな感じで話していた私達を、フィーリアさんはクスクスと口に手を当てながら笑っていた。

 むー、美人ってどんな表情でも絵になるからいいわよね羨ましい......

 少し笑うとフィーリアさんは話を切り出してきた。


「今日ここに来たのは2つ用事があったからよ、1つは皆の訓練の手伝い、1つは......」


 そう言うと、フィーリアさんはメイドさんの背中をポンと軽く叩いた。


「この子が、貴方達の旅に同行する旨を伝えに来たのよ」


 そう言いながらフィーリアさんは穏やかな顔を私達に向けてくるのだった。

 あれ?でも何でメイドさんが要るんだろう?普通のメイドさんなんか旅には向かないと思うんだけど??

 私がそう考えていると、それが顔に出ていたのかフィーリアさんが言ってくる。


「この子をメイドだからって舐めちゃ駄目よ?戦う事にかけては鍛えられているから強い部類に入るんだから」

「ドジッ子でも?」

「違います!!」


 信也が最初のそのイメージが余程強かったのかドジッで弄ると、必死に否定してくるメイドさん。

 信也やめてあげなさいよ......


「じゃあ君この子と模擬戦やってみる?」

「だが断る!」


 フィーリアさんが信也に振ると信也は何故か男らしく断った。

 てか何でそんなに誇らしく断るのよアンタは......


「大体俺は<魔法使い(ソーサリー)>なんだぜ!専門は魔法を使う事、魔法使い(マジックユーザー)と言えば直接攻撃は苦手と相場が決まってる!だから肉弾戦なんてもっての他、しかも運動なんてサボるのが好きな男信也だZE!」

「威張るな!!」


 あにこの男は威張れない事を威張ってるのよ。

 智樹とか見習いなさいよ、あいつ早朝にマラソンは欠かしたこと無いわよ?

 ......私?私はいいのよ朝は寝るのが日課なんだから、代わりに昼間とか夕方頑張ってるから。

 朝は弱いのよ私は......


「じゃあそこの軟弱男に代わって私が相手をしましょうか」

「頑張って皐月ちゃん」

「がんばれー」


 すると皐月が自分からメイドさんの相手に立候補してきた。

 んー...私が相手しても良かったのになぁ、まあ今回は皐月に譲ってみましょうか。


 私がそう考えていると、2人はお互いに近づいていきお互いまで1メートル位まで近づくとピタリと止まりお互いに頭を下げた。


「宜しく」


「こちらこそ、胸をお借りするわ」


 そう言うとお互いに構えをとった。

 皐月の方は侍の着物みたいな服を着て、刃を落とした剣を剣道の構えで体のヘソの辺りで構えている。

 確か中段の構えって言うんだっけ?

 それに対しメイドさんは手足をカバーする物をつけて体を半身にして構えている。

 何かなかなかできそうな感じだ。

 でも、メイド服に手甲、足甲なんてゲームのキャラクターみたいな格好してるから凄くシュールだ。

 そんな2人は構えたまま静かにお互いを見据えている。

 私だったら我慢しないで突っ込んじゃうんだろうなぁ。

 そう思っていると、変化が訪れた。


 メイドさんが小声で何かを呟くと風が彼女の周りに収束し始めた。

 何か魔法を使うつもりなのかな?そう思っていると皐月は剣を構え直し、そのままメイドさんに接近していく。

 メイドさんの魔法はなかなか発動するのが遅いのかまだ発動しない、これは皐月が切りかかるのと同じ位じゃないだろうか?

 そう思っている間にも皐月はメイドさんに接近し、殴りかかるけど......


「加速」


 メイドさんがそう行った瞬間、彼女の体は急激に加速して皐月の攻撃をかわした。

 本当にそうとしかいいようが無い位に、メイドさんの動きが早くなったのだ。

 まるで高速のコマ送りのように、皐月もその動きに驚いて動揺してしまっていて防戦一方だ。

 右から拳がきてそれを受けたかと思えば左からローキック、このローキックを皐月は食らってしまって顔をしかめる。

 更にそこから左のジャブを何発も放つけどこれは皐月も剣を盾にして体を縮めてしのいでいる。けどジャブで皐月の意識を上体に向けたメイドさんは皐月に素早く足払いをして皐月を転ばせる。

 ゴンッ!という音と共に皐月の高等部が地面に激突し、皐月は後頭部を抱えながらゴロゴロと転がっている。

 ......うわー......痛そう、てか皐月も剣道してるけどあの皐月が一方的にやられるなんて。

 その様子を見て、フィーリアさんは腰に手を当てて満足そうに微笑んだ。


「はい止め、これでこの子が強いって分ったでしょ?」

「うん強いよなぁ、ただのドジッ子じゃあなかったんだなぁ」

「だから違いますってば!いつまでそれ引きずるんですか!!」


 信也、あんたもしつこいよ......

 そうやって話していると、春奈の<祈祷>である程度痛みの引いた皐月が、涙目でメイドさんを睨んでいる。


「もう1回!もう1回よ!!驚いて動揺したから負けたのよ、今度は簡単にはいかないんだから!」


 あ、皐月の闘志に火が着いたみたいだ。

 でも大丈夫かなぁ?あのスピードだと皐月にはキツイんじゃあないかな?

 私?私は辛うじて反応できるかな?攻撃が当たらない気がするけど......

 そんな感じで皐月とメイドさんの第2回戦が始まるのだった。

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