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幼馴染は魔王でした。私は勇者のようです。  作者: うらぎった
過ぎ去りし日々...そして<破滅の魔王>の名の切欠(きっかけ)
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眠る彼女と昔の出来事(現代)

長い間休止していましたが、何とか肉親の葬儀・四十九日が終わりました。


まだ多少時間はかかるとは思いますが、何とか自分と折り合いをつけて書いて行こうと思います。


恐らく自分が死ぬまでにはちゃんとこの作品達を書いていこうとは思っていますので、エタることは無いと思います。

読者の方には失礼しました。


まあまだ全開ではないので、更新速度は遅いですが。

 *****

(智樹)


 何だか長いような1日だったけど、やっと就寝だ。

 他の春奈や皐月、信也や江見ちゃんは寝息をたてて寝ている。

 僕もはしゃぎ過ぎたのか、瞼が重く感じられ今にも夢の世界へ落ちそうな感じだ。

 このまま眠気に身を任せて眠ろうとした時、小さい寝言が聞こえてきた。


「......お母さん...」


 目を擦りながらそちらを見ると、江見ちゃんの閉じられた瞳からは透明な滴がポロポロと流れ出ていた。


 多分、お母さんを思い出しているのだろう。

 僕はそっと江見ちゃんに近づき、そっと優しく頭を撫でた。

 僕の手に柔らかな江見ちゃんの髪の感触と彼女の体温が感じられた。

 それらを心地よく感じながら僕は、彼女を安心させるようにゆっくりと手を動かし優しく撫で続けた。

 よく江見ちゃんの小母さんが、彼女が小さい頃にこうしていたのを思い出しながら......



 近しい人や親愛な人が亡くなるというのは、本当に身を裂かれる気分になるものだと思う、そして僕は知っている。

 その深い悲しみも心に残る傷跡も。


 ......正直、悲しみで死んでしまえるんじゃないかと思える位だ。

  それと同時に今でもあの二人の顔を思い出す度に、身を焦がし尽くし怒り狂いそうになりそうになる程の感情が心の奥深くに渦巻いているのが分かる。 

  僕はその悲しみと苦しみを、背負いながら戦いぬいて死んだ後転生した。

 その深い悲しみを背負っていたままさ迷っていた僕を、現代で最初に癒してくれたのは江見ちゃんだ。

 その江見ちゃんも深い悲しみを背負う事になるとは思わなかったけど...


 でも、江見ちゃんに悲しみの表情は似合わない。

 彼女にはいつも笑っていて欲しい。

 僕はそう思うし、小母さん...今は亡き彼女のお母さんの願いだから。





 ===昔のある日の現代での江見の家にて===


 その日は僕は江見ちゃんの家にお邪魔していた。

 どんな用事で家に行ったのかとか細かい事は覚えていないけど、その時僕は江見ちゃんに「ちょっとそこでまってなさい、来ちゃ駄目よ!」と妙な念押しをされてリビングで1人待っていた。

 何の用だろうと椅子に座って待っていると、そこへ小母さんがやって来た。


「ごめんねー智樹君、待たせちゃって、でもお願いだからもうちょっと待って貰える?」

「はぁ...?」

「そうだ。暇潰しに小母さんとちょっとお話しない?智樹君」


 僕と話...?一体何を話すんだろう。

 まあ、ここでごねて機嫌を損ねるのも何だから相手をしておこう。


「いいですけど......僕に何の御用でしょうか?」

「んー...そうねぇ...じゃあねぇまずうちの江見ってどう思う?」


 そう小母さんに聞かれて、僕は「どういう意味だろう?」と思いつつも小母さんに答えた。


「そうですね......らんぼ...えふん!元気が有り余っているみたいで活発な女の子だと思いますよ?」


 危ない危ない、思わず本音がポロっと出そうになったよ......


「んー?今何か聞こえたような気がしたけど、まあ置いておきましょう」


 そう言って江見ちゃんのお母さんは笑顔を僕に向けるが、その笑顔が少し怖かった。


「それでね、うちの江見は元気で本当に可愛いのよ。これはもう決定事項なのよ!」


 ......その後は小母さんの江見ちゃんに対する何処が可愛いとか、もう自分の娘を褒めちぎる話を暫く聞いていたのだった。



 話をしてどれ位経っただろうか?結構長く聞いていたのだが、唐突に話を止め僕の方に向き直った。


「......ああしまったわ、思わず江見の自慢話になっちゃった。ご免ね智樹君」

「いえ、お気になさらずに」


 これ位のことならまだ簡単な事だ。

 まだ、江見ちゃんの無茶に付き合うとか、春奈が災難にあってそれを救助する方が何倍も大変だから...

 あれに比べたらこんな事なんて......


「智樹君?智樹くーーん、おーーーい聞いてるかなーー?」

「...あ!すいません小母さん、少しぼーっとして聞いていませんでした」

「大丈夫?智樹君。何か凄く疲れた顔というか、遠くを見つめてる顔になってたけど?」


 ......イイエ、ナンデモアリマセンヨ?


「...智樹君、何か表情が硬いけど?」

「大丈夫です、心配ありません、何か用があったんじゃないんですか?」


 これ以上追求されないように僕は小母さんに先を促した。


「まあいっか...それでね話って言うのはね。智樹君、改めて聞くけど君うちの江見の事どう思ってる?」


 小母さんは真剣な顔してそう僕に聞いてきた。


「今さっき言った通りですけど......それが何か?」


 僕がそう言うと、小母さんは難しい顔をしてうーんと唸り始めた。


「......聞き方が悪かったかしらね。智樹君、うちの江見は好き?」

「嫌いではないですよ」


 江見ちゃんに対しては好意は有るとは思うけど、それがLOVEかと言うと多分違うだろう。

 まあ好き嫌いとか言う以前に、僕に人を愛する資格があるのかと言う所ではあるけれども。

 愛しい人達を死なせたまま仇も討てずに死んでしまった僕に......

 僕がそう考えていると、江見ちゃんの小母さんが両手で僕の顔をガシッ!と両手で掴んできた。

 いたひ...


「智樹君、真面目な話をするけどもし...もしよ?将来的に...江見をお願いできる?」


 何か小母さんが必死な顔をして僕にそう言ってきた。

 小母さん怖いんですけど......


「確かにうちの江見は可愛いわ、もう世界1って位にでもね」


 そう言った後、僕の顔を挟んだ両腕に更に力が込められる。

 痛い痛い痛い!!小母さん力が入り過ぎて顔が無茶苦茶痛いです!!

 何で話をするのに人の頭を掴んで万力のように力を込めてくるんですか!

 でも、小母さんはそんな僕の様子を無視して更に言葉を吐き出す。


「ちょーーーーっとあの子は私に似すぎちゃって得意分野と苦手分野が極端になっちゃったのよねぇ......勉強とかまあその...そっち方面が苦手でね...」


 うんそうですね。

 勉強とか苦手ーーーと言うか嫌ってるって先生からよく言われてますもんね。


「このままじゃあ将来悪い人に引っかかるかもしれない、でもそんな事になったら多分私は耐えられないと思うのよ。下手したら私自らその男を抹殺しに行くと思うのよ!!」


 そう言いながら小母さんは血走った瞳を僕に向け、更に両腕を万力の様に力を込めてくる。

 いだだだだだだだだーーーーーーーー!!

 小母さん見た目は凄く細身でモデル体型なのに、何でこんな馬鹿力出せるんですかーーーーーー!!

 何か頭がミシミシいってるんですけど!!死ぬ!死ぬ!死ねるーーーーー!!

 余りの痛さに僕は涙目で挟まれたまま、モガモガジタバタと体を動かし逃れようとする。


「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「あ...ご免ね智樹君、ついつい力が入っちゃった」


 ついついって......今の力、下手したらオーガかそれ以上の力でしたよ小母さん......そのスラッとしたモデル体型のどこからその力出るんですか...

 僕は涙目で顔を両手で擦りながらそう心の中で思った。

 あのまま小母さんに掴まれてたら僕の頭は瓢箪ひょうたんのようになっていたか、スプラッターになっていたと思う......そう考えると背中を冷たい汗が伝うのだった。


「それでね智樹くん」

「何でしょうか?」


 僕は顔を擦りながら小母さんの方を恐々と見る。


「うちの江見が大きくなったら面倒を見てくれないかしら?」

「は?」


 僕が江見ちゃんの面倒を見る?どういう意味だろう?


「うちの江見って多分このままだと、私に似て生活能力が殆ど無い子になっちゃうと思うのよ。

 でもね、そこに智樹君が将来面倒を見てくれたら(結婚してくれたら)心配事は無くなるのよ。

 智樹君しっかりしてるしね」


「面倒を見る...ですか?」


 ああ、将来江見ちゃんが誰と結婚するかしないかは知らないけど、そういう人が現れるまで面倒を見てくれという意味なんだろう、大丈夫だろう恐らく今とそんなに変わらないだろうし。

 と言うか、小母さん江見ちゃんを物凄く可愛がってるから、江見ちゃんに何かあろうものなら......(ガタガタブルブル)

 これはあれですね。

 悪い虫が付かないように僕に監視しろって意味ですね?

 しなかったら......肝に銘じます。


「いいですよ。僕で良かったら江見ちゃんの面倒を見ましょう(彼女が結婚するまで)」


 すると今度は小母さんは今度は僕の両肩をガシッ!と掴んでまた万力のような力で掴んできた。

 イタイイタイ!だから小母さん痛いですって!!

 砕ける砕ける!!今度は肩が砕けるーーーーーー!!


「絶対よ!約束したからね智樹君!!破ったら呪い殺すわよ!」


 ......小母さんなら本気でやりかねないし怖いんですけど(汗)

 てか、本気で呪いを使いこなしそうで怖い...

 2度目は呪い殺されるなんて凄く嫌だ。

 しかも理由が理由だし...

 僕はこれでも昔は魔王をやっていたけど、もし小母さんが攻めてきたら全面的に無条件降伏する道を選ぶだろうなぁ(汗)



 ...もしかして小母さんって噂の恐怖の大魔王なんじゃなかろうか?

 時々僕は小母さんを見るとそう思ってしまう。



 そんな話を長々としていて話が終わりに差し掛かると、良い匂いと共に江見ちゃんの声がこちらに近づいて来ている。


「智樹君。今の話は2人だけの話約束で内緒よ?」

「はい、分かりました(肝に命じます)」


 そう言った直後、江見ちゃんは頭に布を巻いてパタパタとスリッパの音を立ててやって来た。


「お待たせーー、出来たよー」


 そう言うと江見ちゃんは、ふ~と一息ついて椅子に座った。

 ちなみに江見ちゃん乱暴だけど、料理を作るのは上手かったりする。


「きょ...今日は気が向いたから一緒にご飯食べて行きなさいよね」


 彼女は頬を赤らめながらチラチラと僕の方を見ている。

 小母さんはニヤニヤと笑いながら僕と江見ちゃんを見ているけど...まあ江見ちゃんが気が向いたならお呼ばれしようか。


「うん。良かったらご相伴に呼ばれるよ」


 僕がそう言うと、江見ちゃんはますます顔を真っ赤にして、小母さんの顔はニヤニヤから何故かキラキラし始めていた。

 ...何なんだろう?


 そしてその日は、僕は江見ちゃんの家で一緒にご飯を食べたんだ。


 ===現代(異世界)===



 とっても綺麗だけどとっても怖い、けど江見ちゃんの大好きなお母さん......小母さん...


 見てますか?


 元居た現代とは違う世界...僕の元居た世界に彼女は来ていますけど彼女は元気です。


 彼女は絶対に僕が守ってみせますよ。

 彼女の隣に相応しい人が現れるまで。


 そう心の中で独白しながら僕は部屋の天井を見ながら、江見ちゃんの手に自分の手を重ねていた。

感想、ご希望、要望、等々有りましたらお寄せ下さい。

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