近接魔法らしいです。
頭が喉が関節が痛いです。
この季節は特に風邪を引きやすいのですが、いきなり暖かくなったり寒くなったりしてまた体調崩しました。
......あんだけ風邪の用心してたのに(泣)
皆さんも風邪に気をつけてくださいね。
シクシクシク
頭が痛いよぅ......
足もまだ痺れて痛いようぅ......
そうやって痛みを堪えながら、私は広場の端の方で座りながら片手で頭を抑え、もう片方で足をさすっていた。
周りの人がチラチラとこちらを見てるけど、私はそれどころじゃない。
「泣いてるんじゃないの!アンタが悪いんでしょうが!」
「だって、加減なんて分かる筈ないじゃないー、撃った事無いんだし...」
私がそう不満を口にすると、皐月はこちらを睨みつけながら。
「そう、じゃあ今度、私と智樹が1日中みっっちり訓練をしてあげるわ!」
「確かに、今の江見ちゃんは危ないよね」
ぎゃー!智樹まで合意してるーーー!
「つまんない訓練はいーやー!」
「つまんなくても、アンタは危ないのよ!」
「人を危険物みたいに言わないでよ!」
「じゃあさっきの惨状は何?」
「ううう......」
それを言われると反論出来ない......
「ちくしょー...江見に負けてたまるか...あだだだだだ...」
「あんたも気をつけなさいよ?直樹?同じことしたら...魔法を智樹に言って使えなくしてもらうからね!」
「くっ...分かったよ皐月、注意するよ。注意1秒、江見一生って感じだな」
「そこまで酷くないわよ!」
かなり酷い言いがかりだ。
「兎に角アンタは魔力?だったかしら?その使い方をもっと習いなさい!」
「はぁーい...」
宿題させられてるみたいで嫌だなぁ...
...何か段々やる気が0になっていく気がする。
「それで智樹、春奈はどんな感じ?」
皐月がそう言いながら智樹の隣を見ると、安らかな表情でくーすーと寝ている。
智樹はその春奈の額に手を添えて、何かを小声で呟くと、少ししてから私達に言った。
「うん、一度全部魔力を使い切っちゃったけど、それから使わなかったのと、のんびり休息できてるから、30分位で目を覚ますと思うよ」
「全く...この子は自分の鈍さをもっと自覚して欲しいわ...」
いや皐月、この子は鈍いじゃあ済まされないと思うなぁ...
そう思いながら皐月を見ると、困ったような顔をしているが私は知っている。
皐月だって何だかんだ言って、智樹の次位に春奈の世話をやいたり世話したり、助けたりしているのだ。
「それで智樹、ここでする訓練って何なの?」
私がそう聞くと智樹は説明を開始する。
「そうだね。これから説明するのは<魔力を使って肉体強化及び保護、そして移動>だね」
「それってどんなの?」
私がそう言うと、智樹は少し嫌な顔をして話し出す。
「これから教えるのは......ジーハが得意とする系統の魔法なんだよ」
ああ、納得だから嫌そうな顔したのね。
「ちなみに、今さっき教えたのが<遠距離系魔法>、これから教えるのは<近距離系魔法>だね。今後はこの2つを重点的に教えていくから」
「でも智樹、俺職的に遠距離だけど近距離習って良いのか?...あたたたた...」
頭痛を堪えながら質問する信也に、智樹は答える。
「遠距離向きの職だからと言って、全然覚えないで良い、とは限らないんだよ...まあジーハみたいな馬鹿一直線なのは論外だけど」
「つまり、最低限身自分の身は自分で守れるようにした方がいいと?」
「そうそう」
成る程。
「だから、信也も最低限の魔力は残して、イザという時に備えておくことも考えておいてくれ」
「ああ、分かった」
「という事は春奈も?」
「まあ最低限はね」
だが、それでも不安は残る...
「智樹、それでも一番春奈が危ない目に逢いそうなのは気のせいかしら...?」
「まあ、職的にも春奈が一番オーソドックスに狙われやすいね」
「じゃあどうすんのよ?」
「一番後ろで回復に徹して貰う。セオリーだろ?...ふうぅ頭痛が引いてきた」
信也がそう切り出してきた。
「他には注意を春奈に向けさせない、とかそんなんかな?」
「驚いた。その通りだよ、良く知ってたな?」
智樹が感心と驚きの表情を浮かべている。だから間違いないのだろう。
「当然だぜ!!某有名RPGゲームやアニメ、ノベルをこよなく愛する俺に、その変は常識だ!」
思いっきり拳を握り締め、信也は力説した。
「やっぱりそこからかよ!!」
「最近のゲームとかノベル舐めんな!!生存競争が激しいんだぞ!?」
「今そこは関係ないだろ!」
「一瞬でも感心した私が馬鹿だったわ......」
皐月がそう言っているが、実は私も少し関心してたのは内緒だ。
「やれやれ...でも確かに信也の言ってる事は間違いじゃない、誰だって傷を負わせたのにその傷を治されたら嫌だしね。だから皆で注意して戦うように心がけて欲しい」
智樹の言葉にその場の皆が頷いた。
「で、いつまで休憩しておくわけ?」
そう皐月が智樹に聞いてきた。
「もう少ししてからかな?春奈は起きてからとして...僕があれ程注意したのに限界まで魔力を使ったアホが居るしね...」
そう言いながら智樹は、ジト目で信也を睨んでいる。
「だってさー、よくアニメとかノベルの主人公って、限界まで力を使ってボロボロになって日々成長するのがセオリーじゃん?」
信也がそう言うと、智樹はやれやれと首を振り、信也に説明し始めた。
「それ何処の小説やアニメだよ...全く...魔力を上げるのはそんな簡単じゃないんだぞ?」
「違うのか?」
「違う...とは言わないが、それはこの世界じゃあ無茶なやり方だ。そうだな......例を上げるならスポーツ選手ってどうやって自分の能力を上げる?」
すると皐月が答える。
「適度な運動を日々積み重ねる事かしら?後は食事に気を使うとか」
「そういうやり方がこの世界では普通なんだよ、ちなみに現代でも一気に鍛えて休む方法があるけど...下手したら体壊すだろ?」
「そこはそれ、俺は選ばれた天才っていう事で...」
「じゃあ信也、お前に今日から一日中魔法を限界まで撃って貰って、一日休むって方法で訓練してもら......」
「すいませんでした!調子乗ってました!!」
それは見事な土下座を信也は智樹にしたのだった。
「で、我を呼び出したのはいいのだが、何故何もさせぬ?」
ウィン...もういいや水の人はそう智樹に聞いてきた。
「いや、これから役に立ってもらうよ。何せ<近接魔法>だしね」
智樹がそう言うと、水の人は納得したように頷き。
「相手をすれば良いのだな?汝等の」
「そ-いう事、頼んだよ」
「うむ、頼まれたしかし...」
「しかし何?」
智樹が聞き返す。
「後で聞きたい事があるゆえ、嘘はつかぬようにな」
「?うん?」
何を聞きたいんだろうあの人?
そして念入りにストレッチをした後、智樹と水の人はお互いに構える。
「よし、それじゃあまず僕が手本を見せるか...皆は見ててね。準備はいいかい?ら...ごふんごふん、ウィンディーネ」
「?いつでも良いぞかかって来られよ」
「よし...久々だ軽く行くか、保護、そして倍速」
智樹が何か唱えると、智樹の体が淡い光に包まれる。そしてそのままゆっくりと構えた。
「ほぉ...これは見事な」
水の人は感心したように見ている。
「それはどう...も!」
智樹はそう言いながら、力を抜いた動作から鋭い右ストレートを水の人に放つ。
だけど水の人もそう簡単には食らってくれない、軽く避けつつカウンターで智樹を狙ってくる。
「くっ!」
それも辛うじて智樹は避ける。
それから智樹と水の人との高速組み手が始まった。
お互いの拳が避けられると、お互いに微笑しながらそのまま拳や蹴りを高速で繰り出す。
尚、後で教えて貰ったけど、水の人は別に智樹の真似をして攻撃をしたり回避したりしないでいいそうである。
あの時は智樹の意図を汲んで同じように戦っていたとの事だ。
交差した後、振り向きボババババという音と共に高速で拳の弾幕を作って牽制する智樹、けど水の人はその牽制を軽々と避け、素早く一撃を加えてくる。
けど、智樹はその一撃を避け腕を取ったかと思うと、そのまま投げる。
けど、水の人は勢いのまま投げられた瞬間同じ方向に飛んだのか、華麗にスタッと着地し構えないまますぐさま攻撃へ。
その後も何度も攻防が繰り返される。 お互い避けたり、攻撃したりの繰り返しだ。高速で繰り出される拳、大気を切り裂くようにしなる足、それらを見切る目。
高速で動いているから目でついていくのがやっとで、どんな動きをしているのかは所々しか分からない。
でも
私こういうの大好きだ!!目の前の攻防に思わず拳を握り締めて見入っていた。やる気もどんどん上昇していく!
皐月と信也の2人と、ここにたまたま来ていた人や通りがかった人や、訓練をしていた人は手を止めて唖然としてたけど。
「せい!」
「はい!」
そして最後にババッ!という音と共に腕を交差させて止めて動きは止まる。その時、水の人が何か懐かしそうな表情をしていたのは気のせいだろうか?
「...ふぅ...こんなもんかな?」
「かっこいい!そんな感じに私達もやれって言うのね!!」
「「できるかぁ!!」」
えー、何でー?かっこいいじゃない?え?違う?あんな動き智樹と私以外に出来ないって?...そうかなー?頑張って訓練すれば出来るようになるよあれ?
「俺は肉体労働は苦手なんだよ!」
「私だって運動はそこそこしかなんだから、無茶させようとしないの!智樹もそんな事言ってないでしょ!!」
「いいじゃん!皆もやろうよ!」
「アンタみたいに身体能力が冗談みたいな女の子は居ないって!」
「多少いいだけじゃない?」
「毎年ダントツトップの人が言っても説得力無いわよ!!」
「まあその代わり、勉強はもっと頑張らないといけないけどね」
「うっさい!」
「ぎゃあ!」
余計な一言を言った智樹の顔に裏拳を叩き込む。
「勉強は私の天敵なのよ!」
「いたたたた......それでも少しは勉強しようよ江見ちゃん。後、宿題も」
「やだ」
私は即座に否定した。
「......まあ兎に角、今のは魔力を使った戦い方ってやつを見て貰ったんだ。次はナシでやってみるよ」
そして再び組み手をするのだけど、今さっきと違って明らかに動きが遅くなった。
ビデオの倍速から普通に早いぐらいだろうか?明らかに早さが違う。
「......髪の毛が変わる戦闘民族から、空手着を着てハチマキ巻いたファイターに変わったって感じだな」
「前半分かったけど、分かり難いからやめなさい」
相変わらず信也の言う事はあんまりよくわからないなぁ。まあ言う事は漫画やアニメとかノベルとかを引っ張ってきてるみたいだけど、私はそっちには興味無いから分からない。
まあそっちは置いておいて、智樹の動きが明らかに違うのは良く分かった。
そして智樹と水の人が動きをまた止める。
「ふぅ...どう?魔力を使った動きは?」
「速さが凄く違うわね。まるで加速したみたいだったわ」
皐月がそう智樹に言うと、更に説明を智樹は続ける。
「魔力は色々な事に流用できる。その使い方の1つが今の<近距離魔法>または<肉体強化>だね。これは自分の視覚、聴覚、感覚、嗅覚、嗅覚等の五感や肉体を一時的に強化する事が出来るんだ」
「今さっき智樹が使ってたのは<肉体強化>よね?」
「そうだよ。魔力を体と足と視覚、感覚につぎ込んで守りと素早さを上げたんだ。ちなみに注ぐ魔力が大きければ大きいほどその恩恵は大きい、けど、あまり無理をしてもいけないんだ」
「何で?」
私がそう聞くと、智樹は更に説明を続ける。
「確かに、体に大量の魔力を注ぎ込めばそれだけ能力は増幅される。でも、下手をすれば体が耐え切れなかったり、魔力がすぐに無くなる事になるんだ。」
「体が耐え切れないって例えば?」
「...あんまりいい話じゃないよ?」
「知らないとどんな事になるのか予想できないでしょ?」
「...例えばだよ?目や腕に限界異常の魔力を痛みを堪えて注ぎ込んだとするよ?」
「うん」
「一瞬だけ効果を発揮するけど、その後は腕の筋肉や組織、神経がズタズタになっていたり眼球が膨張して破裂したり...」
「グロいグロいグロい!」
信也が青い顔して引いている。うん気持ちは良く分かる。
「と、言う事だから、魔力を使って<肉体強化>をする時は、体に負担がこない程度が適切だってこと」
「肝に命じとくわ...」
皐月も青い顔してる。まあしょうがないけどね。
「眩暈を感じたら魔力切れ間近、体の痛みを感じたら魔力付与の限界が近いって覚えておけばいいよ」
智樹の説明に首を何度も縦に振る二人だった。
「そういう訳だから、皆が回復したらこの訓練に移ろうと思うんだ」
「ねぇ智樹、私どう考えても春奈と信也はこの訓練向いてないと思うんだけど?」
「まあ春奈は運動神経鈍いからなぁ...」
皆好き勝手言ってるなぁまあ私も同意するんだけど、あ、寝てる春奈の顔が何か唇が尖ってむくれてる。
寝てても聞こえてるのかな?
「あくまで自己防衛を教えるだけだよ。流石に春奈に戦闘は期待してないし」
「だよな」
「そうよね」
まあ自己防衛なら大丈夫か。
そう思った時、水の人が話しかけてきた。
「汝、約束を覚えておるか?」
「?...ああ聞きたい事があるって言ってたね」
「ああ、我の中で半信半疑だったのが今ので確信になったのでそれは良い、代わりに」
「ん?」
「黒だけでなく、やっと普通の服も着たのだな主よ」
それを聞いた智樹の顔が引きつり、水の人にどもりながら言い返す。
「な...何の事かなぁ?僕は一時的に<召還>してる人であって君のマスターじゃないよ?」
何か違いとか私には分からないけど、智樹の頭には冷や汗が浮かんでいた。
「相変わらず往生際が悪いのぅ主様、いやお帰りなさいませ<破滅の魔王>アース様」
「その名前で僕を呼ぶなぁ!」
智樹が大声で叫ぶと、すると水の人はニッコリと微笑み、智樹はしまったという表情をしていた。
「変わっておりませんで安心しました。主様、改めてお帰りなさいませ」
そこには頭を抱えた智樹と、ニコニコと笑っている水の人が居た。
感想、ご希望、注意点等々ありましたらお寄せください。
まだまだ未熟ですが頑張っていこうと思います。
それと体には気をつけて、作者今風邪で味があんましません(泣)




