悪気も無かったし、悪戯でもなかったんです。
もう年末が近づいていますが皆さんはいかがおすごしでしょうか。
唐突に寒くなったり、忙しくなったり大変ですが、出来るかどうかは分かりませんが年内にもう1話書ければいいなぁ。
智樹から魔法を教えてもらっているんだけど...思った以上につまんなくてすぐに飽きた。
直樹はアホみたいに楽しんで、魔法を撃ってたみたいだけど、今は物凄く頭痛がするようで、頭を両腕で抱えうーうー唸ってる。
本当にアホだ。
春奈は...うん、まぁたまに暴走するから、それが今出てきてしまっただけ、まあ多分通常運転だ。
皐月はやっぱり委員長気質なのか、皆をまとめて叱ったりなだめたり、本当に世話焼きだ。
そして智樹、小さい頃から知ってる私の幼馴染で、この世界で恐れられていた(魔王)だったらしい、でもそれ本当なんだろうか?
だって小さい頃から智樹を見てるけど、普通に落ち込んだり悩んだり喜んだり悲しんだり、特別な事は別に無い、まあ少々勉強ができて宿題とか忘れないとかあるけど、それも普通の事だと思う。
......まあ私はよく宿題を忘れて、学校に行ってよく先生に怒られるのだけど、それは今置いといて...
智樹が(元魔王)って言われてもピンと来ない、普通魔王のイメージとかって言ったら、角が生えてて牙があって爪が伸びてて、黒っぽい格好をして悪い顔して<フハハハハ!>とか笑って悪い事している奴だと思う(江見の勝手なイメージです)
智樹なんていつも笑ってる事が多いし、顔は...(智樹を見ながら少し顔を赤らめて)まあカッコイイと思う。
歩道でお婆さんが困っていたら、声を掛けて荷物を持って一緒に渡ってあげるお人よしだ。
多分、他の女の子からの印象も悪くないと思う...何か物凄く気に入らないけど。
この世界の昔の魔王らしいけど、(それ本当?)って言いたくなる。
智樹は(魔王)って言われるとそれを堪えるような表情になる。
余程嫌なのだろう。
だから私は思う、智樹は智樹であって(魔王)じゃない、その...今は恥ずかしくて言えないけど私が大好きな<松坂智樹>だ。
だからそれだけでいい、それだけあれば私には十分、細かい理由は要らない。
智樹が悪い魔王なんていうのは多分、間違いなんだろう、だって私の智樹なんだから......
考えてて恥ずかしくなってきた。
で、でもでも良いよね?考える位、自由だよね。
ちゃんといつか智樹に......告白するんだから...
「...ちゃん、江見ちゃん?聞いてる?」
「え?」
「聞いてなかったんだね。じゃあもう1回話すよ」
智樹が何か言ってたみたいだけど、自分の考えに浸っていたら聞き逃してた。
「ごめん、何?」
「江見ちゃん魔法を撃つの嫌かな?出来ない?」
「だって...何か性に合わないんだもん」
「んー...そうだなぁ、江見ちゃんモデルガンとか興味無いよねぇ昔から」
「あんなのの何処が面白いのかが、全く私には分かんないんだけど?」
「だよねぇ...江見ちゃん銃とか全然興味もってないもんね」
時々テレビや映画とかで撃ってたり、お父さんが仕事で携帯してたりするけど、全く興味がわかない。
あんな鉄の塊のどこがいいんだろう?
お父さんが時々借りてくるDVとかで、ぜろぜろなな?何とかいうスパイ物?とか、何とかハードとか銃を使うものを借りてきて、私とお父さんそれと智樹の3人で見るんだけど、私は面白くなくてすぐに寝てしまう。
それでお父さんに。
「江見、何でもいいから、何か一回位DVを最後まで見ような?」
と言われたので、私が気になったDVを持っていった。
ブルー〇リーとか、ジャッ〇ーとか持って行ったら2人に。
「江見らしいな」
「江見ちゃんらしいですね」
と言われた。
おかしい事は何も無いよね?
カッコイイわよね?ジャッ〇ー。それと中国最強の男!良いじゃない!
あのアクション、戦うときの奇声、刃物とか銃をものともせず戦う姿!いいじゃない!
「まあ、江見ちゃんの性格は分かっているから仕方ないけど、でもいざという時は、使ってね?大変な事になるからさ、ね?」
そう言いながら、智樹は少し困ったような笑顔をこちらに向けて語りかけてきた。
う...そんな顔しないでよ...仕方ないなぁ...
「...いざという時だけだからね?、他の時には使わないからね?」
ちょっとだけ拗ねた顔で智樹にそう言うと、智樹はにこやかに笑って。
「うん、それでいいよ。江見ちゃんが大怪我とかしたら、僕が悲しくなっちゃうからね」
そう言ってきた。
う、智樹見てたら体温上がってきた。
か...顔赤くなってないよね?大丈夫だよね?
「どうかした?江見ちゃん」
「なっ何でもない!何でもない!」
「?そうかい、じゃあ最後に1回でいいから、的に向かって撃ってもらえるかな」
そう言って智樹は、壁にある的を指差した。
そこには的だけが比較的無傷な的があった。
まあ、的以外の場所に当たった跡が多いのは、春奈が当てたからなんだけど...本当にどんだけコントロール悪いんだろうあの子...
学校でも<暴投王>だの、<投げるな危険>だの言われてるけど、(ただし本人にはまだ柔らかい言い方で言ってある)あの危険性は体験した人にしか分からない。
「江見ちゃん?」
智樹が声を掛けてきたので、私は用心して智樹に聞く。
「智樹、まだ春奈は寝てるわよね?」
「......うんまだ目を回してる。今なら危険は無いよ」
智樹のその言葉に安堵の息を吐き、的を見つめる。
「智樹、どんな撃ち方でも飛ばし方でも良いのよね?」
「うんそうだね。まず魔力を打ち出す体の箇所に集中させて、指先でも手の平でも、腕からでもいいから」
智樹の言葉を聞きながら私は、右腕の手の平に意識を集中させる。
すると、何かが体を経由して右手に集まって熱い気がする。これが魔力よね?多分。
「うん、そうそう、で魔力が集まったらそこから魔力を打ち出して、的に当たるのをイメージするんだ」
「的に当てる...打ち出す」
「後、最初に言ったみたいに指先からが効率良いからね」
んー、今さっきもやってたけど、あの撃ち方だと、どの魔法でも信也より威力が弱い印象があるのよねー、こうどかーん!と破壊力のあるもの撃てないかなー...まあ何も考えずに少し強めに撃ってみよう。
そう思いながら私は、多少強めの力を右拳に注ぎ右手を前に突き出し、手の平から打ち出すイメージをした。
すると<ドン!>という音と共に白い球体が物凄い勢いで打ち出され、物凄い反動が私を襲った。
反動で、私の体は後ろに吹き飛ばされ、何度も転がる。
「わきゃあああああぁ!」
勢いのままにゴロゴロと私の体は転がっていく、何か転がっていく途中で<ボゴォ!>という音が聞こえ、風圧が来たような気がするが、今はそれどころじゃない!
ゴロゴロ目が回る位転がって、訓練場の的の逆にある壁に後頭部を勢い良く<ゴイン!>とぶつけて、私はやっと止まった。
......痛いーーーーーーーーー!!
目が回るし、後ろ頭は物凄く痛いし!、目からは痛みでボロボロ涙が出るし、痛すぎて声は出ないし、やっぱ射撃とか撃つなんて性に合わない!!
とか言おうとして智樹を見ると、目と口を見開いて私とは別の方向を見ている。
皐月や信也も同じ表情をして、同じ方向を見ている。
信也なんか、両手を頭から離し痛いのを忘れたかのように、ポカーンとそっちを見ている。
不思議に思い、激しく痛む後頭部を抑えながらそちらを見てみると...的があった場所が壁と共に崩れ大穴が開いていた......
......えーとこれはやっちゃった?逃げるべき?
冷や汗をかきながら皆の方を見ると、皆が目を見開いて私の方を振り返る。
そして、我を取り戻した皐月が、怒ったような表情をしながらスタスタと足早にこちらに近づいてくる。
待って、ね?私も自分がこんなに威力ある魔法撃てるなんて知らなかったんだから、ね?それに今は壁で後頭部を打って頭が滅茶苦茶痛いから、......にゃー!
私は一刻も早く逃げようと、飛ばされて尻餅をついた体勢のまま、後ずさりしようとしたけど壁に阻まれた。
あああああ、そういえば私、今壁際まで転がってきたんだったああああ(汗)
「さ...皐月?いっ今のは悪気とか一切無いのよ?悪戯でもないし、ちょっと力を込めたら威力が少しあり過ぎた...」
「こーの馬鹿娘!もうちょっと程度とか加減っていうものをし・り・な・さ・い!」
「にきゃああああああ!痛いイタイイタイ!皐月!!頭は、今さっき壁にぶつけたばっかりだから、激烈に痛いいいいいいいいい!!、今、頭に梅干しはやめてええええええええええ!!」
普段は私が智樹によくする梅干し(両腕を握って拳を作って、頭の両脇から拳骨で頭を圧迫するあの技です)だけど、今は私が頭が痛い状態で皐月に食らってるっ...て痛いいたいイタイーーーー!!!
頭が割れるーーーー!!
「さっ皐月!頭が!頭が割れる!!」
「割れない!」
「頭が悪くなるーーー!」
「これ以上ならない!!」
「酷いーー!!」
私は泣き叫びながら、皐月の拷問をその身に受けていた。
...だからご免ってば皐月、いたたたたた!いだいーーーーーー!!
「えーと...これ、どうしよう?」
「なかなか凄い破壊力じゃなこれは」
途方に暮れてないで、帰ってきて助けてよ智樹ーー!!
そんなこんなで、あんな大きな威力のものが打ち出されたか良く分からないけど、これ以上続けたら何かえらいことになりそうな予感がする。ということで、魔法を打ち出す訓練は止めとなった。
ちなみにあの後、10分位梅干しを食らった後、1時間地べたに正座して皐月のお説教を聞く羽目になった。
くすん...わざとじゃないのに...
ちなみに智樹は、騒ぎを聞きつけてやって来た兵士に事情を説明し、ひたすら謝っていた。
...ご免智樹...
ちなみにその時、訓練場の近くで、何か偉い人が倒れてたって聞いたけど...関係無いよね(汗)
そんなこんなで、訓練場で訓練する事ができなくなったので、外の広い場所で再開するという事になった。
それで案内されたのは、今さっき智樹と賢者さんが暴れまくっていた場所より、もっと大きくて広い場所だった。
案山子が何体も並んでいて、それに向かって木でできた槍で突いたり、木刀を叩きつけたりしていた。
「じゃあ次はここで一休みした後、訓練の続きをしようか」
そう智樹が言うと、皆でその場に腰を降ろした。
ちなみに、目を回している春奈は智樹がおんぶしてここまで連れてきた。
...ちょっと羨ましい...
==ちょっと前の話==
「あの小娘は訓練場だな!」
そういきり立ちながら、城の通路を足早に進んでいるのは、十騎士聖団のガストンである。
少しだけ強面な顔に、紫を濃くして黒ずんだような髪をしている。
この男、ついさっき起きて気が付いたら治療室に居たのだ。
そして何故自分がここにいるのか考え、思い出し、憤慨し、江見を探してる最中なのだ。
まだ年端もいかぬ小娘に叩きのめされ怒り心頭、といった所であろう。
ちなみに傷は、自分のお付の僧侶にやらせました。
「お...お待ち下さいガストン様」
それを諌めようと、一般兵士が後ろから声をかける。
「煩い!俺の邪魔をするな!」
ガストンはそう言うと、動きを止め片腕を兵士の方に大振りする。兵士はその動きに思わず動きを止める。
「王も王だ!我が十騎士聖団が居るというのに、勇者など召還しおってからに!時間の無駄遣いだ!
大体何だあの口の減らない小娘は!あんなのが勇者だと?馬鹿馬鹿しい!あんな小娘より我の方が何倍も役に立つわ!」
「それはどうかなぁ?」
そう言って、ガストンの前に腕を組んで立ち塞がったのは、同じ騎士のギルバス=グレイだ。
「何だと?グレイ、貴様どういう意味だ」
「あんたよりは、戦場じゃあ、あの嬢ちゃんの方が役に立つって言ってるのさ」
「貴様!俺を愚弄するのか!」
グレイの言葉に、更に怒りを顕にするガストン。兵士はただオロオロするばかりである。
「事実だろう?アンタが弱いから、嬢ちゃんに一方的にボコられた癖にさ」
「黙れ!あれは油断しただけだ!油断せねばあんな小娘など...」
「アンタにゃ無理だ」
尚も何か言おうとするガストンの言葉を遮り、グレイは言い放ちながら壁にもたれ掛かる。
「元の世界で何かやってたのか知らんが、あの子の反射神経、動体視力、バランス感覚、それらはかなりの物だ。戦いは程々の見掛け倒しの体で金勘定の得意なあんたとじゃ、真正面から挑んでも勝ち目は無いよ」
「グレイ...貴様、私の上位だからといっても、愚弄していい道理はないぞ!」
顔を真っ赤にし、今にも頭の血管が切れそうなほど物凄い形相をしている。
「本当の事だろう?だからこそアンタは一番下なんだし」
「グレイィィィィィ!」
その言葉に切れ、殴りかかろうとするガストン、だがそんな彼を見ても、構えも取らず腰に手を当てて、やれやれといった感じで見ながら顔を左右に振るグレイ。
異変はその時起きた。
「ん?」
グレイは何かの魔力を感じ、眉をひそめるがガストンは気づかずそのままグレイに向かっていく。
そしてガストンがグレイに殴りかかろうと距離を詰め、後3歩程の所手が届き、殴りかかろうとするガストンの横の壁がいきなり崩れ、そこから出現した光の球体がガストンを直撃した。
「なっ...おぷぎゃおほふうーーーーー!!」
<バゴォ!ヒューーーーーー...ドッボーーン>
変な声を上げながら、ギャグのように壁に体の形の跡をつけ遠くへ飛んでいき、堀の水路に落ちボロボロになり浮かぶガストン、それを呆然と見守るグレイと兵士。
「......何があったんだ?何だ今の魔力は?」
本人(江見)の預かり知らぬ所で、またガストンをボロボロにしていたのだった。
何かガストン、このままだと江見にボコボコにされるキャラに確定しそうなんですが...
ま、いいかガストンだし。
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