猫屋敷奏音の徹底解剖 壱 ~~ご主人を名乗る変態~~
「あー、コホン。こんばんわ。ここは、猫屋敷奏音の研究所【キャットラボ】だにゃ」
白衣を着て赤渕の眼鏡をかけて現れたのは、猫屋敷奏音。
「ここ【キャットラボ】では、登場するキャラクターの粗探s……解剖をしていきます、ふふふ」
「そんなわけで、記念すべき第一回を飾るのは、主人公である私こと奏音の飼い主!えぇーと……(フルネームが言えないなんて言えない)」
「お前、主人の名前も忘れたのかよ、それにやけにテンション高いな」
横から現れた一番合戦吹雪が呆れた顔で奏音を見る。
「吹雪……えっと」
「一番合戦だよ」
「そう、一番合戦。一番合戦吹雪」
「はぁ……で、何をするんだ?」
「今回は、吹雪の紹介」
「ほう……俺か」
「では、基本プロフィールー!」
「ほんとテンション高いな」
「まずー、身長!176cm!!コマーシャルが176個集まれば吹雪になるということ」
「やっぱり脳みそは猫並みだな。高度な人間文明は野良猫には分からんか……」
「なんでマジレスしかしないの?馬鹿なの?死ぬの?」
「え?いや……スイマセン」
「次!体重58㎏……つまんない」
「すいませんね、ほんと」
「脳力!!」
「……なにそれ!?」
「脳の力……」
「へ、へぇ」
「32ズノウ」
「いいのか悪いのか分からんな」
「私が53万ズノウ」
「はぁー!?お前それただパロディしたいだけだろ!しかも中途半端だし」
「そんなことない。世界脳力検定がしっかりと査定した」
「……胡散臭すぎだろ。後ちなみに聞くが本部はどこだ」
「一番合戦家……」
「そう……独断なのね」
「………次、猫力」
「もはや人間じゃナイ」
「なっ!!これは――」
「いや0だろ、0であってくれ。俺は、人間だと言っていくれ」
「-2300ネコ―」
「さっきもだが単位雑すぎるだろ。しかもマイナス?」
「まさか、アンダーキャットだったとは」
「めんどくせー、なんだよアンダーキャットって」
「アンダーキャットは、うんぬんかんぬん」
※諸事情により割愛させていただきます。
「では、次」
まだあんのかよ」
「モテ力」
「おお、少し気になるな」
「0」
「え?」
「次~えー」
「まてまてまて、0?0ってなんだよ」
「吹雪、私は未来をデータに縛られては駄目だと思う。データベースは答えを出せないんだ」
「……なるほど」
「じゃぁ次」
なんか適当にまるめこまれた気がする。
「お!」
奏音が声をあげた。
「何だ?そんなにすごいことなのか?」
「吹雪の愛猫力」
「ああ、そう」
「もう少し興味を示してもいいと思う」
「え?ああ、はいはい」
「はぁ……ダメな人」
「何でだよ」
「ここで絶対100万はあるわ~とか言えないからジミーズ」
「余計なお世話だよ、さっさと言え」
「100万ラブー」
「……ダリィお前構って欲しいだけだろ」
「………うん」
まぁ、可愛い所はある、な。
「で、これで終わりか?」
「うん、【キャットラボ】では、このように意味のないことをしていく」
「せーせーした、帰ろ」
「あ、まって。では、次回お会いしましょう、にゃ」
「無理して『にゃ』とか言わなくていいんじゃないか?」
「言うったら言う」
【キャットラボ】から二人が消えた後、静かに部屋の電気が消え、暗転した。