戦
戦いは始まった。先制攻撃は上杉影蔵が取った。
「龍のアギト!これなら雷じゃあ防げまい」
龍の頭が上乃助に襲い掛かる。
上杉はニマっと笑う。
上杉は勝ったと思っただろう。でも、違うんだなこれが・・・
「俺が織田対策をしていないとでも?」
すると、上乃助は左手に力を集中させ、炎を生み出した。
「何!?」
使い物にならない右手を何とか動かし、生み出した炎に集中させる。
すると、炎が光り始める。
だが龍のアギトが迫ってきている。間に合うだろうか・・・
ドドォーーン
「ふははははは、間に合わなかったようだな」
ドカーン。神楽と武田が戦っている場所から聞こえてくる。
「向こうは決着がついたようだな、こっちも決着がついたぞ、武田」
煙が風に流され、少しずつ晴れていく。
だが、上乃助はいなかった。
「ふははははは消し飛びおったか!」
「上乃助が消し飛ぶわけないでしょう」
上杉は後ろに振り向く。そこには頭から血を少し流している神楽がいた。
「ちょっとてこづったなぁ、水と龍の派生技をもろに受けっちまったよ~」
龍の魔術を受けてるにもかかわらず、右手を頭の上に乗せ、舌をペロッと出す。
「内葉神楽・・・武田は・・・」
実は武田は神楽との戦いで・・・これは数分前の話。
「さて、はじめましょう」
「はいは~い」
「水槍!」
水でできた槍が神楽に飛んでくる
スカッ
余裕でかわし、ものすごい速さで武田の目の前に移動し、顔面に殴りかかる。
「お前は確かに早い、わしの場合それが裏目に出る!」
武田は拳をかわし、神楽の腹につっぱりで攻撃した。
「ぐふっ」
神楽は倒れこんだ。起き上がろうとしたとき、武田を見たとき、水龍が見えた。
「!?」
「動揺しているようだな、水龍召喚だ」
黒く赤い雷をまとった水の龍が目の前にいた。
その龍が神楽に襲い掛かる。
ぐがああああ
ビシャァ
直撃だった。
「ふ、内葉のく(ry」
パーン
「!?」
「風神蹴り」
「貴様、首を飛ばされぬよう鍛えていたのに・・・貴様、魔術は使えないはず・・・ぐぱぁ」
武田は言い切る前に息の根が止まった。
「風の魔術は体の一部に集中させることしか出来ないけど、一応使えるんだよね♪」
こんな感じで武田VS神楽の勝負は神楽のほうに軍配が上がった。
「・・・武田は死んだのか・・・でも、龍を食らったのになぜ動ける!?」
「龍は確かに特殊、でもなんにでも欠点っていうのはあるんだよ?」
「なに!?」
「龍は触れたものの力を奪う、だけど、それは触れてから10秒後の話だよ?
もっとも、私は別だけど」
「何だと!?」
「私たちの師匠は龍の天才でね、龍のことは昔から教えられてたの」
俺たちの師匠は越前で修行していたときに出会った今にも死にそうにな見た目をしている老人。
でも、その人は龍を自由に使いこなし、炎で向かってきた敵は老人に傷ひとつつけることも出来ずに死んだ。
そんなすごい老人が俺たちの師匠だったが、2年位前に何者かに暗殺されてしまった。
俺たちは、織田を追うついでに師匠を殺した犯人も殺そうと思っている。
「くっ内葉神楽め、だが、龍をもろに食らったお前はあまり動けないはず」
「あ、やっぱばれてる?」
「覚悟!!!」
「相手はこっちだよ」
グサッ
青い炎の槍が上杉の腹を貫く。
「ぐぱぁあ」
上杉は血の塊を吐いた。
「蒼炎槍!」
雷と炎の派生、それが蒼炎、ほかにも派生技は使えるが今回はこれだけで十分だ。
「貴様ぁ、なぜ生きている!?」
「お前に教えるほどのことじゃない、さっさと殺す」
上乃助の背中から青い炎の翼のような槍のようなもの右半身、左半身に3本ずつ生えてくる。
「蒼炎槍翼」
上乃助の背中から生えてきている翼のようなものの何本かが上杉を襲う。
「くそが、そんなものでやられてたまるか!龍の翼!!」
上杉の背中から黒く赤い翼が生えてくる。
鳥のように飛び翼のようなものを避け続けるが、それでも翼のようなものは上杉を刺し殺そうと追い続ける。
「ふっ、まだまだ未熟だな、食らえ!龍の槍!」
上杉の手に黒く赤い槍が出現する。そして、そのまま上乃助に突進する。
「消えろ」
グサッ
青い翼のようなものが上杉の急所を貫く。血の塊を上乃助に吐き、そのまま目を閉じた。
上杉は自分を襲っている翼のようなものはこれが全てだと思い込んでいたらしい、一本だけ襲ってないことは考えていなかったようだ。
「・・・終わった?」
「うん・・・はぁ~面倒くさかった~」
「そうだね、ところでさ、さっきの翼みたいなのって何?」
「あれ?あれは蒼炎槍翼、修行してた当時、お前が寝てる間に考えついて、お前がいないときを見計らって練習して覚えたんだよ、これは使い方しだいでは守ることも殺すことも出来る」
「ふーん・・・そんなのはどうでもいいや、ねーねーそれよりもさ、どっかいこうよ」
「お前が話振ったんじゃねぇかよ・・・で、どっかってどこだよ?」
「・・・」
神楽が上目遣いをする。
この近くに有名ない温泉街がある。「北川温泉」それが温泉の名前。
神楽はそこにいきたがってるのだろう。
「はぁ・・・はいはい北川温泉でしょ?」
「うん!あそこ行きたかったんだよね~」
「はいはい、美濃に温泉街があるからここからだと南に数キロか・・・馬に乗っていくか」
「うん!しゅっぱ~つ♪」
上乃助は馬に乗った。神楽は・・・
「こら!ジッとしなさい!」
ヒヒ~~~ン、馬が暴れ始める。神楽の腹に馬のキックが直撃する。
「痛っ!くそ~馬~殺してやる~」
「ちょ、ま(ry」
パーン
馬の首が飛ぶ。
上乃助が乗っている馬は意外と平然としていた。
「おいおい、馬にも手をあげるなよ」
「あげたのは足だよ?」
「はいはい、もう俺の馬に乗れ」
「ほ~い♪♪♪」
「(妙に機嫌がいいな・・・)」
そんなこと考えつつも、出発した。
「ところでさぁ、何で上乃助の馬は素直に言うこと聞くの?私のは暴れたのに」
「だって雷の魔術で操作してるもん」
「嘘!?どうやってるの!?」
「馬に触れたときに雷の魔術を頭に流して、操作してるんだよ、修行中に実証した」
「へぇ~」
と、そんな会話をして美濃の温泉街に行くのであった。
次回、温泉街の異変
どうでもいい話ですが、蒼炎槍翼の形はポ○モンのギ○ティナのオリジンフォルムの翼のような形をしています。
色はもちろん蒼ね♪