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ナツイチ

作者: 小波

 

 書店に足を運ぶ。小説の文庫本の平積みの中にお金を払わなくても読める小冊子が置いてある。この夏一度は読んでほしい、そんな意味だろうか。ナツイチ。そこに角田光代さんのコラムがあり私はあのコラムの大ファンだ。どんな小説にもその本を輝かす命を吹き込む一文が織り込まれている。


 私の一生にもきっとその濃厚なエッセンスがあるのだろう。きっとそこまで行き着くためにこの本を額に汗しながらも寝る間を惜しみながらも鞄の底に眠らせながらも共に歩き読み続けたのだろう。読み手によって本の価値は変わる。心が打たれ涙を流し忘れられない一文も一つのストーリーの中に何千何百の誰かの瞬間が溢れている。その魅力は私の中にもあるだろう。取るに足らない日々。何か大きなことを成し遂げる、達成感のある、全くそうは思えない毎日。実感の薄い、それでいて貧しくて陰湿で重い。喜びが外を見るたびに掠れてしまいそうな私の一生にも。感じ取るものは人それぞれ。私は角田さんの言葉が忘れられず、貴方から頂いたメールも忘れていない。輝いてる日も霞んでしまっている日もページを捲るのももどかしい忙しさに振り回される日々も。私という物語は私にこそ、その一瞬をみつけてもらいたがってる。誰かにとっては輝きになるのかもしれない涙。やけくそにこなしている家事育児。一冊一冊手に取って読み終わることなんて出来ない日々。あたり構わず散文して、本箱ごとひっくり返して読み返す日々。私は私がすきですよと書くたびにそう伝えているつもりだ。


 本の中の言葉は私に届き、私は今まで栄養のように浴びた言葉で返事をする。離れ離れになった私とワタシを仲介してきっとどこかへ連れて行くだろう。私を泣かせたあのメール。それがあなたからのエッセンスだった。人生が輝く瞬間を誰かと共有する為に今日も私は書き続けている。

読んで頂きありがとうございます。まだまだ書きます。

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