【第一部完結記念一気読みVol.2】青のキャンパスの向こうから〜ちょっとズレてる大学青春白書〜
某大学に通う3人のお話。
話が噛み合っているの、噛み合っていないのか。
仲が良いのか、良くないのか。
3人の会話が絡み合ってなんとも言えない1日が今日も始まる。
「#14 意外に好みの味の薬もある」
マスクをしてメガネが曇ってるメガネ
ドッチ:メガネ、それで見えてんの?
メガネ:見えない……
ドッチ:もしかして風邪ひいた系?
メガネ:うん、朝起きたら咳と鼻水が出っ放しでさ、熱が無いから学校に来たんだけど、視界が悪いから具合悪くなってきたよ。
テンドウがメガネの肩に手を置く
テンドウ:メガネがメガネに言ってるんじゃ無いか?無理する事ない、休めと。
メガネ:メガネにそんな感情は無いよ。感情があったら曇って絶不調だと思うよ。
テンドウ:そうか、飼い主に似るか。
メガネ:ペットじゃないよ!飼い主とかじゃないから!もう、なんか余計具合悪くなってきたよ。
ドッチ:帰って休むのが1番いいと思うけど、帰んないの?
メガネ:ここまできたから今日は頑張るよ。酷くなったら明日休もうかな。
ドッチ:薬とかは持ってきてないの?
メガネ:持ってきてないんだ、家出る時はそんなに酷くなかったから。
テンドウ:薬買ってきてやろうか?
メガネ:テンドウ、なんて優しいんだ。
テンドウ:どんな味の薬が好みだ?
メガネ:……味って何?どんな症状に効くとかで使うんじゃないの、薬って?
テンドウ:薬は効果も大事だが、味が嫌で飲めなかったら何も意味がないだろう。
メガネ:確かにそうだけど、子供じゃないんだから不味くても飲むよ。
テンドウ:そうか、メガネは大人だな。
メガネ:テンドウは薬が苦手なのか?
テンドウ:好きでも嫌いでも無いな。
ドッチ:薬が好きな人はあんまりいないんじゃない?因みにちょっと興味あるんだけど、テンドウの味の好みの薬なんてあるの?
テンドウ:葛根湯はクセになる味でイケるぞ。
ドッチ:うーん、どうなんだろう。葛根湯飲んだ事あるけど、いまいち覚えてないな。他になんかあるの?
テンドウ:「おくすり飲めたね」は意外にイケるぞ。
メガネ:それは薬じゃないだろー!しかも、それ使ってるって事は薬飲むのめちゃくちゃ苦手なんじゃないか!
テンドウ:そうだな。しかし、ドラッグストアって何であんなに食料品が揃ってるんだ?普通に野菜を売ってる所もあったし、文房具なんかも売ってて、あれはもうスーパーなんじゃないか?
ドッチ:確かにドラッグストアで薬とかだけって逆に珍しいかも。あとお菓子安いイメージある。
テンドウ:あと、ドラッグストアって店員さんが真面目そうな人多くないか?
ドッチ:確かに派手な店員さんはあんまり見た事無いなぁ。
メガネ:ドラッグストアあるあるみたいな話はもういいよ……
テンドウ:そういえば、メガネに薬を買ってこなきゃな。あと、メガネの曇り止めも必要だな。
メガネ:メガネの曇り止めはドラッグストアに売ってるよ……ホントに何でもあるな。
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「#15 箸の守備範囲はイチロー並」
学食で昼食中
テンドウ:メガネはパスタか?珍しいな。彼女でも出来たのか?
メガネ:彼女いないよ。なんでパスタから連想されるのさ。
ドッチ:確かにメガネがパスタは珍しいね。麺系食べるとしてらいつもラーメンじゃない?
メガネ:えっ、そんなにオレがパスタ食べるのは変なの?
ドッチ:食べてるものいつもチェックしてるわけじゃないけどさ、ほら、メガネがフォーククルクルしてんの初めて見たからさ、気になったよね。
メガネ:パスタってフォーククルクルして食べないの?
ドッチ:いや、するけどさ、なんかもうめんどくさ。
テンドウ:オレはパスタは箸だぞ。
メガネ:クルクル以前の問題じゃん!
テンドウ:だって麺だろ?ラーメンだって焼きそばだって麺全般箸で食べるだろ?パスタも箸の守備範囲だろ。
メガネ:まぁ、それを言われると、パスタ箸でもいい様な気がしてきた。
テンドウ:なんならケーキも箸で食べるぞ。
メガネ:ケーキは流石に違うだろ!
テンドウ:豆腐は箸で食べるだろ?ケーキは豆腐なんかより随分掴みやすいぞ、切り分けて食べるのもフォークより簡単だし、便利だぞ。
ドッチ:確かに使い勝手は良さそうだけど、見た目的にどうなの?ってとこじゃない?
メガネ:因みにテンドウが箸以外で食べる料理は何なの?
テンドウ:カレーライスだな。
ドッチ:カレーは箸で持てないけど、ライスは持てるんじゃないの?
テンドウ:カレーに関してはカレー付きライスとして持てるんだが、スプーンの方が何故か美味いんだよ。
ドッチ:なんかキャンプの時にカレーが美味い、に似てる話?
テンドウ:プリンとかゼリーは物理的に無理だな。箸はスプーンの守備範囲は苦手で、フォークの守備範囲はイケるイメージだな。
メガネ:なんか色々試してるんだな。テンドウは何で箸にそんなにこだわるの?
テンドウ:箸は日本の文化だろ。日本人なら箸を優先するべきだと思うぞ。
ドッチ:使い勝手じゃないんかい!
メガネ:因みに……寿司は?
テンドウ:……箸だ。
ドッチ:そこは文化的に素手でいっとけよ!
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「#16 映画館の食べ物の縛り方は謎」
メガネがテンドウとドッチに話しかける
メガネ:この前映画見に行ったんだけどさ、
ドッチ:ついに彼女が出来たの?
メガネ:1人だけど。
ドッチがため息をつく
ドッチ:で、何の話?
メガネ:えっ、何でそんなに興味なくなるわけ?
テンドウ:まぁまぁ、いいじゃないか。で、メガネは何を言いかけたんだ?
メガネ:あ、ああ……映画館の食べ物のチョイスって謎じゃないか?
ドッチ:何が?
メガネ:映画館というと「ポップコーン」だよね。まぁ、これは音が出にくい食べ物の範囲だから良しとして。「ナチョス」ってめちゃ音出るお菓子じゃない?何で売ってんの?
ドッチ:それ、私も思った!それ言ったら、ホットドッグも結構危険じゃない?「ウインナーパリッと」みたいな事書いてて、音強調してるのが謎だった。
テンドウ:ナチョスってなんだ?
メガネ:何って言われると答えるの難しいな。三角でパリパリしてるスナック菓子だよ。
ドッチ:○ンタコスじゃないの?
メガネ:○ンタコスなの?
テンドウ:○ンタコスって何だ?
ドッチ:ちょっと待って、渋滞してる!一回整理しよう。テンドウ、○ンタコスはこれね。
ドッチがスマホで検索した画面を見せる
テンドウ:あぁ、見た事あるな、これがどうしたんだ。
メガネ:映画館にあるナチョスがこれなのかどうなのかを確認してたんだよ。
テンドウ:ナチョスって何だ?
ドッチ:○ンタコスでしょ?
メガネ:○ンタコスなの?
テンドウ:ナチョスって何なんだ?
ドッチ:ちょっと待って、「ナチョス」を整理しよう。
ドッチがスマホで調べる
ドッチ:えっと、「トトポスと呼ばれるトルティーヤチップスをソースや具材でトッピングした料理」だって。
テンドウ:トトポスって何だ?
メガネ:新しい言葉が出過ぎて混乱してきた。
ドッチ:トトポスはトルティーヤチップスの事でしょ。
テンドウ:トルティーヤチップスって何だ?
ドッチ:お前は言葉覚えたての子供か!自分でも調べなよ!
メガネ:ドッチ、落ち着いて。オレが調べるよ。えっと、「トルティーヤの生地を小さく切って揚げたものだって。」
テンドウ:トルティーヤって結局何なんだ?
メガネ:何だよ、これ!答えに辿り着かないのかよ!どうなってんだよ!質問モンスターもいるし、もう無理だー!
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「#17 天気予報は予言じゃない」
窓を見つめているドッチ
メガネ:なんか黄昏てるけど、どうしたの?
ドッチ:なんか雨って憂鬱なんだよね。
メガネ:まぁ、確かに気分は上がらないよね。それにしても落込み過ぎじゃない?
ドッチ:雨の日にいい思い出がないんだよね。
メガネ:そうなんだ、どんな事があったの?
ドッチ:小さい頃の遠足とか、イベントの時にいつも雨が降ってて、なんか思い出すんだよねー。
メガネ:ほぉ〜、雨女ってヤツですな。
ドッチがメガネのメガネを外し、眉間をグリグリする
ドッチ:雨女言うなし!
メガネ:ごめん、ごめん、メガネ、メガネ。
ドッチがメガネにメガネを戻す。
メガネ:オレも雨の日は嫌いなんだよ。メガネが曇るんだよ!メガネ曇った時のストレスといったらハンパないからね。
ドッチ:曇り止めか曇らないメガネ買いなよ。
メガネ:今日はツンが凄いな。デレもくれよ。
ドッチがメガネのメガネを外し、眉間をグリグリする
メガネ:なんだよ!それやめてくれよ!
テンドウが歩いて近づく
テンドウ:メガネ、随分ご機嫌だな。コンタクトにでも変えたのか?
メガネ:強制裸眼だよ…
ドッチがメガネにメガネを手渡す
メガネ:ドッチは雨が嫌いなんだとさ。
テンドウ:オレは雨が好きだぞ!
メガネ:意外!テンドウは晴れが好きそうな感じなのに。
テンドウ:正確には雨の降り始めだな。なんと言うか独特の匂いがしないか?あれが好きなんだ。
メガネ:それって雨が好きとがじゃなくない?ただの匂いフェチ的な話だろ?
テンドウがメガネの眉間をグリグリする
メガネ:なんだよ!なんでコレが流行ってんだよ!
テンドウ:因みに、紙袋の匂いも好きだな。
メガネ:ほら、もうハッキリと匂いの話になってんじゃん!
ドッチ:はぁ、うるさいメガネだなぁ。
メガネ:なんだと!なんだよ2人して、感じ悪いぞ。だいたい今日は雨の予報なんて出てなかったぞ。どうなってるんだよ!天気予報の精度は!
テンドウ:そうだな、今日の天気予報をオレも見た。確かに雨が降るなんて話は一切なかった。しかし、予報だぞ。当たる時もあれば外れるときもあるだろう。
メガネ:それ言っちゃったら予報やってる意味ないじゃん。
テンドウ:メガネ、知っているか?気象予報士の人は予報が外れるともの凄い辛いと話を聞いたぞ。お前は傷口に塩を塗るのか?それが正しいのか?
メガネ:それ言われたら責められないけど、でも、仕事だろ?
テンドウ:メガネ、お前が折り畳みの傘を持ち歩け。それで全てが丸く収まる。今の折り畳み傘は小さくてかさばらないぞ。
メガネ:うーん、納得いかんけど、オレは折り畳み傘を持つ!なぜならお天気お姉さんを悲しませたくないからな!
ドッチ:お天気おじさん泣いてるよ。
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「#18「いい意味で」は詐欺のやり口」
メガネが深刻な顔をしている
テンドウ:メガネどうした?便秘か?
メガネ:違うよ!今までそんな相談した事あるか?
テンドウ:じゃあ、どうしてそんなうかない顔をしてるんだ?
メガネ:これを見てくれ。
メガネがメガネケースからメガネを取り出す
テンドウ:メガネにしてはなかなか思いきったデザインだな。パリピデビューか?
メガネ:デビューする気は無いんだけど、店員さんに薦められて買ったんだ。今になってなんで手元にこれがあるんだろうと思ってる。
ドッチ:なんか面白そうな話とメガネだね。店員さんに何て薦められたのさ?
メガネ:「お似合いです。」って……
テンドウ:それだけでこのメガネを買うまではいかないだろ。で、本当は何て言われたんだ?
メガネ:その後、「いい意味で今までの自分の殻を破れますよ。」って言われたんだ。
ドッチ:確かに何かの殻は破れそう。
テンドウ:なるほど、メガネはいつもの自分とは違うチャレンジをしたい気持ちがあって、そこを後押しされたって事だな。で、いい意味ってなんだ?
メガネ:うーん、深い意味はないんじゃ無いの?あまり気にしてなかった。
テンドウ:今までの自分の殻を破れますよ。でも十分通じるだろ?それをあえて付け加えたのは何かしらの意味がそこにあるんだ。
ドッチ:なんか名探偵の犯人探しみたいになってるけど。でもいい意味でって言葉はなんかズルい表現に聞こえるよね。相手の反応を見て、予想と違ったらゴマカすみたいな、そんな感じじゃない?
テンドウ:確かにそんな感じはあるな。店員さんは『似合ってます。」の後にその言葉を言ったんだな。と言う事は、メガネが試着して「なんかしっくりきてないな。」という反応を察知して、「似合ってなくても、新しい自分に会える。」に方向性を変えたって事だな。
メガネ:なんかこのメガネに対してチャレンジする気力が無くなってきたよ……
テンドウ:そのメガネに罪はないぞ!かけるんだメガネ!
ドッチ:ウチらが見て似合ってるかどうか感想言ってあげるからかけてみてよ。
メガネ:じゃあ……
メガネが後ろを向いてメガネを変えて振り返る
テンドウ:……
ドッチ:……
メガネ:なんで2人とも無言なのさ!感想はどうした!
テンドウ:あぁ、なんというか、メガネがかけるメガネっぽくないな。あぁ、いい意味でだ。
メガネ:「いい意味」で言ったー!誤魔化したな、テンドウ!
テンドウ:はっ、これか。店員さんの気持ちはこれだったのか!
ドッチ:店員さんと気持ちをシンクロさせてどうすんの。メガネ、そのメガネ残念ながら似合ってはいないと思うよ。
メガネ:直球は気持ちいいけど、傷口に塩だよ。
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「#19子供の疑問はキレたナイフ」
メガネがテンドウにニヤニヤしながら話しかける
メガネ:テンドウ、海はなんでしょっぱいか知っているか?
テンドウ:塩が入っているからだろう。
メガネ:何で塩が入っているか知っているかい?
テンドウ:地球ができた約46億年前に地球の環境は今と大きく異なっていて、古代の地球では酸性の雨が降り、岩石中のナトリウムやマグネシウム等を溶かし、中和反応を起こして、塩と水ができ、長い時間をかけて海になったんだろ。
メガネが驚きながらプルプル震えている
メガネ:なんで答えられるだよ!昨日事前に質問事項を連絡したのか?してないよね?
テンドウ:どうしたメガネ。
メガネ:いやいや、なんでいきなりの質問に地球の成り立ちからの情報提供できるわけ?
テンドウ:昔、海がなんでしょっぱいのか気になってな、調べた事を覚えてたんだ。メガネこそどうしてそんな質問をしてきたんだ?
メガネ:姪っ子がいてさ、この間質問攻めにあったんだけど、全然答えられなくてさ。海がしょっぱいのは何故か?っていうのを聞かれたけどオレは答えられなかったよ。
ドッチ:普通答えられないでしょ。確かに、子供の質問って核心ついてくるよね。他にどんな事聞かれたの?
メガネ:空は何で青いの?って言われた。
ドッチ:姪っ子ちゃん、青いの好きだね。私は理由わからん。
メガネ:……テンドウはわかるかい?
テンドウ:太陽の光は色んな色で出来ていて、空気の中を進む時に、空気を作っている小さな粒や空気中のちりにぶつかって、色々な向きに散らばる。青い光が他の色よりも散らばりやすい性質があるから、青い光が空いっぱいに広がることで空が青く見えるんだ。
ドッチ:その答え、理科の先生ですか?
メガネ:子供の視点に立った答えになっている。テンドウ恐るべし、子供にとってなんて心強い味方なんだ。……そしたら、「赤ちゃんはどうやってできるの?」に何て答えるんだ?
ドッチ:その質問はされたの?
メガネ:されてない。だが、聞かれる可能性があるだろう。そしてセンシティブな内容だ。ここはテンドウ先生に一つアドバイスを頂くべきと思ってね。
ドッチ:確かに……
メガネ:先生、答えをお願いします。
テンドウ:ふむ。まず、男のおち
メガネ:まてぇーい!またれーい!今何て言おうとした!?何でストレートに来るの?料理作るみたいに材料用意する感じで言ってわかりやすさ優先してもダメだから!俺、叔母さんにめちゃくちゃ怒られちゃうから!
テンドウ:ふむ、難しいな。なんて言うのが正解なんだ?
ドッチ:正解あんのかな?難しいからみんな悩むんじゃない?
テンドウ:あ、正解あったぞ。
メガネ:何、何?
テンドウ:「お母さんに聞いてね。」だろ。
メガネ:……確かに。そもそも何で全部その時に答えようと頑張ってたんだろ。
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「#20 食わず嫌いは罪深いのか」
学食で食べる3人
メガネ:テンドウってさ、嫌いな食べ物あんの?
ドッチ:何、その唐突な初めて会った時に会話のネタが無くて聞くような質問。
メガネ:凄い言い回しだな。いやぁ、テンドウって何でもガツガツ食ってるイメージしかなくてさ、食べれない物あんのかな?ってふと思っただけなんだけど。
テンドウ:あるぞ。
メガネ:お、あるのか!なんだ、なんだ?
テンドウ:……ホルモンだ。
メガネ:まぁ、なんか苦手な人がいそうな食べ物だから、なんて言うか普通だな。テンドウは焼き肉食いそうだから、その点では多少意外感はあるけど。で、どの辺がダメなの?
テンドウ:見た目だな。
メガネ:見た目かぁ、まぁ、確かにわかるけど、味とか食感とかはどうなのさ?
テンドウ:見た目でダメだ。
メガネ:ん?……食べた事ないの?
テンドウ:ない。
メガネがメガネを少し上げて話し始める
メガネ:テンドウ君よ。ここは言わせて貰おうか。君は食べてもいないホルモンを見た目という理由だけで嫌いと言っていいのかな?人に例えてみよう。テンドウ、君はギャルの格好をした大学生が同学年にいたとしよう。君はギャルという格好だけで、その娘がダメだと烙印をつける。しかし、その娘は学校が終わった後必死にバイトをして、学費を稼いでいるんだ!人の上っ面だけ見たらダメなんだ!
テンドウ:オレはギャル好きだぞ。
メガネ:違う!ギャルの話じゃないんだ、例えだよ。中身を知ってからでも好き嫌いの判断するべきだって言いたかったんだよ。
ドッチ:今のは完全にメガネの例えが悪かったな。
メガネ:例えの話は忘れてくれ。
テンドウ:確かに、その人となりを知らずに決めつけるのは良くない。
メガネ:だろ?
テンドウ:でも、ホルモンは食べようとしたら、吐くぞ。
ドッチ:まじ?
テンドウ:あぁ、大マジだ。オレだってホルモンの事をきちんと理解した上で嫌いと言いたい気持ちはあったんだ。それで、食べてみようとチャレンジしたさ。口に運ぶ前に……ダメだったんだ。
ドッチ:これは、あれだね。生理的にダメだっていうのと一緒じゃない?メガネの例えで言うと、毎朝通勤電車で一緒に乗っているギトギトのおじさんたちの事を君は受け入れられるかい?ってとこだね。
メガネ:一つ言いたい事がある。無理です、ごめんなさい。
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「#21 女子高生vsバスなんて戦いも世の中にはある」
ドッチがテンドウとメガネに話しかける
ドッチ:2人はバスって乗る?
テンドウ:あまり乗らないな。
メガネ:電車は乗るけど、バスはあんまり乗らないね。どうしたの?
ドッチ:この前初めてこっちでバスに乗ったんだけど、地元と違いすぎて衝撃だった。
メガネ:え、何が違うの?
ドッチ:まず前払いってのを知らんのよ、こっちは。バスは整理券を取って、降りる時に料金を払うシステムで育ったのに、乗る時に急に払えと言われても困るんですけど。
メガネ:なるほど。今はsuicaで払うから、ピッとやった時に残額足りない時の周りの冷たい目がオレは恐怖だね。あれは背筋凍ったよ。ある意味電車の自動改札機で止まった時より怖さがあったよね。電車の自動改札機は止められた時サッと避難出来るけど、バスはそこでチャージしなきゃ行けないだろ?死人にムチ打つ感じだよ。
ドッチ:あと、バスの到着時間が待ってるバス停に表示されるのは衝撃だった。
メガネ:それが何で衝撃なの?
ドッチ:北海道はね、バスが何時に着くのかどのくらい遅れているのかなんて当時は知る術がなかったの。ただ待つしかないの。雪が降った時なんかはホントにしんどいよ。北海道は雪降った時に傘をさす概念がまず無いのね、手で払えば雪は落ちるから。屋根もないポツンとあるバス停の横でポツンとひたすら待つの。
メガネ:……寒そう。
ドッチ:しかも高校は制服でさ、厚着すんのがダサいみたいになってたから、今考えると恐ろしいんだけど、通常の状態からマフラーとカーディガンの装備追加しかしてなかったの。
メガネ:嘘だろ……
ドッチ:30分来なくてさすがに寒すぎて少し離れたコンビニに走って避難してたら、目の前をバスが通り過ぎてさ。次一時間後……てか時刻表意味なく無い?いつ来んの次!みたいな事があって絶望したよね、あの時は。
メガネ:北海道の女子高生かわいそう、可哀想過ぎるだろ!こっちは寒暖差でメガネが曇っただけで不満言ってんだぞ!オレはどんだけ小ちゃい男だったんだよ。
テンドウ:メガネ、いい加減メガネの曇り止め買っとけ。バスといえば狭い道をバスが通って行くのは圧巻だったな。以前乗ったバスが山道を通って行ったんだけど、普通の車でも通るのが大変そうな急勾配の細い道を進んで行って、最後には酔ってしまったけど本当に素晴らしい運転技術だったな。
ドッチ:確かに、街中でも細い道を走ってるバスがあるよね。大きいトラックとかもそうだけど、交差点とかで待ってるとグイーンと近づいて曲がってくる時があって、地味に怖いよね。
メガネ:バスといえばやっぱり降りる時の降車ボタンだよね。なんかあれ押すのってなんか色んな気持ちが込み上げるんだよね。
ドッチ:どういう事?
メガネ:最初に押して鳴らしたいって気持ちもあるんだけど、早すぎると「何、大人になってもあいつ押したいの?」みたいに思われそうだし。もし、子供が一緒に乗ってて同じ所で降りるのに気付かず先に押しちゃったら、子供の楽しみを奪ってしまう。そんな事を考えると、押すタイミングを考えてしまうよね。
ドッチ:子供の事は気ぃ使った方がいいけど、それ以外は気にする必要なくない?
メガネ:えっ、そうなの?どのタイミングで押してる?
ドッチ:停留所が次に変わったタイミングですぐ押すけど。
テンドウ:気にした事がないな。
メガネ:えっ、オレが気にしすぎなのか?他に押す時に緊張するボタンとかないの?
テンドウ:肉球だな。
メガネ:嘘だろ、アレは癒しの代表だろ。
テンドウ:猫は触られたいと思ってないから、爪がグッと出てくるんだ。中々の緊張感だぞ。
ドッチ:その前に肉球はボタンじゃないから。
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「#22 都合悪い時に母国語でごまかしてませんか?」
コンビニで買い物して出てきた3人
メガネ:海外の人がコンビニの店員さんしてるの当たり前になってきたなぁ。
ドッチ:確かによく見るよね。でも、よく考えたら働いてる人達凄いよね。日常会話すら日本語以外で話す事なんてウチらは出来ないけど、働いてる人達は接客までしてるワケじゃない。
テンドウ:確かに。コンビニの業務はレジだけじゃなくて色々な事があるからな。オレもコンビニで働いた事があるけど、タバコや宅急便やコンビニ払いの対応も大変だし、タチの悪い客もいるからな。
メガネ:確かに。違う国で暮らして、しかも働くって凄いな。オレなんかいまだにバイトすらしてないのに。
ドッチ:前うちらにバイトの事どうこう聞いておいてまだバイトしてないの?
メガネ:してないよ。オレはメガネ一筋で生きる事にしたのさ。
ドッチ:なんかカッコ良さげに言ってるけど、メガネ以外にお金の使い道がないのかい?
メガネ:倹約家と言って欲しいね!海外の人の話の続きだけど、この前中華料理屋に行った時にさ、中国の人が店員さんだったんだよ。食べてる時に料理こぼしちゃって、店員さんにこぼした事を伝えたら、忙しい時間だったみたいで「後でやります!」って言われたんだ。そしたら、少し後に時間ができたのか店員さん同士で中国語を話し始めて、ちょっと口論した感じになっててさ。チラッとみたらこっちを指差しながらなんか言っててさ、「あいつ料理こぼしやがって」みたいな事を言ってたのかなー、っと思ったよ。中国語は習ったけど何言ってるかなんてカケラもわからないよね。
ドッチ:確かにあの中国語の授業は実用的では無いよね。「私は先生と図書館に行く。」みたいな例文をやった記憶があるけど、使う場面ある?って感じ。実際、その中国の店員さんは何て言ってたんだろうね?「あんたが掃除しなよ。」とかもあり得そうじゃ無い?
テンドウ:「今日忙しい、しんどいわー。」とかじゃないか?忙しくてメガネのこぼした件を忘れてるかもしれんぞ。指差してたのは、「あの人さっき何か言ってたな?なんだったけ?」とかなんじゃないか?
ドッチ:ちなみに、店員さんはメガネが食べてる間に掃除しにきたの?
メガネ:きてないね。
ドッチ:じゃあ、忘れてたかも知れないし、食事の邪魔しない様に帰った後に掃除する。とかもあったかもよ。
メガネ:その優しさがあったとしたら、先に掃除して欲しかったなぁ。こぼしたのスープだったから。
ドッチ:それは食事邪魔しない優しさはなさそう。でも、何言ってるかわからないって、話してる方からしたら便利じゃない?真面目な顔して話してれば、雑談してたとしても、こっちはなんか仕事の話をしてるのかな?って思うし。
メガネ:確かに逆の立場だったら便利かもね。でもなー、もう一つの言語を話せる様になるのがハードル高いなぁ。
テンドウ:メガネ、その考え方は違うと思うぞ。言葉はハートだ!話せる様になってから話すんじゃなくて、話せなくてもなんとか伝わる様に頑張って行く事で実用的な言葉になっていくじゃないか?
ドッチ:テンドウいい事言うじゃん!確かに話す勇気がだせない、伝わらなかったらどうしよう、とか後ろ向きな理由が違う言葉を話せない1番の原因な気がする。
メガネ:で、テンドウよ。君は日本語以外を話せるのか?
テンドウ:いや、話せない。オレはハートで話す機会を待ってるんだ。だから勉強もしない。
ドッチ:そーゆートコだよね。いつも最後に踏み外すんだよな。準備あってこその本番だから。
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「#23 スマホはアリ地獄に落ちたアリくらいヤバい」
テンドウが椅子にぐったりして座っている
メガネ:テンドウどうしたんだ、やけに疲れてるな。ドッチなんか知ってる?
ドッチ:んーん、知らない。まさか、またDVD返してないとか?
メガネ:アイツはDVD以外の悩みはないのか?
メガネが近付いて話しかける
メガネ:ずいぶん疲れてるけどどうした?
テンドウ:スマホは人類の天敵かも知れん。
メガネ:ドッチ!全然違ったけど、何を言ってるかわからない。
ドッチ:なんでそんな壮大な話になってるわけ?
テンドウ:最近、肩がやけにこるし、目が疲れて視力も下がってしまったんだ。全てはスマホなんだ、スマホのせいで生きる力が衰えてる気がする。
ドッチ:視力と肩こりで天敵で生きる力が無くなるって大袈裟じゃない?
テンドウ:こんな身体が調子悪くなる物を誰もかれも毎日毎日スマホを見て、まるでスマホが無ければ生きられない様な状態になってないか?
ドッチ:実際スマホが無くなったらかなり不便になるし、困るよね。でも、生きられないまではいかないんじゃない。本当に生きる為に使ってるんじゃなくて娯楽で使ってる人がほとんどなんじゃないかな。スマホゲームなんて最たるもんじゃん?
テンドウ:一昔前は存在しなかった物だろ?本当はなくても生きていけるんだ。今と比べると不便なだけで。
ドッチ:もともと無かった人達は対応出来そうだけど、生まれた時からあった人達はある事がベースだから、無くなると相当厳しいと思うよ。因みにテンドウはなんでそんなにスマホを見てたわけ?
テンドウ:○ouTubeだ。
メガネ:○ouTubeは見るとなんか最終的によくわかんないの見てない。あれ、なんでこんなの見てたんだっけ?みたいな事が結構ない?
ドッチ:あるある!関連動画とか、レコメンドとか出てくるから、まぁ興味がない動画じゃないからさ、見ちゃうんだけど、あれ?って思う時あるんだよね。
メガネ:そうそう。テレビだとさ、見たい番組が終わった後、興味ない番組しかやってなかったら、見るのやめちゃうもんね。その点○ouTubeは終わるタイミングが見つからんない。気付いたらこんな時間!みたいな所で、なんでこれ見てんた?になってる。
テンドウ:それがスマホのやり口なんだよ。気付かないうちにオレ達の懐に入り込んで、一緒にいるのが当たり前だと思ったら、少しずつ蝕まれているんだ。
メガネ:なんかその言い回し怖いな。でも、確かにテンドウのいう事も一理あると思うよ。スマホは結局道具なわけで、スマホがなければ何も出来ない様な依存状態は良くない。ほら、災害とかがあった時なんかスマホが全然使えなくなったりするじゃない。
ドッチ:メガネにしてはまともな事を言うね。確かに災害あった時に今まで使えてたものが使えないって事は多いにあり得るよね。いつ何があるかわかんないもんね。……ってかなんでこんな話になってんだっけ?
メガネ:なんの話してたんだっけ?
テンドウ:スマホは便利すぎて人類をダメにするって話だ。
ドッチ:確かに、道具は使い方が大事だよね。〇ラえもんから学んだよ。
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「#24 バランスの悪い食事では背も伸びない」
学食のメニューで熟考するメガネ
テンドウ:どうしたメガネ?またドライカレー食べる気になったのか?
メガネ:違う。オレは気付いてしまったんだ……
テンドウ:カレーの方が美味い事か?
メガネ:違う!カレーから離れてくれよ!
ドッチ:で、何に気付いたわけ?
メガネ:色々な物を偏らずに食べる事が大事なのさ。
ドッチ:どういう事?
メガネ:「あの食材が身体にいい。」みたいなかんじで食と健康に関する情報はいっぱいあるだろ。あれは結局「バランス良く色々な物を食べる。」という事が大事だと気がついたんだ。
ドッチ:いまいちわからん。
メガネ:例えば、昨日見たんだけど、ゴマにはガン予防だったり、高血圧抑制の効果があるらしい。その効果がいいな!っと思った人がゴマに特化した食生活をして、ゴマたっぷりのメニューを食べ続けるだろ。ゴマは食べ過ぎると便秘になったり、太ったらするらしいじゃないか!健康の為にとそれだけ食べるとかはナンセンスなのさ。
ドッチ:ゴマを毎日大量に食べる人いる?
メガネ:例えばの話だよ!何事も偏りすぎるのは良くないだろ?
テンドウ:確かに偏りすぎは良くないな。オレは中学の時に背が伸びたくて、毎日煮干しを食べながら牛乳を飲んでいた。
ドッチ:背を伸ばすってのがなきゃ荒んだ食生活だなー。
メガネ:して、背は伸びたのか?
テンドウ:……効果は無かった。中学の時に伸びないな、と思って諦めたら高校になってから1年で10cmは伸びていったな。
ドッチ:そんな状態だったら、高校の入学と卒業は別人じゃん?
テンドウ:まさに別人と呼ばれてたな。
ドッチ:呼ばれてたって、どういう事?
テンドウ:あだ名が別人だったな。
ドッチ:って事は、高3とかについたあだ名って事?
テンドウ:いや、高1で別人と呼ばれてたな。
ドッチ:なんで?高1じゃ背は伸びてないじゃん?
テンドウ:野球をやってる時と普段の時が別人だって言われてな、それ以来「別人」があだ名になってな…
メガネ:いやいや、背ぇ伸びて別人の流れだったろ!なんで人格の方なんだよ!
ドッチ:メガネ、メガネズレてるよ。……確かに私もツッコミたかったけど、人格がどう変わるのか気にならない?
メガネがゆっくりメガネを直す。
メガネ:確かに……テンドウ、騒いですまなかったな。で、テンドウは野球をするとどんな感じになるんだ?
テンドウ:伊達メガネをかけてたな。
ドッチ:見た目かよ!人格の方じゃ無くて見た目なの!なんで野球する時に伊達メガネかけるの!
メガネ:ドッチ、メガネの事は悪く言わないでくれ、メガネに罪はないよ。
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「#25 電車の中はアメリカ以上に色んな人種がいる」
メガネとテンドウにドッチが話しかける
ドッチ:はぁ、最悪。今日電車で痴漢に会ったんだけど。
メガネ:痴漢って、ドッチの事だから犯人は捕まえたんでしょ?
ドッチ:捕まえてないよ!なんか駅着いた時に降り際でお尻を触って、そのまま逃げ去っていった。一瞬の事で呆然としたよね。でも、後から凄い腹が立ってきた。
テンドウ:それは許せんな。どんなヤツだったか覚えてるのか?
ドッチ:電車が駅に着いて人が一気に降りて行く時だったからわからないんだよね。まぁ、今後同じ時間の同じ車両には乗らない。
メガネ:電車って、変な人が結構いて地味に怖くない?前に電車の吊り革で懸垂してる人がいて怖すぎたよ。
ドッチ:確かに電車は変な人いるよね。あと、喧嘩してる人もいるよね。電車が揺れてちょっとぶつかっただけで、凄い睨んで舌打ちされた事あるよ。
テンドウ:オレも痴漢された事あるぞ。
メガネ:ん?どういう事?痴漢を目撃したって事?
テンドウ:いや、違う。オレが痴漢されたんだ。
ドッチ:えっ、男の人って痴漢されんの?
メガネ:オレも聞いた事ないよ。どういう事?
テンドウが遠くを見つめて話し始める
テンドウ:……アレは夏の暑い日だったな。オレは高校生でいつも通り朝学校へ向かう為に電車に乗っていたんだ。その日の電車は遅延してていつもよりも混んでいた。鮨詰めになった電車内で、オレは妙な感覚に気付いた……「尻を揉まれている。」と。オレは想定外の事態に混乱し、声も出なかったよ。しかし、勇気を出して「やめろ!」と言おうと振り向いたんだ……
メガネ:えっ、なんで沈黙?どうなった、どんなヤツだったの?
テンドウ:……プロレスラーみたいな大男で、オレは尻以上の衝撃で固まってしまった。その後駅に着いたら電車から降りる人の雪崩に巻き込まれて、ホームで呆然としたオレを残して電車と大男は去っていったんだ。
ドッチ:なんか衝撃的な話。
メガネ:男でも痴漢に遭う事があるんだな。
テンドウ:その後オレはなぜそんな事に遭ったのか考え、気付いたんだ。野球やってるヤツの尻ってなんかデカい事に。だから、そんなお尻をしていると痴漢に遭うんだと思ってな、野球をやってると避けられない運命だと思う事にしたんだ。
メガネ:えっ、そんなに頻繁に痴漢に遭うの?
テンドウ:いや、その1回だけだ。だから、その時がオレの尻の最盛期だったんだろうな。残念だ。
ドッチ:痴漢の基準で最盛期とか考えるの違うから。
今日もいい1日になりますように