表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

【恥ずかしい日】

 時間の感覚が曖昧だ。だが、何日か経った頃、周りの言葉や状況が分かるようになってきた。


 「ごめんね。私のかわいい坊や。あまりおっぱい出ないねぇ…」


この綺麗な女の人は、新しい俺の母さんだ。マリーと言うらしい。顔の整った綺麗な人だが、ブロンド髪はぼさぼさで、身なりもボロボロだ。でも深く深く澄んだ青い瞳が優しくて、そして綺麗だった。


 「無理もないよマリー。食べるものが少ないんだから…それにしてもローアルは元気だねぇ。この子もミルクを飲めてないのに。」


この初老の女の人、もといばばあはレベッカ。俺のケツをシバき上げた人物だ。産婆さんらしい。


 「ローちゃんは強い子なのよねー。」マリーは優しい声色で俺を包み込む。


たしかに腹は減っている。だが意外と何とかなっている。ある日に気づいたことなのだが、生まれたときから見えている空間を漂う様々な光。これを食べる? と空腹感が和らぐのだ。最初はパクパクと漂ってきた光を食べていたのだが、こう身体を空っぽにする感じに集中すると光は俺の身体に集まり吸収することができた。

マリーや他の人にはこの光は見えていないのだろう。そもそも光を吸収して生き長らえるなど、塵や芥を主食にする仙人でもあるまいに。人間離れしすぎている。俺は恥ずかしながら母の乳を吸いながらそんなことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ