虚構と現実
「虚構と現実」
寒い冬
君と待ち続けた春は
音もなく過ぎていった
人は皆
少しの後悔と罪の意識を
抱きながら過ごしている
刻は流れ
そんな心の痛みも感じなくなり
ひとりぼっちになった
あなたは言った
「想い出の中で僕ら
生きていけるよ」
嘘っ!
手を伸ばしても
触れない
問いかけても
答えがない
そんな空虚な存在に
私を救う術はない
あなたからの
悲しみの言葉は全部
捨てていくよ
身軽になった私は
後ろ髪引かれぬように
バッサリいくさ
*フィクションです。