1+5+10+50+100+500
赤羽脳の友人はいないが、友人ごっこならしたことがあった赤羽脳。
赤羽脳が友人ごっこした相手からも〝ナヅキ〟とは読まれず、名前は読み間違えられた。
赤羽脳が友人ごっこした相手の名前は告仁であり、この告仁も名前は読み間違えられやすい、そもそも告仁のが読み間違えられる、〝告仁〟で〝コックピット〟と読むのだから。
友人ごっこどまりの告仁にもおやつを買ってあげた赤羽脳の思想は赤羽脳の素の対応。
赤羽脳は他人に使ったお金を計算したりもする、十年以上経った今も。
赤羽脳はバケモノに追われ外から屋上まで上がれるビルの屋上からちょっと高さの低くなったビルの屋上に飛び移ったりと命がけの中でも、どうでもいいことを考えている。
(えちゅうど……このワードは接吻の〝ちゅう〟を絵にするみたいでいい、〝えちゅうど〟というワードの最後にハートの記号を付けたい。性的な気分抜きで実際オレは好きな女の絵に、ちゅうした。綺麗な顔が好き、健康的な上半身が好き、好きにはいろいろだけど)
赤羽脳の息は臭い。これは幼少期からずっとのもの。〝病気を思わす臭いだ〟と言われたこともある。
逃げつづけて数分後。赤羽脳が商店街のビルを飛び移り続け、徐々に近づくアーケードとの距離、赤羽脳はアーケードに飛び移った。今度は枯れ木に飛び移る。
単純に赤羽脳の記憶力は低いというのが赤羽脳にとっての普通であったが、特にバケモノに襲われた以降は記憶力だけではなく頭が良くなった感じもしだした。赤羽脳の思想ではない別のだれかの、神の思考回路が転移されたような感覚で、曖昧さもあるが〝そのまま横の木へ飛び移れ……〝インヴィジブル・インヴィンシブル〟を継承すべき選ばれしものよ……〟と声も聞こえた、声の感じは煩悩と奮闘し隠遁生活中の大昔に一世風靡もし熟練した博識老人のようなもので、赤羽脳の思考能力を上回っている。妄想の域を脱した絶対的な安心感に似たものに徐々に近づいた。
Lv.(ベートーヴェン)という同人音楽家は肖像で有名の手持ち教本がある。既に過去の人となったLv.(ベートーヴェン)。彼はあの教本を持っていなくても、手持ちの教本と認識させた。〝手持ち〟は現在の物に限られていると赤羽脳の知識では少なくともある。〝手持ち〟とは現在のものに限ったことではないという新定義をつくったと、赤羽脳は思っていた。ちなみにLv.(ベートーヴェン)の〝Lv.〟とは〝レヴェル〟の、略。