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蔵と餓飢(がき)  作者: あき
3/5

クラスメイトとかけっこ

1話からご覧ください

俺が手当たり次第みた図鑑には、妖怪ものも多々ある。

広く浅い知識で簡単に説明する。


牛鬼

読み方は、うしおに・ぎゅうき。

頭か体のどちらかが牛。

角は鬼のように大きい。

頭が牛の場合、体は鬼か昆虫が多い。

俺の中では、鬼か蜘蛛が多いように思う。

蛇っぽいのもいるらしいが、お目にかかったことはない。

ここまでの定義でいうなら、おいしそうなクラスメイトが追いかけられてるのは、牛鬼でとりあえずはいいだろう。

まだまだ地方によって色々あるのだが、些細な差なのでおいておく。

そんなことより、ここからが重要だ。


牛鬼は、獰猛で残忍。毒を持つこともあり、人を殺す。


つまりだ、牛鬼とエンカウントした俺がとるべき選択肢は、逃げる一択ということだ。


ちなみに、いらない知識としていうなら、おいしそうにはみえる。

味はまずいと思うが、食べてことはまだない。


おいしそうなクラスメイト、もとい、いい加減名前を言うべきであろう彼は、倉持という。

細い一本道を2階まである大きさの、頭が牛で体が鬼の、最悪コンボきめた牛鬼に追われてこっちに向かってくる。

あちらのものは、実は意識させなければ正に文字通りのスルーができる。

存在を認識しないことは、影響も及ぼさないのだ。

だから、1番の回避方法は、牛鬼をいないことにして通り抜けさせることだ。


だが、今回は無理だった。


倉持が追いかけられてるのはみてわかるし、何より牛鬼と目があって、恐怖を感じてしまった。

これはもうアウトである。


俺は帰宅方向とは逆に踵を返して逃げる。

それをみた倉持が、眼鏡の奥で驚いた目を向けていった、


「君もアレみえてるの?」


バカヤロウ、現実を突きつけるな。

嘘にできなくなるだろ。

俺は、逃避したい気持ちを抑えつつ、仕方なしに頷いた。

倉持はさらに驚いた顔をして、今度は口を開けたまま固まった。

倉持、口は閉じたほうがいいぞ。

この会話の間、俺たちはほぼ全力で走ったままだ。

息が乱れやすくなるし、乾くから、持久力勝負なら喋ることすら、お勧めしない。

ほんとに冗談ではない。

走るのは苦手なんだよ。


なんとか打開案はないかと考えながら、走り続けた。

続きます

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