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蔵と餓飢(がき)  作者: あき
2/5

おいしそうなクラスメイト

1話から読んでください。

俺は見ただけでは、ソレが他人に見えるものなのかがわからない。

昔、図画工作で絵を描いたときに、目が3つのトンボみたいなものや、明らかにギザギザが多い手みたいなのが生えた草や、さらに1つ目の綿菓子みたいなのを、当たり前に描いて、先生に想像力を褒められた反面、写生では見たものだけ描きましょうといわれた。


みたまんまだったのに、だ。


そういうことが何度かあって、違和感を覚えた俺は、小学生にして、あらゆる図鑑を漁り学習した。

とにもかくにも、生き物系は手当たり次第漁った。

そして気がついた。


見えているものの大半が図鑑に全く載ってないことに。



小学生の俺には明確な答えは出せなかったが、これらは見えると言っても、絵に描いてもダメなのだと、なんとなく悟った。

そして、他人に言ってはいけない基準として、おいしそうかそうでないかは、大いに役立った。

俺がおいしそうなのは、確実に他人には見えないものだ。

1番困るのは、おいしそうではないのに他人に見えないものだ。

稀にある。

すぐに挙げられそうな例でいうと、猫又はおいしそうには見えない。

だから食べたことはないが、図鑑を漁るまで、二股の尾をした猫がいないのを俺は知らなかった。


そんな俺が気になるクラスメイトは、今日も普通に他のクラスメイトと話している。


つまり、他の人に見えている彼は俺の判断基準の根底を揺るがす存在でもあるのだ。



俺は俺に不安になる。

今までも気づいてないだけで、こういうことがあったのではないかと。

けれども、おいしそうなクラスメイトに確認するわけにもいかず、落ち着かない日々を過ごした。


おいしそうなクラスメイト…彼とクラスメイトになって2週間。

下校時にたまたま出会った。

出会ったと言っていいのかはわからない。

はちあった、のが近い気がする。

なにせ、彼は



牛鬼に追いかけられていたのだから。

続きます

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