表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/21

第6話 創造神

そう、場所が悪かった。


とある種族は極寒の地を与えられ、体が動かなくなり、全滅した。

とある種族は極寒の地から暖かい土地への移動を考えたが、その移動は過酷なものであり、種族ごと生き絶えた。

中には、暖かい土地までたどり着いた種族もあったが、既にその地に住むものの糧となった。

運良く、同一種であったものと出会ったものは、その種に吸収され、種族として滅亡した。

とある種族は島に暮らしていたが、巨大な嵐に見舞われ、全てが海に流された。

とある種族は氷の王に睨まれ、すべてを凍らされた。

とある種族は、周りすべてが自分たちより強い種族に囲まていたために、その餌となり全てが絶えた。


この世界は、弱肉強食の世界であったが、それ以前に数多くの最初のつまづきがあったことは、女神たちしか知らないことである。


七人そろった女神たちは、最初にすべての人族へ向けてメッセージを送った。


自分たちが世界の創造神であること。

ツメや牙が無い者にはその代わりとなる武器の生成方法を。

魔法の適性高い者には魔法の使い方を。

食べるものが少ない地方の者には植物を育て食すことを。

そしてすべての人族に命を育むことを。

そのような生活に必要なことを教授していった.


その後、女神は人族の前には姿を現すことは無かった。

何故なら女神たちは、世界を育てるため世界に干渉しすぎないように、これ以降直接降臨することを禁じた。

世界に干渉する場合には自分が認めた人族に天啓を与え委ねることとし、天啓は女神一人あたり二十年ごとに一度きりと定めた。


動物の中には、魔素と交じり合い魔獣に進化するものも生まれた。

魔獣の多くはその地の食物連鎖の頂点に君臨し、力無き種族を糧とした。


人族は食物連鎖の底辺付近に位置し、安全なところへと移住を余儀なくされたが、研究を重ね更には天啓を受けることにより食べ物の確保も容易となり、魔法や武器を進化させることに成功し力を得た。


人族は力を得たことにより食物連鎖の底辺付近から這い上がった。

それにより新たな糧も得ることができ、生活に余裕が生まれる者も出た。

力を持った支配階級が行っていた神への信仰は、生活環境が良くなることにつれ独自の文化を生み出し育むことにより一般の民へと広がっていった。


そして人間族、獣人族、魔人族などの部族を呼ぶ、新たな呼び名も生まれた。



女神がそろってから五千年の時が流れ、世界では動物も人族もある程度の落ち着きを見せた。


一番多く信仰されているのは、光の女神サーシャ。

もう彼女が創造神で良いよねってくらいどこの人族でも人気である。

いや、創造神として祭っているところが多々あるのが現状である。

それどころか絶対神、唯一神として祭られていることもある。

そのくらい人気な女神様である。


次いで信仰されているのは、大地母神でもある豊穣の女神タラミラ。

豊穣のほか結婚や出産なども司るため、どの人族の間でも女性に人気がある女神である。

でも彼女の姿は人間族では猫耳が無い人間と同様の姿として語られている。


豊穣の女神タラミラと同じくらいの信仰があるのは、商人や狩人に信仰される商いと狩猟の神ハリュイルイ。

もともと狩猟神として祭られていたのだけれど、いつしか狩猟で捕れた獲物を売るからと言うことで、商いの神としても祭られるようになった。


二人と比べると少し信仰数が減るのが、知識と知恵を司る女神マクロシア。

魔素を多く含んだ大気があるからか魔法を使える種族も多いのが特徴であるこの世界では、生活魔法以上の魔法が使えるものは彼女を信仰しているものが多い。


マクロシアと同じくらいの信仰がある戦女神ナティーは戦争好きな人族の間では、大きな信仰を受けている。

ここで残念なお知らせがある。

戦女神ナティーは、戦神ナティーとして祭られることが多い、と言うか女神だと思われていない。


商いと狩猟神ハリュイルイも男性神として祭られることが多いのだけど、時が経つにつれ女神と改められることが多い。


ここから信仰はがくっと落ちる。


神龍カルミルアは、人族にかかわらないようにしながら世界を管理するために七種六十三匹の竜を生み出し世界に放った。

その竜種が世界最強の一角であることは間違いない。

それに人族の中の爬虫類族には彼女を崇拝している部族もいるとかいないとか聞く。

神龍カルミルアの名は一般的には知られておらず、彼女が生み出した七竜が竜神と呼ばれている。


そして私。

この世界の創造神アハティス。


きっと名前なんか知られていない。

口伝で伝わる神話の話では、原始の巨人になっていたり、他の世界の神になっていたり、名も無き最高神でと言われることが多い。

そしてどれも光と癒しの女神である創造女神サーシャ、大地母神タラミラ、戦神ナティー、知識と知恵を司る女神マクロシア、商いと狩猟の神ハリュイルイを生み出し、この世界を与え五柱が種族を生み出したとされている。


あとわずかながら精霊信仰もあるけど、聖霊様への信仰に繋がるとは思うけどそのものを信仰しているわけではないと思う。


ほんとにもう、私はどこ行ったの…………。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ