表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/21

第3話 聖霊様

足の下には、最初に飛んできた巨大な岩が海に刺さっていたので、ちょうど良いなと思って、私はそこに降り立った。

一緒についてくる土と水の二体の聖霊様。


「僕も陸地を作りたいな。」


青い……水の聖霊様が念話をしながら私に近付いてくる。


「水聖霊様は、陸地を作りたいってどうするのかしら?」


「僕の力の氷で、海の底から陸地を作るよ。

 この岩、どかしてくれたら、ここに大きな氷を作るよ。」


私はその念話にうなづき、念動力で、足元の岩を、空に持ち上げた。

持ち上がると同時に、海の水が凍りつき、岩の下には、氷の世界が広がる。


「おめーその岩どうするんだ。

 三キロメートルくらいの長さあるんじゃないか、それ。

 そのまま海に落としたら、また海が荒れて世界もおかしくなるぞ。」


土の聖霊様が念話をしてきたので私は少し考え、私の力で岩を空中に浮かすことにした。


「土の聖霊様。

 私の力で岩を浮かすから岩を整形してくれるかしら。

 そしてこの岩の上に私の居城を空に浮く城を作ろうと思うの。」


「ほぉ」


と念話が聞こえると同時に岩の形が変わった。

上側にはあまり凹凸がなく下側ががけのようにするどくなっている。

私はその周りの空間に力を封印して岩を空に浮かした。


「この上に、城を作っちまうんだったか。」


土の聖霊様はそう念話をくれると同時に白亜の城を作り出した。




その後のこと。

八体の聖霊様は私の力を自らの力に加えてそれぞれ姿を持った。


火の聖霊様の一体は炎の鳥になった。

空からこの星を眺めたいかららしい。

玉の破片を管理すると言った火の聖霊様は、蛇の姿をとって眠っている。


水の聖霊様の一体は、氷の大陸に氷の城を作り、人の姿となって暮らしている。

もう一体の水の聖霊様は、水そのものとなり海の底で眠っているらしい。


土の聖霊様の一体は、ある大陸の真ん中に大樹となって立っている。

きっと眠っているんだろうと思う。

もう一体の土の聖霊様は、岩の姿で潮の干満で現れる土地に住み着いたらしい。

また爆発が起きないように、眠りについている火の聖霊様の見張り番をしてくれると言っていた。


風の聖霊様は、双子のように似た人の姿で、一体は透明な姿となり、もう一体は嵐を纏い踊るように並んで空を舞っていたけど、少し時間が経つと別々な方向へ飛んで行った。


そして聖霊様たちは、それぞれが自分の力で中級から下級の新たな聖霊様を生み出すとのことだった。

既に風の聖霊様の子は世界中の空を翔け、水の聖霊様の子は海を泳ぐ。

土の聖霊様の子は木々を植え、火の聖霊様の子は地下から世界へ力を与えている。


聖霊が増えた今、これからのこの世界のことを私は考えないとならない。

この世界には、大陸と呼べるものが7つ。


水の聖霊様が作り、自らが住む城がある氷山大陸を中央として考えると、その東北東のすぐのところから東側には、巨大大陸である魚型の大陸がある。

その大陸の途中には、火の聖霊様が噴火により隆起させ絶壁を作り出している。

その大陸の北東には、人型の大陸がある。

中央から見て、東南、魚型の大陸の更に先には、潮の干満で現れる大陸がある。

中央から見て、南南西には獣型の大陸がある。

更にそこから西には、魔人の形の大陸があり、魔素が他よりも濃くなっている。

そして、北の極に座する北極大陸。


大陸までも行かなくても、大小の島もある。

まあ、火山の爆発により吹き飛んだ岩がささっていたところも多いけど。

土と水の聖霊様が島になるように形を整えてくれた。


さらに私の城。

空に浮かぶ天空庭園城。


命は土の聖霊様が植物を生み、水の聖霊様が小さな生物を生み出している。

もちろん私に断って生み出している。


事後承諾ではないと思う。

きっと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ