第1話 空と海と大地と
えっと、私の名前は、アハティス。
金色の髪に、金色の瞳、透き通るような肌を持つ美の女神(自称)。
創世神様の分身体であるとある創造神様二柱の愛の結晶である、この星の創造主となる予定の神の一柱。
創世神様はおじいちゃんってところかしら。
これまで創世神様の分身体である神様たちには、誰一人、子供がいなかったの。
まあ、性別も無いから仕方が無いのかもしれないけど。
ところが何の因果か、とある創造神様ととある創造神様の間に、子供ができたの。
まあ、私の父と母なんだけどね。
創造神様って自分の世界が一番って言うはずなんだけど、父と母はちょっと変わっていて自分たちが生み出した人のように性別を欲し、自分たちを作り変え男と女になったの。
さらに母にいたっては創造神としての力を一時的に失い私を身ごもったの。
そして生まれたこの私。
世界初の創世神様の分身体ではない創造神(になる予定)です。
そんな事情で生まれた私も、創世神様に認められ、星世界を創ることができたの。
そして今、この星に立っている。
星って言っても今あるのは「珠」が集まっている台地だけ。
中央の「玉」からちょっと離れてるけど、「玉」のカケラが入ってるからか星の中に熱を持っている。
だから、私はこの星を選んだ。
それにこの星には、そんなに大きくない衛星が1つある。
衛星の形は一部を除けば丸い。
一部と言うか衝突でできたクレーターが大きくて、この星からの見え方によっては、かじられた跡に見えるのよね。
これから私は四大聖霊様を呼び出し力を借りる。
まあ、私なんかの所に本体が来ることはないから、きっと聖霊様の子である中級か低級の聖霊が来るだろうと思う。
低級聖霊って言っても、他の星では精霊王って呼ばれている者たちだけど。
えっと、呪言は、確か。
「創世神が力を与えし、大聖霊に命ずる。
その力を、創世神が子の末端に並ぶことが許されし
我の星に与えよ。
土よ、火よ、水よ、風よ、星に恵みを。」
「「「「心得たり、ひととの約定を守ろう!」」」」
四つの声が重なり響く。
って、いま、なんて聞こえた?
ひととの約定??
創造神って言うんじゃないの?
ひとって言うのは四大聖霊様だけじゃ……。
「我は火の大聖霊。」
「わしは土の大聖霊。」
「「われらが星の基礎となる力を与えよう。」」
私の立っている大地が揺れる。土の大聖霊様が力を与えてくれている。
もちろん私は空へ逃げた。
火の大聖霊様はどうやら「玉」のかけらが気に入ったみたいで、それに力を与えたみたい。
さっきより熱を感じるようになった。
「私は水の大聖霊。
星を包む水を与えましょう。」
いずこからか生まれた水が大地のすべてを包む。
「わたしは風の大聖霊、星を包む空気を与えましょう。」
やはりいずこからか生まれた空気がさらにその周りを包む。
「「「「新たなる創世神の子よ。
我らの力が貸せるのはここまで。
世界の繁栄のため、我らの子を置いていこう」」」」
そして私の耳にはそう声が聞こえた。