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第14話 始まりの物語

こんばんは。

かなりお久しぶりです。

きちんとした設定等を決めて書かないから、行き当たりばったりとなって書けなくなっておりました。




結論から言うとアハトラウスは、この世界の神の一柱と……予定外の八柱目と……ならなかった。


彼の力は全知全能。


それは創世神様と同じ力。


それを私が知ったのは、すべてが始まる時のことだった。



アハトラウスの人間としての死。

そして肉体の再構築。

神の一柱としての誕生。



天空城の一室に、私たち七柱の女神はそろっていた。

その目の前には、アハトラウスとなるであろう魂。

その魂が自らの力により、魔素を取り込み、受肉を開始していた。

私たちはただ静かに、その状況を見届けている。


魂に魔素が引き寄せられ、集い体となる。

手が形作られ、足が生える。

頭の形も作られていた。


「もうすぐ……。」


小さく誰かがつぶやいた。タラミラだろうか……。


そう、私たちの前で、アハトラウスは神として生まれ変わろうとしていた。


その時、魂の周りで形作っていた体を、これまでよりも遥かに多くの魔素が包む。

頭や手、足も区別がつかなくなるくらいの魔素の量だった。

部屋の中を魔素が、嵐と言えるくらいの強い魔素が吹き荒れた。


「なんて魔素量なの……。」

「目を開けていられない……。」

ハリュイルイの言葉に私は言葉を続けていた。


それから数分の後に魔素が収まる。


その場には、一人のひと?が立っていた。


彼?彼女?を一言で言えば、派手。



髪の色は黄金色に輝き、パステルブルーの紐で無造作にまとめ、左肩の前方へサイドダウンに垂らしている。

頭にパステルピンクのベレー帽を載せている。

布の衣を着ており、その色は、上はパステルイエローとパステルグリーン、下はパステルオレンジとパステルパープルのストライプ。

靴はパステルレッドで、エナメルのように輝いている。

淡い明るい色をまとっている。

地面に突き刺さっているかのような体よりも長い銀色に輝く杖を右手で支え、左手は腰にあてている。

そして顔には大きな真っ白な仮面をつけており、顔を覆い隠していた。

そのため、男か女か、笑顔なのか、怒っているのか、敵か味方か、そのすべてが謎だった。


「アハトラウスじゃない?あなたは誰?」


サーシャがそう言ったと同時に、ナティーは剣を構え、カルミルアが拳を打ちながら、私たち五柱の前に、その少女との間に出た。

同時にハリュイルイは魔素を集め弓を作る。マクロシアはいつでも魔法を放てるように杖を手にしていた。


「この世界の……。」


声が聞こえた。ハスキーな声。男とも女とも聞こえる声だった。


「この世界の創造神であるアハティス様、他六柱の皆様においては、ご健勝のことと申し上げます。

 此度の新たなる創世神様の誕生の瞬間に立ち会えましたことをお喜び申し上げますとともに、新たなる次元世界の創世を、新たなる創世神様と一緒に行っていただきたく存じます。」


「何を言っているの?

 それにあなたは誰?」


私はかの者を見ながら言う。


「申し遅れました。

 私の名は、ランティア。

 過去へ旅する者。

 賜りし力は時空の超越。

 その力をもって私が与えらえた使命は、創世神様の発見と新たなる次元世界の創世。

 今代の創世神様の世界を、世界の終末からたどり、この時間にて新たなる創世神様を探し出せました。

 これにて今期の私の使命も最後となります。」


「どういうことかしら?」


「あなた方には、知る権利が多少なりともあると考えます。

 そのため、私は、あなた方に話せる範囲でお答えしましょう。

 あなた方七柱は、あなた方がアハトラウスと呼ぶ創世神様とともに、新な次元の神となっていただきます。

 拒否権はございません。」


「この世界はどうなるの?

 私の、いえ、私たちが作った世界なのよ?」


私は拒否権が無いと言われたことに焦って声を荒げていた。


「この世界は、神が消える世界となります。

 世界の運が良ければ再度いずれかの神が降り立つかもしれません。」


「そんな……。

 私たちの世界なのに、見捨てていくなどできないわ。

 少なくても私は残ります。」


「わたし(あたし、ウチ、僕、我、シア)も!」


みんなが私の言葉に続けてくれた。


「先ほど拒否権はございませんと申し上げましたが。

 残ることはできません。」


その言葉に、全員の武器を持つ手に力が入ったのがわかった。


ランティアは、そんな私たちを見渡し、


「ふーーー。」


と息を吐いた。


「それであれば、アハティス様の残留思念を置いて行けばよろしいかと存じます。

 十万年程度であれば、残留思念にて神不在の世界であっても、やっていけるのでは可能ではないでしょうか。

 その間に、今一度戻れるように、次元を渡る力をつけていただければとも思います。

 また、今回のことには、異議申し立てはできません。

 これはこれまでの創世新様たちでさえ抗えなかったこと。

 新たな次元へ行くことは既に決定していたことですし、既に次元から分断されておりますが、多少の力を送ることはできると思いますので、やり残しがある場合にはそのお力をお使いください。

 時間はわずかしか残されておりませんので、あしからず。

 ご了承くださいませ。」


その言葉にハッとして、私は、外へ目を向ける。

まあ、心眼で外の世界を見るだけなのだけど。


私たちのいる場所の周りは既に世界から隔離され、次元空間?にいるようだった。


でもまだ私たちの世界は小さく見える。


「みんな、私に力を合わせて。

 私たちの世界に力を残していきたいの。」


私はそう叫ぶと手にした杖に力を籠める。


カルミルアが、サーシャが、タラミラが、ナティーが、ハリュイルイが、マクロシアが、それぞれが自らの力を私の杖に重ねた。


私の杖の先に光が生まれ、その光は、元の世界へと向かって飛んで行った。


どこからか一条の光が、その光を追いかけ、追いつき、そして一つになって元の世界へと消えて行った。



☆☆☆



その日、アハティスたち七柱の女神は、アハトラウスとともに旅立ち、世界からは神が消えた。


ただ、七柱いやアハトラウスの力を加え、八柱の力の一部を受け継いだ光を残して……。


これで第1部完結です。

ここで一度完結とすることにしました。

読んでくださった方、ありがとうございました。


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