閑話4 マクロシアの独り言
シアの名前はマクロシア。
ティス姉が創った世界の女神の一柱にして、知識と知恵を司る女神です。
趣味は読書です。
歴史、地理、数学、語学、図鑑や創作なんでも。
だから誰かシアに本をください。
今住んでいる世界は文化の発展が遅く、文字はあるけれど人族の間では一部の者を除いて、ほとんどと言って良いほど文字を書くと言うことは行われていないのです。
そのため最近は読んでいない本がめっきり減ってしまったことが悩みの種でした。
だからシアはこれまでの世界の歩みを歴史として本に残すことにしました。
創造神アハティス、ティス姉が創世神様からいただいた星製作キットなるもので、四大精霊王の力を借りてこの星を創りました。
星と言うのは、シアが住んでいる海や空、そして大地の総称のことらしいです。
そして四大聖霊王はその力で上位聖霊を生み、上位聖霊が他の聖霊や植物、それに小さな生物を生み出しました。
それから約一万年。
世界が落ち着きを見せたと考えたティス姉は、供となる六柱を召喚しました。
今はもう時効だと思うから言っちゃうけど、シアは召喚前にティス姉に隠れて何度かこの世界を見に来ていました。
新しい世界を観察しながら、他の世界から持ち込んだ本を読んでいたのです。
ティス姉がみんなを召喚したときもシアはこの世界にいたのです。
それからサーシャ姉が来て、ミラ姉が到着しました。
供の召喚から五百二年経ってから、光の女神であるサーシャ姉と大地母神であるミラ姉、それに魔素を操るシアがそろっていることから、ティス姉は動物種や人族を生み出すことにしました。
それから五百八十一年が経過し、カルミ姉、ナティ姉、ハリィ姉の三柱も合流し、私達七柱はそろいました。
それからカルミ姉は七種の竜族を生み出しました。
またシア達は人族から信仰されました。
そして五千二百年が経過し、双頭竜が竜の反乱を起こしました。
ティス姉がみんなを召喚した年を元年とすると六千三百四十五年、ティス姉は竜族の一部に神罰を執行しました。
このときティス姉には、
「破壊と殺戮の女神」
の二つ名がつきました。
もしかすると双頭竜も悪意に染まっていたのかもしれませんね。
更にそこから千年の月日が流れ、人間族の大陸で魔神が蒔いた悪意が芽吹きました。
これもティス姉自らが現界し、悪意を刈り取ったのです。
ティス姉はこのとき、
「血濡れの天幕」
を生み出したことから
「血濡れの聖衣の女神」
と新たな二つ名で呼ばれるようになりました。
それから千年。
悪意が猛威になり、世界中で振るわれました。
そのため世界は疲弊していきました。
世界の疲弊を止めるため、創世神様はティス姉に自らの世界の子を一人くださいました。
その子はシア達七柱の弟子となり力をつけ、世界の悪意の芽を摘み取ることで悪意を減らしたのです。
この世界は、彼のおかげで少しは住みよくなったと思います。
だからこの世界で生きる人たちよ。
文字を学びそしてシアのために本を書いてください。




