プロローグ 星を創ろう!
えっと
『このキットに入っているもの。
「玉」が一個。
「珠」が約千個。
この説明書。』
あれ?「玉」ってひとつって書いてあるのに、隣に……?
ひびが入ってて、欠けてるじゃないの、この「玉」!
説明書も破れてるとこあるし……。
『発送中の事故等により「玉」にひびが入っていたり、「珠」がくっついていてもあなたの神力になじめば大丈夫。』
説明書には、こう書いてあるし、平気かなぁ。
えっと、次に用意をするものは、
『用意をするもの。適当な広さの空間。』
まあ、空間が必要って言うから、こんなへんぴな、何も無いところでしてるんだしね。
『最初に「玉」に神力を注いでください。
ある程度、神力を注ぐと、「玉」が光輝きます。
注意、神力を注ぎすぎると、「玉」はかなり熱くなるので、
あなたが取り扱える程度に神力を注ぎ込みましょう。』
こう読んでみると、どのくらい神力を入れるかは、自由なのかなぁ。
ある程度、適当に辞めておこうかな。
って、よくよく考えると、私の力じゃ、めいっぱい力を注いでも平気かも。
やってみようっと!
白く光りだして、だいぶ経つけど、熱くて触れない……。
『神力の篭った「玉」を空間の真ん中に置きます。』
このまま真ん中にすれば良いかな……。
『次に、「珠」を「玉」のまわりに、「玉」や「珠」同士を離して置きます。
空間いっぱいに広く置くことがポイントです。』
適当に散らして良いのかな。「珠」がいっぱいで重っ。
がたっ、ざ~~。
あっ。「珠」が入った箱を転がしてしまった……。
……っと、こんな感じかなぁ。
箱を転がして「珠」がいっぱい集まっているところや、ぜんぜん「珠」が無いところもあるけれど。
まあ、大丈夫よね。
これでできあがれば、それも個性。
個性。
あ、「玉」のカケラももったいないから、一緒に並べちゃおう!
「玉」から少し離してっと、この辺かなぁ。
『次に、「珠」に神力をこめます。
注意、ある程度離れたところから…力を加……』
何か、かすれてるし、読みにくいな。下の方は破れてるし……。
とりあえずは、離れたところから、力を加えれば良いのね。
「えいっ!」
どん!ばん!バン!どっごーん!ババン!どどん!…………バン!ばばん!ばん!!
ああああああ、「珠」がぁぁぁぁぁぁ……。
これって……。
はっ、裏面に続きがある!
『衝突を繰り返した「珠」が星になり、「玉」の周りを回っていれば成功です。
これで、あなたの星系が完成です。』
それじゃ、あんなに音が出るのは仕様かぁ。(注、違います。)
うっわぁ、外の方に大きい「珠」の塊ができちゃってるよ。
あ、何個か壊れちゃって粉々になって、輪を描いているし。
二つの球体がくっついたような変な形になっちゃったのもあるし。
玉の周りを回り出すってあるけど、他のと違って、縦に回ってるのもあるし……。
あれ?ひとつだけ、逆に回ってる??
あ、そういえば、「玉」のカケラはどこに?
あっ五番目の星の中!
うっわぁ、熱持ってるよ。
やばかったかな?
まあ、いっか。
個性ってことで……。
続きは、えっと……。
『これで第1段階が終了です。
次にできあがった「珠」の中から、
生物を生み出す希望の「珠」を決め、その地に降臨し、
「珠」の環境を整え、生物を生み出しましょう。』
とりあえず完成かあ。
やったね、私。
環境を整えるのは、五番目の、あの「玉」のカケラが入った「珠」にしよう!っと……。
どん!!
ああああああ、五番目の「珠」に近くの「珠」がぶつかったし……。
あぁ、なんか変な形の「珠」が五番目の「珠」の周りを回ってる……。
この後、「珠」、いえ、星に降りるのに、安全とか、大丈夫なのかなぁ。