世にも気持ち悪い話 I
※今回ヤンデレと、犯罪の表現があります。苦手な方はブラウザバックされることをお勧めします。
【前回のあらすじ】
目が点になった。
こんなことがあったらしい。
「Chi e`?」
唐突に掛かってきた電話を、少しめんどくさそうにとり、ぶっきらぼうに話す。
否、話したが、声を聴いた途端、顔色を変えた。
掛けてきた女性は昔、齢12にして最高峰の暗殺者として恐れられた、という名の知れた人間だった。
急いでボスの部屋に向かった。
「Boss!ho Мolto.」
そのまま、抱えたアンティーク調の電話の、受話器を手渡す。
「Calmare.Che è avvenuto?」
「SignoraGRAZIAdatelefono」
ボスが急いで受話器をひったくる。
日本語で何かを話しているが、日本語ができない自分には、何を話しているのか全く分からない。
ようやく話が終わったボスが、こちらを向き、言い放った。
「CARLO,Io lavoro」
ボスがグラツィア様から受けた依頼は、『イギリス人の取引相手が跡取りにオイタをしたので会社ごと潰してくれ』というものだった。
そんなわけで、うちのファミリーの実働部隊を率いる俺は、仕事をしに来たのだが……。
とんでもないものと遭遇してしまった。
俺のdestino amanteとな。
なぁ、
「Me Gattina❤」
男、いや女は、その腕に抱いた少女を見ながら恍惚とした笑みで言った。
話は遡ること数分前。
予定通り部下を引き連れ、仕事をしに来たら、彼の取引相手がおそらく商品であろう金髪の少女に、焼き印をつけるところであった。あいつ、人身売買までやってたのか。あの組じゃおもいっきしアウトじゃねぇか。そりゃ潰される。
あの下衆に焼き印をつけられかけていた少女は、猿轡を嚙まされ、泣きじゃくり、嗚咽を漏らし、助けを求めるようにこちらを見た。
その途端、頭が想いで埋め尽くされた。
あの、必死で助けを求め、涙を濡らす目を絶望に染め変えたい。
あの子を早く自分だけのものにしたい。早くはやくハヤク誰かに取られる前に自分のものに。
そんなことを考えていたら、知らぬ間に見たことも無い男が無残にも撃ち殺されており、それを見て気絶した少女を抱きかかえていた。
そのままお持ち帰りした。