表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
史上最悪の悲恋  作者: 林檎月 満
悲劇(喜劇?)の発端
2/16

耳を疑う話 弐

 投稿遅れました。2週間以上経ってしまいましたね。続きです。

【前回のあらすじ】

おばあちゃんが勝手に縁談まとめてた♪このままじゃ男に嫁ぎそう。ざけんな


 僕が女装をしている理由は、僕の家がヤクザで、僕がそこの一人息子だからなんだけど、それだけでは僕が女装をする理由にはならない。それだけが理由だったら、僕はとっくに家出している。そんな家にいてたまるか。

 そう、家出だ。僕が女装をしている理由(わけ)は、祖母が13歳の時に家出したからだ。


 僕の父方の祖母の親は、悪名高いイタリアンマフィアの幹部だったらしい。残虐非道で、血も涙もない、殺人者どもだったとか、なんとか。

 そんな仕事を継ぐのが嫌で、自分に縁談が回ってきたときに、日本にいた僕の祖父のところへ家出した。その後、駆け落ちのような形で僕の祖父母は結婚した。

 当然祖母は、自分の家から追われる身となった。だが、追われながらも戦い、そして勝利し、悪名高きイタリアンマフィアを壊滅させた。


 だがそのマフィアが、僕が生まれる数カ月前に、復活し始めた。

 それから僕は暗殺のターゲットになった。もちろん僕だけってわけじゃないんだけど、僕が一番狙われた。

 僕は三歳になるまでに70回ほど暗殺されかけている。大体、月に二回のペースだね。計画だけで終わったものや、僕が知らないものも数えると、とんでもない数になるんじゃないだろうか。考えたくもない。

 このままでは跡取りの、いや、息子の命が危ない!そう考えた僕の父は、とんでもないことを思いついた。


             「息子に女装をさせて、守ろう!」


 いやいや、よく思いついたと思うよ。だって女は家継げないもん。跡取りを死んだことにして、女装させて匿うなんて名案、うちのバカ親父ぐらいしかおもいつかないだろうしね。笑うしかねぇ。ははは。

 分かってくれただろうか、僕が何故、女装なんかをしているかを。



 婚約者とかいう奴が待ってる部屋に行く足取りが重い。(なまり)みたいだ。

 今すぐにでもここから逃げ出して、自分の部屋に立てこもりたいけど、引き返したって意味ないだろう。たった今前を歩いている祖母が顔前に来て、「逃げちゃだめよ❤」とか言いながら微笑むのが想像つく。逃げられない。


 まぁ。こんなお婆様でも、さすがに男の婚約者を用意したりはしないよな。うん。僕は自分の祖母を信じよう。


「遅れました~。優華、あの方よ。」


 祖母に連れられてきた客間にいた人は、どう見ても男だった。

 ウルフカットにしている赤髪(あかがみ)は、男にしては少し長めだが、彼によく似合う。かぶっている黒い帽子の下からちらりと見えた、鋭い緑の目は、捕食者を思わせた。黒のロングコートを羽織るように着ている。赤いワイシャツの上からでも分かる筋肉はたくましい。身長は180センチぐらいかな?かなりの高身長だ。僕は身長が低いほうなので凄く羨ましい。脚ながっ!着こなしているこれまた黒いスラックスを履いている脚はすごく長かった。

 それより僕が驚いたのは、彼が纏う雰囲気だ。うまく隠されているが、察しの良い人が見れば一発でカタギでないことがばれる。言うなれば、裏社会の雰囲気を纏っている。


「あぁ。あの(おとこ)ね、あの」


 僕は全力で、その部屋から離れた。てか、逃げた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ