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史上最悪の悲恋  作者: 林檎月 満
悲劇(喜劇?)の発端
1/16

耳を疑う話 壱

2作目です。登場人物同士の会話が先に出て、設定が意味不明です。駄作ですが皆様広いお心でご覧ください。


※女装、男装、同性愛あり。苦手な方はブラウザバックして下さい。

 どぉぉぉしてこうなったぁぁ!

 僕は心の中で叫んだ。もうどうしようもなくて、どうしようもないくらい大きな声で叫んだ。

 だって、だってだってだって、だって!


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 僕の悲劇の発端は祖母・グラツィア様の一言だった。


優華(ゆうか)。ちょっといらしゃい。」

「なぁに?お婆様?」


 そう言いながら、僕は席を立って、祖母のほうに歩いて行った。


「ちょっとね。貴女の婚約者(フィアンセ)の方がお見えになったから、顔を出してほしいの。」


 ずっこけた。あまりの出来事に顔からずっこけて顔が床とこんにちはした。すごい痛いけど今大事なのはそこじゃない。


「まってぇぇぇ!お待ち下さい御婆様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「なぁに?優華?」


 御婆様がョトンとした顔であたかも不思議そうな顔をする。


「なぁに?じゃないよ!えっどゆこと!!婚約者?今?お見えになった?どゆこと?聞いてない!」

「そりゃそうよ~。今言ったんだから~。」


 小さい頃から遊んで、育てて、守ってくれた大好きな祖母を今だけは本気で殴りたい。

 まぁそんなことをしたとしても(いやしないけど!)よけられて、赤子の手をひねるかのように、いともたやすく、軽くあしらわれる気がする。いやそうなるとしか考えられない。

 なんせ相手は祖母なのだ。あの祖母なのだ。確実に60歳は過ぎているはずなのに20歳とかそこらにしか見えない祖母なのだ。モンスターとかを信じていない僕も、祖母が化け物で不老だと言われたら信じる。むしろ納得する。


 だが、今大事なのはそこじゃない。(二回目)そこじゃないんだ。


「ごめんなさい、お婆様。僕、会いたくないです。帰ってもらってください。」

「えっ?なんで?」

「………。」


 またもや不思議そうな顔をする祖母に僕は言葉を失う。

 僕は以前、お見合い相手として紹介された人にべたべた触られたことがある。今、祖母が言っている婚約者とかいう人にはもう会いたくなかった。


「あぁ、大丈夫よ。優華。」


 何か察してくれたのか、祖母が慰めにもならないようなことを言ってきた。


「別の子だから。」

「……。は?」


 ……。は?えっ?は?…は?慰めの言葉じゃなかったよな。今おばあちゃんが言ったのなんて?


「ベツノ、コ?」

「うんそう。別の子。この前紹介した人とは、別の子。あと、貴女はもうあの人に会わなくていいというか、会いたくても会えないわよ。会いたくないだろうけど。」

「ナ、ンデ?」

「もういないから。」

「……。」


 さっきとは別の理由で僕は言葉を失う。深くは聞かないことにしよう。


「だから、心配しなくてもいいのよ。優華。あぁ、そんなことより。今から紹介する子は、私達の縁者だから信頼できるし、なによりいい子らしいから大丈夫よ。あなたもきっと気に入るわ。ねぇ、(すぐる)くん。」

「……。いきなり本名で呼ばないで。グラツィアお婆様。」


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 ろくに説明もせずに、ほいほい話を進めてしまって申し訳ない。

 僕の名前は優華(ゆうか)ではなく(すぐる)である。

 そして、僕は、正真正銘、男だ。

 男の僕がなぜ、祖母にまで女の名前で呼ばれるのかというと、僕がオカマであるからではない。断じて無い。そんなことは断じて無い。

 理由は僕の家の仕事に関係する。

 僕の家は、ジャパニーズ・マフィア。つまりヤクザである。

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