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煌闇宴譚  作者: 玄斗楽
4/5

肆…予知雨友共

間がとても開いてしまって申し訳ありません。

大幅に書き直します


『あぁ、宝石が……!』


セメストの視線の先では、頭陀袋から零れた色とりどりの宝玉が、先ほどの乱闘によって散らばり、中には踏まれて割れてしまっているものもあった。


『鬼人じゃなかったらこっそり戻しておこうと思ってたのに……!』


被害総額は一千万ではきかないだろう。

あまりのショックに棒立ちになったセメストの肩に手をかけ、ツァルトが満面の笑みを浮かべる。


『それはそれは、ご愁傷様です』


『ツァルト様嬉しそうですね……』

『主の不幸を笑うとは、貴殿なかなか我と気が合うのではないか?』


『黙れ吽形。ツァルトお前ー!!』

『ふふ…まぁまぁ、落ち着いて。……ほら、ありましたよ』


『これが落ち着いていられるかー!って、え?あった?』


怒りで涙目になって印を結び始めたセメストを軽くいなし、ツァルトが一つの宝玉を拾い上げる。

若干ひしゃげた台座にはめ込まれた、大きめの黒い石。

床に叩きつけられてなお、力強く輝く黒曜石。


『これは…………。なんと懐かしい……』


目を細め、眩しげにそれを見つめながら、ツァルトが呟く。

記憶に残るその人に、また出逢えると思うと、その顔に自然に笑みが浮かぶ。


母であり、姉であり、恋人であり、そして良き友であった女性ひと


彼女の名は、


『……嗚呼、思い出しました。レダ、また貴女に…………』



レダ=オブシディアン。

それが、彼女の名前だった。



そう呟いたツァルトは突然、足早に移動し始めた。

目指すは扉。

どうやらこの店の外、雨森レーゲンヴァルトへと向かっているようだ。


『お前らはここで待っていろ』


突然気配が変わった友人を訝しみつつ、セメストも阿形達にそう言い置いて後を追う。

雨森ではその名の通り、雨が降っていた。

暗く、冷たく。


まるで、これから何が起こるのかを、知っているのではないかと錯覚されるほどに。


まだ続きます。

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