プロローグ
『プロローグ』
1、男はそこに立っていた…
そこには何もない、ただ白くぼんやり
と明るい視界が広がるだけだった…
男の名は「白川 鉄郎」歳は今年で21
になったばりの青年だった……
髪は黒髪の少し後ろにはねる、くせっ毛の髪で
顔は整っているわけではなくごく普通の
日本人らしい顔立ちの青年だった。
家族は少し複雑で彼は養子だった…
本当の両親は五つの時に他界し、父親の兄、
叔父にあたる人に引き取ってもらった。
引き取ってもらったときに、叔父さんに暖かつい家族があり、
娘が3人、妻と共に家族5人で暮らしていた…
叔父の話しはいいだろう…
鉄郎は暖かい家族に引き取ってもらい、
なんの心配もなく暮らしていくことになった、
叔父さんは息子ができたように鉄郎に接した、
叔母さんも、いや、お義母さんも娘たちと
同じように鉄郎を愛した、
そんな中で鉄郎は姉妹たちと一緒に、
愛されながら過ごしていった。
自分より2つ年上の双子の姉と、
1つ年下の妹、
一人っ子だった「少年」は「きょうだい」達と
一緒に過ごしていき、「青年」へとなりました。
顔はぱっとしませんでしたが彼は努力家でした、
努力を重ねて学力や知識を高め、剣道や柔道など
自らを高めただひたすらに努力だけを続けていきました、
なに一つ「目的」も「目標」ももたずただ当たり前のように、
淡々と自分を鍛え上げていく姿に、
周りの人はただただ疑問を抱くだけでした…
16まで青年は「それ」を続けました、
青年は、望む物がないくらいまで「努力」を積み重ねて、
「完璧」とまで呼ばれるようになっていました…
気が狂っているなら救いがあるほどまでに彼は
「いい子」いえ…「いい人」でした…
家族や友人他の人全てに彼は「優しく」接していました。
これだけなら彼はなによりも狂っているのでしょう…
ただ彼にはそうする理由がありました…
あまりにも単純であまりにもちっぽけな望み…
「恩返しがしたい」自分を愛してくれた全ての人に恩返しがしたい…
そのために彼は努力をしました…
自分がほしい物を手に入れるために
努力をし続けました…
そんな考え方が彼の周りを彼自身を狂わせていきました……
15の時に初めて彼は「告白」を受けました、
生まれて初めての告白思春期とは無縁といっていいほど
唐変木な彼はその「告白」を
いつものように「自然」に「偽りなく」
家族に「姉妹」に伝えました……
その、「いつものように」が彼を蝕むことを知らずに……
青年は愛されていました、
二人の姉からとても深く……
少年は気がつきませんでした……
その、「愛」が「恋」によるものだと……
青年はその日の内に知ることになりました……
夜、青年は初めて理解することができない物に、出会いました……
あまりにも身近な人物からの「愛」それは、
自身の身体を縛り、耳元で囁かれ、与えられるだけ与えようと、
自身からも与えてほしいと、そう告げました……
その時初めて青年は『全て』を『姉達』を拒絶しました…
それは強く深く…自身を縛る『愛』を引き千切り、
囁きから耳を塞ぎ、五体全てを使って『愛』を拒絶しました…
それだけではありません…
「自分」に近づく全てを拒絶するようになりました……
しかし、『優しい』彼は誰も傷つかないように
優しくしかし、強く拒絶していきました、
誰も信じられず……
誰も近づけさせたくない……
そんな中で彼は18になりました……
信じることをやめた彼にも救いはありました…
『愛』について初めて悩みを相談したときも、
家に一緒に住むこともできなくなり、
『愛』から逃れるために一人暮らしを初めてたいと、
両親に伝えた時も、一緒にいてくれた「妹」の
「白川 千鶴」(縮めて「ちぃ」と彼は呼んでいました)
の存在でした…
彼にとって「ちぃ」は最も信頼できる存在でした…
1つ年下の「ちぃ」を彼はとても大切にしていました、
良き兄として彼は惜しみ無い努力をしました、
彼の努力するための力の源はもしかしたら
「ちぃ」の存在によるものだったのかもしれません、
18になり高校を卒業したのち彼は引っ越すこすことにしました、
両親に相談して両親と「ちぃ」意外には、
先生にも周りの人にも伝えずに唐突に引っ越しました、
18で彼がなりたがったのは鍛冶屋でした…
変だとは思いますですが、理由はあり、
本当の父親が鍛冶屋で祖父がまだ現役で職人をしていて、
自分もそれを継ごうと考えていたからです。
「努力」をして知識をふかめ、弟子入りをして基礎や経験を身につ
けながら、彼は『練習』をしていきました、
金物から工芸品まで「鉄」を扱う内にどんどんと『鉄郎』は鍛冶屋 という物にのまれていきました……
叩き打ち伸ばし混ぜ溶かしまた叩き……
祖父と共に日々精錬や型どりの手伝いをし、
弟子として過ごしていきました…
そうしている内に3年の時がたちました。
今回から連載を始めさせていただきます。クリーパーです!
文節や言葉に不備がありましたらご指摘お願いいたします、
主人公の過去を別視点からはなしております、プロローグはもう一つありますのでそちらも楽しんでいただけたらと、おもっています