恋した樹と少年の話
わたしは、あなたがだいすきです。
僕はいつも町のはずれにある森で遊んでいた。その中でも一番古くて大きな樹がお気に入りだった。風が吹く度に聴こえるざわめきは僕の心を癒してくれた。
ともだちがへっていくけれどあなたにあえるからさみしくないよ。
最近、お気に入りの森が狭くなってしまった。トシカイハツとかいうやつらしい。僕はちょっぴり寂しかった。
あなたがわたしをわすれても、わたしはあなたをわすれない。
この辺りもかなり便利になった。ショッピングモールもできたりして中々賑やかになった。でも、古くて大きな木は残っていた。
わたしのこころは、えいえんに。
風がよく吹くが、木のざわつきが煩い。ちょっと集中のじゃまだな。明日は誰と遊ぼうか。
あぁ、あなたがいないのはやっぱりさみしいかな。
来週にはこの田舎ともお別れだな。俺はついに都会での生活を始めるんだ。これからが楽しみだ。
……さようなら、またね。
友人に聞いて私は思い出した。そして、私は後悔した。もっと早く気付くべきだったのだ。もう、遅かった。
帰ってきたときには、古くて大きな樹はなくなっていた。
私は最も大切な友人を忘れてしまっていたのだ。謝罪と、そして感謝を込めてひたすら泣いた。
おもいだしてくれてありがとう。わたしはいまでもあなたがだいすきだよ。だから、なかないで……。
僕はこの森が好きだな。森……って程今は立派じゃ無いけど、でも、ここは前森だったんだって。おじいちゃんは、自分の心を大切にしろって言うけど、どういう意味なのかな。
うふふっ!
ねぇ、あそぼうよ!
Fさん。ペコリ