エピローグ
すくなくとも物語はすでに完結しています。――ですからこれは補欠でも補足でも補完でもありません。それでいて――九仞の功を一簣に虧くところでした、一二一二三です。お久しぶりです。
ドラマツルギーがどうのこうのじゃなくて、ただ単純に『つう』ときたら『かあ』で受ける。『阿』ときたら『吽』というように、『プロローグ』で始めたら『エピローグ』で終わる……これを忘れていました。
ちなみにこれは後日談ですが、それだけではありませんよ。
犯罪は――人々から好まれる。
みんなそれが大好きで、みんながそれを熱望している。しかしそれはある意味では皮肉だけど、ある意味では当然のことなのだ。――なぜなら犯罪というのは、”確実にだれかが不幸になる”のだから。
そして忘れてはいけないのが――
老人などの、いわばどうでもいい人間よりも、若者といった、将来を嘱望されるものによる犯行のほうが、人々による興味が集中するということだ。
いじめ、体罰、DV、援助交際……若者が絡むことによって、これらの話題は尽きることがない。
先蹤や固定観念にしばられることなく融通無碍に行動できる若輩者は、世間がそして世界が注目しているからだ。
後生畏るべしである。
だからこそ――マスメディアは注目した。
吉岡悠莉が小流杏子を手にかけたことは、大々的にスクープされた。
そのことを受け、臨床心理士や推理作家、ルポライターなど……多くの著名人ががくがくの議論を交錯させた。
どれもこれも、チェーザレ・ロンブローゾの『生来性犯罪説』くらいに、各々の倫理と学識に偏った見方ばかりだったが、世間はそれを是認した。
そのためテレビでは、いまの若者は二次元と三次元の区別がつかない、もっと教養をやしなうべきだと、まるで見当違いもはなはだしいことを言い始めた。
ホワイトカラークライムのような、知的犯罪が助長されていることもわからずに……。
それは教養をやしなえば同時に品性もやしなえると、世界が未だに盲信している結果であった。
どれだけ研鑽を積もうと、どれだけ計算をしようとも――
人間の心理というものは、果ては真理というものは、人間が忖度できるほど単純ではないのである。
締めのあいさつはすでにやってしまったので、最後に雑談をしたいと思います。
みなさん、『ランチパック』で好きな具はなんですか?
ピーナッツ、たまご、ツナマヨなど、ランチパックはバリエーションが豊富なので、わたくしは購入する際にかなり迷ってしまうのですが個人的には、『シュガーマーガリン』が好きです。――あのシャリシャリ感が、たまりません。
それではまたお会いいたしましょう。




