第1章1-1
「さて、チーッバの街に着いたわけだが」
「どうやって他の神憑を探し出す?」
そう。この旅の第一目標は他の神憑を全員探し出す事なのだが、当然どこに居るのかも、全員で何人いるのかも解らない
村を旅立つ際に村長が「神の力は魅かれ合う物だ」と、顔を赤くしながら半笑いで言っていたのだが、ただ単に格好つけたいだけだったのかもしれないから俺達は自力で探し出さなければならない
「まぁ、ここは街の偉い人に聞くのが1番だろ」
「あいわかった」
と、いう訳で俺達は町長の家を目指す事にした
街の人達に聞きながらやっと町長の家に辿り着いた
「すんませーん。町長に会いたいんですけどー」
「止まれ。町長は今執務中である。用件ならば後日伺おう」
「神憑が来たって言っても? 」
俺と杏子は腕に浮かび上がっている模様を門番に見せる
「なっ! し、少々お待ちを」
門番は顔色を変えて家の中に入っていった
「さぁ。神憑様。どうぞお入り下さい」
さっきまでの様子を微塵も感じさせない笑顔で門番が扉を開けた
このように、神憑は敬われ、疎まれる存在。今俺達のいる国は女神信仰の国である為、このような待遇を受けるが、現支配者である帝国や、その他の非信仰国家では近づくだけで殺されそうになるらしい
恐ろしい恐ろしい