大団円?
やっぱり無我夢中で 周りが見えてないのは 私の悪い癖らしい。
武藤の親父さんが、サラっと イチモツ発言してきた。
「俺、ちっと一発 勝負すっからよ
お前、見てろよ」
私がパート達と真剣勝負の25人工削減面談をしていた裏で、浮いた25人工分の事を 親父さんは考えていたらしい。
「困った時は、倉庫を見直せ」
親父さんは 自分の格言通り 倉庫を改めて見直して 丸々一日使って レイアウト変更をした
「お前なぁ 回転率が低いものが なんでこんな真ん真ん中にあるんだよ」
入荷して出荷するまでのサイクルが高いもの、低いものへ順位をつけて 並べなおしをした結果、
「倉庫の一割が ものけの空になったぜ」
正直、ゆとりなくキチキチになったこの倉庫。
空かせた部分で 何をするというのか。
答えは数日後に回った社内メールで分かった。
「倉庫空いてます」
突拍子もないタイトルで、全社へ回ったメール。
25人工浮いている上に、場所も空いてる。
活用できる方法があれば 教えてください。
唐突が無さ過ぎるメールだったが、
上層部には この素っ気の無さが響いたらしい。
総務課が 資産価値の計測にきて、外部へ(といっても 社長とか重役のコネがある企業)貸したら
いくらの収入になるか とか
営業部のトップが数名 来客をつれて 新規代理店の交渉をはじめようかと言って来た
「倉庫と人工があまってりゃ 足りねぇのは 荷主だけだ。全部と上手いことやるのが 倉庫マンの仕事なんだよ」
勿論、裏で柏木さんが 社内のあちこち方面で根回ししてくれたらしいんだけど。
わさわさと また慌しくなったこの頃、武藤さんが意地悪く言う
「お前よぉ、荷主そろったら どうすんだぁ?
こんだけ 俺が他所から引っ張ってきて、出来ませんなんざ 言わせねぇからな」
嬉しくて 面白くて たまらなくて 思わずにやける
「たかだか たったのあの坪数でしょ?25人もいれば 2セクション組めますよ。
いくらでも 現場回しますよ」
大丈夫。
物流センターは 余裕を持って 生き残れる。
あと一押し。
後一押しで それが確定する。
みんなで頑張ろう。