急げ。やべぇぞ。また遅れる……。
二人が家を出たのは太陽がずいぶんと高く昇ったころだった。
「ったく。また遅れた。」
「それはアドが早く起きないからじゃ……。」
「分かってるって。ほら、急ぐぞ。」
「うん。」
それぞれ自分の得物と弁当を抱え、数百メートル先の小さな小屋を目指して猛ダッシュする。
暫く走ると、森のそばの小さな小屋が見えてきた。
「おいっ。ローザ、さん、が、もう、外で、まって、る、ぞ。」
アドが息も切れ切れに叫ぶ。
ちなみにセラは返事をする余裕さえない。
二人とも体力がそんなにない訳でもないし、走るのが遅い訳でもないのだが、
遅れた時、ローザの怒りようが半端なく怖いので、トップスピードで走っている。
そのおかげでものの一分で目的の小屋に辿りついた。
しかし……
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「遅い。」
「「ひっ。ごめんなさい。」」
怒られた。
「あっ。ハモッたねぇ。」
家からリュナさんが呑気に出てきたが。
ローザさんは静かに、慌ただしく辿りついた俺達を見ている。
ぜいぜいと喘いでいる俺達を静かに見つめている。
……かなり怖い。
「これ、何回目だと思う?」
ローザさんはあくまで静かに、静かに問うた。
「え…えと……。わ、分かりません。。。」
セラがおどおどしながら答えた。
軽く涙目になっている。
来るたびにこうなんだから、そろそろ慣れろよ。おい。
「アドもっ。あんた、その分だと全っ然反省してないね。」
やべぇ。声に出してたみたいだ。
リュナさんが笑っていた。噛み殺そうと必死だが、すげえ漏れてるし。
ローザさんは暫く俺達を睨みつけていたが、
「ま、今度からは絶対早く来なさい。」
と言ってプイっとそっぽを向いてしまった。
ちなみにこのやり取り、すでに数えきれないほど繰り返している。
「ま、早く練習始めよう。それともご飯が先?」
リュナさんのこのセリフも何度も聞いた。
「練習が先でしょ。」
えぇっ。ローザさん。おなか減った……。ってセラが。。
「どうせあんたが朝、起きられなかったから遅れたんでしょうに。」
……。でも後悔はしてねえ。だって眠かったし。いつものことだし。
てか、俺また声に出してたんだ。
セラが向こうで、そうだそうだっ。とか私はおなか減ってないっ。とか言ってるけど、この際無視。
「じゃあ、始めようか。」
リュナさんが笑いながら言う。
俺もしゃあないな、と、弓を用意し始めた。
その時……
世界が揺れた
分かりにくかったとおもいますが、ローザさんが妻、リュナさんが夫です。ローザさんのイメージはとある女用心棒、リュナさんは女用心棒の嫁www(爆)です。分かりますでしょうか?
あと、アドがツンデレになってくれません。どうすればいいのか……w
まあ、いつも言ってますが、がんばります(`・ω・´)