関所
お久しぶりです!!!
なんとか進めます。
もはや作品としてもgdgdですが、練習用に意地でも書き続けたいと思います。
何年後に完結するのやらwww
目覚めてから約30分。ダイキリへの不信感が消えた訳ではないが、一応誤解は解けた。セラも心臓に悪いことしやがる。逃走中に見ず知らずの男と一緒に行動するとは、よほど胆力があるのか、世間知らずなのかどちらかだろう。(そして今回は間違いなく後者だ。)しかし今回については寝てしまっていた俺にも責任はあるから、セラばかりを責め立てる訳にもいかないが……。
なんだかんだでひと悶着あったが、今はダイキリに案内してもらって、アルティラ神国を目指している。その道中俺はダイキリが昔、谷に来た旅人だったという話を聞いた。マジかよ…、と思わんでもなかったが、特に興味もなかったので聞き流した。何故かセラが不思議そうな顔をした。
それから約3時間―――――――
「セラちゃーん、アドー。着いたよー。」
あ…あっさり着いた。。。俺らの昨日の苦労はなんだったんだ?!
実際、ここまでの道のりは呆れるほど簡単だった。道もなんとなく出来てたし……。俺らの旅スキルの無さを嫌というほど思い知らされた。
あっさり着いたアルティラ神国の関所は、森の中だった。具体的に言うと、いましがた歩いてきた森の中にある、少し開けたところに こじんまり としているものの美しい装飾が施された関所が突然現れたのだ。
「きれーい。」
セラが歓声を上げる。
「この関所はね、悪いものを国の中に入れないようにする固定化結界の一種でもあるんだ。だから装飾はただの装飾じゃなくて、全て呪術的な意味があるんだよ。」
ダイキリの解説。関所が固定化結界とは、なかなかに凝った造りだ。
門をくぐると俺にさえもはっきりと分かるほどの魔力を感じた。さすが神国。ここからもう少し歩くと森を抜けて、国の端っこの村に辿りつけるはずだ。
「あ、ショートカットしよっか。メンドーだし。」
俺がえ?と思うより先。ダイキリの声とともに、俺の服の襟が適当に掴まれる。ちなみにセラは丁寧に肩に手を掛けられていた。……ちょっとムカつく。
ダイキリは、いつの間にか出していたペンダントを器用に掲げ(俺を掴んだまま)コマンドの詠唱を始めた。
「パッセージ アルテス」
途端に視界がホワイトアウトして、渦巻くような浮遊感。気持ち悪い。
浮遊感が消えてからも、暫く気持ち悪さと視界は戻らない。ふわわわわぁ……とセラの感嘆の声が聞こえる。くそ、どうなってるんだよ。
数秒後、やっと視界が戻ってきた。緑がかった世界。
――――――壮麗で優美。
それが俺が一番に感じたこの街の印象だった。街の中心と思しきところに聳える、淡いブルーの屋根と真っ白な壁の教会。城・鐘楼、それどころか一面に広がる家々まで、白とブルーを基調として整然と並んでいる。とてつもなく綺麗。
「というか此処どこだよ。」
知らず知らずのうちに呟いていたらしい。
「ようこそ、アルティラ神国・首都アルテスへ。」
芝居がかった仕草で、仰々しく言ったダイキリは、少し誇らしげに見えた。
時々でいいから思い出して覗いてもらえれば幸いです。