2012年2月25日
ふと、気が付くと私は数枚の手紙を持っていた。
それぞれの手紙には、投函された日付とおそらく1枚ずつ写真が同封されていた。
写真の場所には見覚えがないのに、不思議とどこか懐かしいような、そんな感覚に襲われる。
私は手紙の中で、1番古い日付のものから、読み進めることにした。
手紙_2012年2月25日
はるか、はるか遠くにいるだろう君へ
こちら2012年2月25日
携帯ショップにはスマホが並び始めていて、私はみんなと同じ普通の携帯が欲しかったのに、店員さんに言われるがまま、結局スマホを買うことになりました。
変に目立ちそうで少し憂鬱です。
まぁそんなことはどうでもよくて、私は遥か遠くにいる君に向けて、この手紙を書きたいと思います。
私は今年の春、中学生になります。
親にはバスケとかサッカーだとか、体育会系の部活に入りなよって言われましたが、私は吹奏楽部に入ろうと思っています。
楽譜とか何にも読めないし、ピアノだってひけないけど、音楽はずっとやってみたかったから、とても楽しみです。
楽器を吹くのはきっと自由で、まるで羽が生えたような、そんな良い気分がするんでしょうね。
遠い君は何をしてるんだろう、
吹奏楽はやっているんだろうか。
勉強に苦しんでたりして笑
自由に生きてるのかな。
…もしかしたら、君なら、私を縛り付けるものが何なのか、わかるのかもしれない。
ご飯を食べること、人と関わること、何か新しいことを始めること、生きること、死ぬこと
目の前は見えないのに、進む道は決まっていて、止まることは、決して許されない。
そんな、呪いのような何かを。




