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砂浜の夢
水槽脳夢世界
アンネローゼ・アイルホルンの幻想物語
砂浜の夢
覆水は波に攫われてしまえ
「しゅごいしゅごーい!」
叔母は休日に、私を海に連れて来てくれた。
叔父も来たがっていたが、仕事の都合が付かなかったようだ。
「おばちゃんおばちゃん!
かいがらだよ、かいがら!」
「どれどれ…
おぉ!
随分と綺麗な貝殻だねぇ!」
「おばちゃんにあげるね!」
「良いの?」
「うん!
つれてきてくれたおれー!」
私がそう言うと、叔母は私の頭を優しく撫でながら、こう言った。
「子供はそんなもの、気にしなくても良いのよ?」
「でも、ありがとーとごめんなさいはいわなきゃ、かみさまにおこられちゃう!」
「今日は、おばちゃんがアンネをここに連れて来たかっただけだから、別に良いんだよ。」
「うーん…
・・・じゃあ、ふつーにおばちゃんへのぷれじぇんと!」
「あら、本当に良いのかしら?」
「うん!
どーじょ!」
「ありがとう。」
叔母が貝殻を受け取ると、私は満足したのか、すぐに興味を失ってしまい、走り出そうとする。
「お待ちなさい、アンネ。」
「またなーい!!」
そう言いながら短い足で一生懸命走るが、転んでしまう。
思えば私は、よく転ぶ子供だった。
「あらあら、大丈夫?」
「・・・ゔうぇーん!」
泣かないように我慢しようとしたが、無理だった。




