想起の夢
水槽脳夢世界
アンネローゼ・アイルホルンの幻想物語
想起の夢
振り返れど、悲しめど、悔やめども、変わらぬのが正史
「おじしゃん達、だーれ?」
「探したよ、アンネローゼ。」
「・・・おじしゃん達、どーして私の名前を知ってるのー?」
「私は君の実の父親だよ、アンネローゼ。」
「え?
おじしゃんは、私のおとーさん、なの?」
「そうですよ、アンネローゼ。
彼は貴女の実の父親、その人です。」
「・・・じゃー、おばしゃんはだーれ?
おかーしゃんじゃないよね…?」
「私は彼の妻、兼共同研究者です。」
「・・・おじしゃん、おねーちゃん達知らない?
いつのまにかいなくなっちゃってたのー。」
「姉?」
「私の前妻の娘達だ。
つまり、この娘の異父兄妹だ。」
「成程。」
「私ね、きょーはね、叔父ちゃんと叔母ちゃんと、
おにーちゃんとおねーちゃんと、皆で来たの。
でも、いつのまにか皆どっか行っちゃってたの。
ねぇ、おじしゃんたち、皆は何処に行ったか、知らなーい?」
「・・・本当にこの幼女が、あの結果を出したのですか?」
「あぁ、間違いないよ。
この様子からは、にわかには信じがたいがね。」
「ねーねー、皆は何処に行ったか、知らなーい?」
「・・・鬱陶しいですね。
足元に来ないで下さい。」
「・・・ご、ごめんなさい。」
「私達はね、君の叔父さんに頼まれて、君を迎えに来たんだよ。」
「・・・叔父ちゃんがそんな事、頼んだの?」
「えぇ、そうですよ。
・・・さあ、来てくれますよね?」
「・・・叔父ちゃんが?」
「そうですよ。
実の父親の下に戻した方が良いと、考えたんじゃないかな。
・・・さあ、アンネローゼ。
私達と一緒に来なさい。」
「・・・私、叔父ちゃんに捨てられるの?」
「・・・ませた小娘ですね。
・・・えぇ、そうなんじゃないですかね?
実の子供では無い子供を二人も育てる上に、こんな面倒なガキを育てるのが、
いよいよ面倒くさくなったんですよ。」
「・・・せめて、叔父ちゃん達に挨拶してかr」
「駄目だ。」
「これ以上彼らに迷惑を掛けるつもりですか?」
「・・・でも、皆、絶対私の事を捨てたりする訳ないから。
会って、確認したいかr」
「分からないですか?
これが現実なんです。
・・・貴女、馬鹿なんですか?」
「・・・ほんとーに、みんなはわたしのこと、すてたの?」
「あぁ、もう、面倒くさいですね。」
「泣く事ほど無駄な事はない。
泣いてるなら私達に連いて来なさい、アンネローゼ。」
「そ、そんなこと、な、な」
「もう良い。
来なさい。」
彼女の実父は、泣き喚く彼女の腕を引っ張り、無理矢理連れて行った。




