出会いのメロディー
1=剣士、2=少女
☆女性剣士が歩いている
1「失礼、貴女が今回の依頼主か?」
2「ヒィッ!」
1「すまない、驚かせてしまったか。」
2「こ、こちらこそ、すみません…!貴女が、団長が雇ったという傭兵さんですか?」
1「うむ、傭兵ギルド『盾と剣』から依頼を受けて参った。名を、ジェミニと申す。」
2「わぁ、偶然ですね!私もジェミニって言います。音楽ギルド『Estrella』のジェミニです。」
1「そうか、これも何かの縁だな。よろしく頼む。」
☆握手
2「こちらこそ!よろしくお願いしますね!」
☆空腹音
1「む?」
2「あ、えへへ。お腹空きましたね。この辺でご飯にしましょうか?」
1「うむ。」
☆ご飯の包みを広げる
2「…ジェミニさん。」
1「“さん”は付けなくて良い。敬語もいらない。」
2「じゃあ、ジェミニちゃん!あ、私のことも気軽に呼んでね!」
1「了解した。それで?」
2「あ、そうそう。ジェミニちゃんはすごく強そうだけど、やっぱり小さい頃から修行とかしてたの?」
1「うむ。」
2「わぁ、そうなんだ!すごいなぁ!」
1「そういう家系なんだ。それ以外に大した取り柄もない。」
2「えぇ〜、そんな…!」
1「ジェミニこそ、幼い頃から音楽と共に育ってきたのではないのか?」
2「私?私は…確かに物心ついてからずっと音楽は好きだったけど、家系とかそういうのじゃないし…。」
1「?」
2「私はスラム出身なんだ〜。同じくらいの子達と何とか生きてたところを団長に拾われて…。」
1「そうか…。」
2「でも、拾われてからも修行!って感じじゃなかったかな。ギルドの仕事のお手伝いはしてたけど、団長が『君は楽しく過ごしていれば良い、それが君の才能の為にも1番大切なことだから』って。」
1「良い出逢いだったのだな。」
2「え?」
1「顔に出ている。」
2「あっ、えへへ。うん、すごく感謝してるの。」
1「そうか。では、必ず守り通さねばな。つくづく思うが、やはりこの仕事は責任重大だ。」
2「…!」
1「だからこそやりがいがある。」
2「ジェミニちゃん…!」
1「この道中は私がジェミニを守り抜く。だから、いつか私にもジェミニの音楽を聴かせてくれ。」
☆肩をポンと叩く
2「うん!」
1「よし、そうと決まれば早く食べて出発しよう。」
2「あ、そうだった!えへへ…。」
1「皆がジェミニの音楽を待っている。」