図書室の出会い、本に導かれるままに…
1=男子、2=女子
☆男子が大袈裟に動く音
1「本当に良いの⁉︎うわぁ、超楽しみ!」
2「こ、今回だけだからね!」
1「うんうん!それでもすごく嬉しいよ!ありがとう!」
2(溜め息) 「それで、どこに行くの?」
1「そうだなぁ〜。遊園地とか映画も良いけど、新しくできたカフェに行くのも楽しそう。」
2「…。」
1「…うーん。ああもう迷うなぁ!きっと君と一緒なら、どこへ行っても楽しいんだろうな。君はどこか行きたい場所はある?」
2「私は特に…。」
1「そっか、そうしたらさ。」
2「…?」
1「本屋巡りとか、どう?」
2「本屋?」
1「うん。君は本が好きなのかなって思ってたんだけど、違った?」
2「好き、だけど…。何で知ってるの?誰にも言ってないはずなのに。」
1「あはは。放課後、図書室にいるのをよく見掛けるからそうかなって。」
2「え、君も本が好きなの?」
1「いや、僕はそんなに…。でも、最近好きになった!君のお陰で。」
2「…?」
1「何ヶ月か前に、たまたま先生から図書室におつかいを頼まれたことがあってさ。で、その時に君を見掛けたんだけど、すごく夢中になって本を読んでて…。」
2「ええ…そんなにだったの?私…。」
1「うん。その時の君の姿が忘れられなくて、僕も少し本を読んでみるようになったんだよね。そうしたら結構面白くて!」
2「そう。」
1「君いつも集中してたし、僕達クラスも違って接点があまりないでしょ?だから中々声を掛けられなかったんだけど、本を借りに図書室に行くといつも君を見掛けるから、すごく本が好きなんだな、どんな本読んでるんだろうってどんどん気になっちゃって…。いつかちゃんと話してみたいなって思ってたから、今超嬉しい!」
2「期待外れだったでしょ?私、そんなに面白いことも言えないし…。」
1「え、そんなことないよ?僕、今すごく楽しいし。」
2「君は何というか…。かなりの物好きだね。」
1「そうかなぁ?」
2「ふふ、そうだよ。」
1「あ、やっと笑った!」
2「き、気のせいだよ!」
1「あはは。今はそれでも良いや。いつか君が本当に僕に笑ってくれますように!」
2「…いつか?」
1「うん。ようやく声も掛けられたわけだし、学校ではこうしてまた会えるでしょ?それに…。」
2「それに…?」
1「君が楽しいって思ってくれたら、次もあるかもしれないでしょ!そう感じて貰えるように、僕は最善を尽くすつもりだよ?」
2「…ありがと。」
1「ん?」
2「ううん、何でもない!そういうことなら、楽しみにしてるね。本屋巡り。」
1「うん、僕も!じゃあ、またその時にね!」
2「うん、また。」