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図書室記録  作者: スギココ
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1ページ目

私が司書を務めている図書館には地下室がある。ふつうの図書館にもある地下書庫のような部類ではなく、ただなにもない部屋ひとつがぽつんと書庫の合間に存在する。それがなんのために作られたかは、現在館長をやっているセスカさんにもよくわかっていないらしい。


なんにせよ現在定かなのは、その妙な地下室が悪魔崇拝集団によって勝手に使われているということだけだ。


迷惑なことには限りない。聖教会の方々にバレたらとても怒られる程度で済むわけがない。当たり前のように秘匿罪か何某かで全員火炙りだ。そうに決まってる。あいつらが容赦ないのはよく知っている。

私はどちらかというと彼らを恨んでいるほうだが、だからといって悪魔に縋ろうなんていうつもりはない。だから変な嫌疑を掛けられて処刑されたくはない。

そのためできるだけさっさと追い出したいのだが、とはいえあんな連中と交渉など館長ですらやりたがらない。聖教会が魔女と異端の炙り出しに躍起になっている以上、また連中がうまいこと隠れてくれている以上、こちらから下手に交流を始めると面倒なことが起こる気がしてやりづらい。

かくいう私もできることなら連中には関わりたくない。


それにしても、なんであの連中はわざわざこの図書館に巣食っていやがるんだろうか。まあ確かにここは都からはそれなりに離れているし、見つかりづらくはあるんだけれども、聖教会の方々はよくいらっしゃるからあまり意味はないような気がしないでもない。ちょっと奥の方に森があるから、多分お誂え向きの場所というならそっちの気がする。連中にとっては違うのかもしれないけれど。


自分と全く頭の構造が違う人種の考えることはようわからん。


とはいえ気がかりに思うことはあって、というのもあの部屋はここの司書のうちの誰かに使用許可を出してもらわなければ入ることすらできない仕組みである。少なくとも館長にはそう説明されている。つまるところ連中が自由にここいらを出入りできている以上、司書のうちの誰かがそれを許可したということにほかならない。ようするに悪魔崇拝連中と繋がっている存在がいるかもしれない、という話である。

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