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5 名前は、みー
4話の猫視点版です。
タイトルでネタバレしましたが、数学の証明問題のように過程が大切です。
はたして、なぜ間違えたのか・・。
今日は、いままでと違う食べ物だ。
母猫が持ち帰るものとも、ここで食べるご飯とも違う。
いい匂いがするからわかる。
「名前は何というの?」
母親から「猫」と呼ぶ人と名前を呼ぶ人がいると聞いたことがある。
この人は名前を呼んでくれるのだな。
「みゃー」
「名前は、『みゃー』、ね」
違うよ。みゃーではなくて、みー。
「みゃー、みゃー」
「うん。わかったから何度も言わなくていいよ。みゃー」
違うよ。みーだってば・・。
帰宅後。
「兄猫、私の名前はみゃーだと言っているのにみゃーと呼ばれた」
「みーは、みーと言えず、みゃーと言うからだよ」
「言えてるもん」
「今もみゃーと言ってるし、俺はにゃーではなく、にーだから」
「ちゃんと言えてるもん!」
「みー」と言っているつもりで、「みゃー」と言っている「みー」。
猫には母音の「i」の発音が難しいのでしょう。
でも、同じ日に生まれ、出生の順番が違うだけの兄猫は言えています。
頑張れ、みー!