1 野良猫の親子
『小笠原気功会史』は、現在1話平均4,627文字です。もっと気軽に読める作品として、1話あたり200文字あまりで、十二支を主題とした日常生活を猫の視点で描きます。
近年、ハイツや駐車場が増え、畑が少なくなった。
庭に遊びに来る鳥はスズメくらいだ。
近所の小学生は、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリも知らないのだろうか。
おや、野良猫の親子が遊びに来た。
子猫は手に乗るほどの大きさで4匹だ。
母猫は道路の向かいのハイツの人が餌をあげていた猫だ。
しばらく見ない時には「お尋ねネコ」のポスターを電柱に貼ったのに
引っ越す時に連れて行かなかったのか・・。
野良猫だから環境が変わったら大変なのは理解できるが可哀想に。
野鳥のために置いたご飯を食べ始めた。
最近、ご飯がなくなるのが早いと思ったら、猫が食べていたのか。
猫には栄養バランスが悪いけれど、贅沢を言ってられないか・・。
「庭にいていいよ」と声をかけたいけれど驚かせたくない。
野良猫の親子は、観賞用に置いた器に溜まった雨水を飲んで帰った。
都心や地方では代わり映えしないかもしれませんが、
郊外は、中学・高校の部活や受験でしばらく街並みに目を向けないと、
知らない間に土のない風景に変わっていることもあります。
主役の猫も、そのような住みづらくなる変遷期に生まれました。
『吾輩は猫である』ではありませんから、名前は5話にて兄猫の口から。