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無限の殺戮 ~僕はいつでも殺される~  作者: 華音 楓
第2章 僕の命の軽さ
8/23

8回目の死亡

ピピピッ!!ピピピッ!!ピピピッ!!


AM5:00


バシン!!


「うるさい…」


 僕は時計の日付を見た。

 また同じ日…

 今日もまた、僕は殺されるのか?


 嫌だ…いやだ…

 いつになったら終わるの? 

 もう死にたくない…


 誰か助けて…

 助けてよ…

  助けてよ…

   助けてよ…

    助けてよ…

     ……………


 僕は結局布団から出ることができなかった…



AM7:00


ドンドンドン

ドンドンドン


「優紀!!いつまで寝てるの?!学校に遅れるわよ!!」


ドンドンドン

ドンドンドン


「優紀!!」


ガチャ!!


 母親が無理やり部屋に入ってきて布団をはがした。


「まったく…いつまで寝てるの!!正人君が迎えに来たわよ!!」

「ごめん母さん。今日は体調が悪いみたい…学校は休むよ…」


 僕は母さんにウソをついた。


「大丈夫?熱は無い?どこかおかしなところとかあるの?」

「熱はないと思うよ。体がだるい感じがするよ。たぶん一日様子見れば大丈夫だと思う。もし明日も調子が悪かったら病院釣れていってもらってもいい?」

「わかったわ。無理をしちゃだめよ?あと、おかゆ作っておくから、あとで食べなさいね?正人君には先に行ってもらうけどいいわよね?」

「うん。正人にも謝っておいて。」


 そう言って正人には先に行ってもらった。

 正人ごめん…



AM7:30


「いただきます」


 母さんが作ってくれたおかゆを食べた。

 うまい。母さんありがとう。


 いつもより遅い時間だったからか、いつもと違う番組が流れていた。


『あなたの星座は…11位。ラッキーアイテムは新聞。今日も行ってらっしゃい!!』


 順位が一つ上がってる。って言っても11位か…微妙…

 新聞がラッキーアイテムか…どこにあったかな?


 僕はおかゆを食べ終えると、新聞を探した。

 その記事を見て驚いてしまった。


『通り魔事件発生。犯人はいまだ逃走中。』


へぇ~怖いね。

しかもこの近くじゃないか…

まさか…ね?



AM7:56


ピンポーン


 家のチャイムが鳴った。

 宅配便か…

 まさか通り魔じゃないよな?

 出るのも面倒だから居留守を決め込もう。


ピンポーン


 もう一度なるチャイム。

 仕方ない、確認だけしよう。


 インターホンのモニターを見ると、見知らぬ男性が立っていた。

 その手には小包を持っていたので、おそらく配送業者の人だろう。

 間違いないやつだ。


「はい、どちら様ですか?」

「宅配便です。ハンコかサインお願いします。」


 やっぱりそうだ。

 こいつが僕を刺した犯人だ…


「わかりました。少し待ってもらっていいですか?」


 僕は急いで部屋へ行き、着替えをした。


「お待たせしました。今開けますね。」


ガチャリ


 僕はドアの向こうにいるであろう人物にそう言うと、玄関のドアを開けた。

 手には父さんのゴルフクラブを持って。



AM8:00


 そこには誰もいなかった。

 あれ?さっきまでいたはずなのに?


 辺りを見回しても誰もいなかった。

 おかしいな?


ガン!!


「うぐっ!!」


 突然訪れた後頭部への痛み。

 そのまま倒れこんでしまった。


グサッ!!


「ぐわぁっ!!」


 倒れたままの背中に何かが入ってくる。


痛い!!

熱い!!


 途切れそうな意識の中で、刺されが背中を触ると、ナイフが突き刺さっていた。


 なんで家の中から殴られたんだ…

 新聞の記事…僕を刺した奴が通り魔の犯人なのか?


 薄れる意識の中、考えても考えてもわからなかった。

 どうした僕は殺されなきゃならないんだよ。


 こうして僕はまた、殺されたらしい。


 僕が覚えているのはここまでだ。

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