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無限の殺戮 ~僕はいつでも殺される~  作者: 華音 楓
第2章 僕の命の軽さ
5/23

5回目の死亡

ピピピッ!!ピピピッ!!ピピピッ!!


AM5:00


バシン!!


「うるさい!!」


 僕は時計を見た。

 今日、僕は誰かにきっと殺される。


 時計の日付を確認した。

 間違いない。同じ日だ。

 

 重い体を起こし、布団から這い出た。


 足取りも重く、のそりのそりと一階へ降りていく。

 洗面所では妹が身支度を整えていた。


「おはよう。早いね。」

「お兄ちゃんが遅いだけだからね。あと、まだかかるからここは使えないよ。」


 仕方ない。顔を洗うのはあきらめよう。

 それにしても、やはり態度が冷たい…



AM6:00


 僕がのろのろと動くものだから母さんからしゃきっとするように注意を受けた。


「ごめん、なんか調子でなくて。」

「まったく。遅くまで起きてるからです!!今日はきちんと早く寝るのよ?いいわね?」



AM7:00


 リビングで朝食中にいつものテレビの占いを見る。


 『ざんね~ん。最下位は12月生まれの方。友達との挨拶には気を付けて。ラッキーアイテムはカエルのぬいぐるみ。それでは皆さんいってらっしゃ~い。』


 占いはやはり信用できないな… 


「あ、お兄ちゃん最下位だね。なんかよくないこと起こったりして。」


 これから起こるのが確定しているから全く笑えない。



AM7:15


「いってきます。」


 いつもより早く家を出る。

 たった15分でも人の流れは違って見えた。

 学生よりの出勤で家を出ていく人が多く見えた。



AM7:45


 学校の坂を上る手前で幼馴染の正人が近づいてきた。


「おはよう正人。」

「あ、あぁ。おはよう。」


 なぜ正人は元気がなかった。


「正人どうしたの?元気ないけど…」

「あ、あぁ。優紀から借りた本が面白くてさ、ちょっと寝不足みたいだ。」

「そっか、ならいいんだけど。無理しないでな?」

「あぁ。」


 やっぱり変だ。

 同じ誕生月だし占いがわるかったからか?



AM8:00


 学校前の坂道での出来事は起きなかった。

 きっと僕がさされる出来事が回避できたに違いない。


 僕は一安心で教室へ向かい廊下を歩いていた。


ドスン!!

グサッ!!


 え?なんで?死亡フラグは回避できたんじゃないの?


 痛みが襲ってくる。


グサッ!!


 さらにもう一度刺されたみたいだ。

 左の脇腹を見ると、ナイフが深々と刺さっていた。


「キャ~~~~~~~!!」


ドサ…

 

 僕は膝から崩れ落ちて、そのまま倒れてしまった。

 僕の周りに血の海ができていく。

 徐々に失われていく意識の中で聞こえてきたのは、僕の名前を呼び続ける愛華の声だった。


 僕は結局殺されるらしい。

 どうしたらよかったんだろうな…


 僕が覚えているのはここまでだ。

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