序 あくのちびっこようかい、パニックになる
旧評価システム時代のお話なのです……!
それは、ついさっきのことだ。
おれはこんやも、いつもの『小説とうこうサイト』にやってきた。
いつものようにログインし、『新着小説』リストをざっとチェック。
そうして、まだひょうかのない作品にぱぱっと、いつもどおりのひょうかをつけた。
これでよし。
あとは、ころあいをみて『活動報告』(さくしゃ用の『簡易ブログ』だ)をチェックだ。
このさくしゃも、すぐにがっくり、おちこむとこをみせてくれるはず。
だって、おれがつけたのは……
ぶんしょうひょうか『1』:ストーリーひょうか『1』。
ぶっちゃけ、さいていの、ひょうかなんだから。
どうして、こんなことするのかって?
おれは、ようかい『ひょうか1:1』だからだ。
はじまったばかりの作品に、わざと1:1をつけ……
さくしゃたちのココロをおって楽しみ、そのおんねんをチカラにかえる……
わるくて、すっごい、ようかいだからだ。
おっ、きたきた。さっきの作品のさくしゃの『活動報告』。
なになに、『はじめて評価いただきました!! ありがとうございます!!』だって?
ふふん。どーせまた、まけおしみにきまってる!
ポチッとタイトルをクリックし、記事のなかみをよんでみた。
『お読みくださり、ありがとうございます。
さきほど、わたしの作品に、はじめて評価をいただけました!
まだまだつたない作品をお手にとっていただけて、評価まで送っていただけたこと、とってもとってもうれしいです!
ほんとうに、ありがとうございました。
これからもがんばりますので、どうかよろしくおねがいいたします!』
……いや、もういちどよんでみよう。
きっとひっしで、まけおしみしてるんだ。
だって、おれがつけたの1:1だもん。さいていのスコアだもん!
ゆっくり、もいちどよんでみた。
やっぱりうれしそうだった。
さんかい、よんかいよみかえしても、どーやったってうれしそうにしかみえない。
さすがのおれも、みとめざるをえなかった。
こいつ、ほんとに、ココロから、ものすっごーいうれしそうに『ありがとう』をいってる!!
うそだろ?
そんな、ばかな。
ど、ど、どうしよう?!
そんなわけで、おれはすっかり、パニックになってしまったのだ。