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第4話 召喚巨竜 アヴァロン

 

 宣教師とアーサーは私の事の話をしている。



「こ、これが王女の霊体に転生した転生者···」


「はい。しかも彼女の魔法は『幸福の四つ葉』君と对なるもので、他と異なり発生するのは運任せだ。」


「それが残念なんだな!私はこの幸福を操ることが出来る!これぞ転生特典·····」



 私は強く霊でも食べられるマカロンを願うと頭上から降ってきて私の手元に落ちた。



「ほれほれ。あー美味しい」


「しかし、その分だけ気力を消費しているようですね。」

「あ、確かに少し痩せた·····」



 ふむふむ、使い過ぎるのは不用心ときたか。しかし、使いようによっては強いけど··こういうのって願いの規模が大きいほど気力消費するんだろうなぁ。



「アーサー、君の不幸を打ち消すことも出来る!」


「え、本当!?」



 ま、彼の不幸の度合いによるけどね。そう思っているとバタバタと大人の足音が複数こちらに来るのが聞こえた。

 私は幸福の小規模バージョンで精霊聴力を通して聞いてみる。ちなみに私の魔法はこんな風に他人を通してでも使用可能である。



『アーサー・フレイムはどこだ!!』

『あ、アーサーがどうなさったのですか王よ!』


『あやつは···どこかの禁書を開きよった!!魔王の眷属だが復活してしまう!!』



 アーサーくん、なにやってんの。

 私は精霊の聴力を解除し、ニコニコなアーサー・フレイムくんを見る。



「アーサーくぅん。あんたの記憶覗かしてもらうよー」

「え、ちょ、恥ずかしいですよ!」


「魔法発動『過去透視』」



 私はアーサーに触れて目を閉じる。


 真っ暗な世界に一つだけ真っ赤に輝き、まるで私に危険ということを合図しているような球体を見つけた。案外サクサクといくもんだな。



「なになに···なに本の南京錠解いてんのこの子。」



 そこに映っているアーサーはコソコソと本棚からいかにも封印されてますよ感半端ない本を取り出し、南京錠を解除して読んでいた。


 そして私は現実に戻る。



「あんたなぁ···南京錠解除したろ?」


「あ·····そ、それはぁ」

「あの文字見たけど···アヴァロンって書いてあったぞー」


「もしかしてですが·····文字読めませんか?」


「恥ずかしながら」



 ならばそこで『不幸の四つ葉』が発動したのだろう。しっかしこんな規模大きいやつ無意識に使っても気力減らないって···要らない秘宝の持ち腐れだな。



「んー、そのアヴァロンが王いわく復活したらしくそれについて詳しく知るためにアーサーを探してるよ王様。」


「え!?ど、どど、どうしよう!···悪魔召喚は上位貴族じゃないと死刑なんだよ!」

「まさかの不幸二連発ってか。」



 んー、ま、勝手に禁書漁った罰として見逃してあげよう。それに、二次元っぽいこの世ならアヴァロンくらい倒せるでしょ。



「アヴァロン倒せる勇者くらい呼びなよ」


「それが·····先日勇者の方は何故かパーティを皆殺しにし、魔族へと堕天したそうなんですよ」

「勇者なにしてんの!?」


「私たち宣教師はあくまで妖精族の御加護を受けてる身。戦闘力は皆無ですし、アヴァロンは上位精霊とは違って上位悪魔なんですよ」



 ん?妖精と精霊は一緒じゃないのか?私はその他の疑問もぶつけてみた



「精霊は独立した一族で、妖精は自然神の眷属です。」


「設定難しいなぁ、まぁいいか。」



 んー、ならば戦闘ができるのは···その他の人達に攻撃特化魔法使いがいることを願おう。



「ん?なんだこのオーラ···!?」



 私は即座に何らかの危機を察知して急上昇した。残された宣教師とアーサーの安否が心配だ。



「宣教師さん!!···っ宣教師さぁん!!」

「アーサー!まさか宣教師は·····」



「僕を庇って···ううっ」



 触れられないためアーサーの手の感覚を借りて脈を測ってみるも···動くことは無かった。

 こんな呆気なく殺されていいものなのか。



「あいつは···あれがアヴァロン!?」


「大きいな」



 そこに居たのはまさに竜。前世にあったアヴァロン設定のほとんどのやつも竜だったので驚きはしないものの、リアルで見ると迫力がある。



『我をめざめさせた者は···どこだ!!』


「おいアーサー。お前探してるぞ」

「ち、違いますよ!きっと···本を破ってしまった人がいるんですよ!読んだくらいで出てくるはずは」



 アーサーが何かを言おうとしたとき、目の前から一瞬でアーサーは姿を消した。もしやと思い、巨竜 アヴァロンの方を向けば小さくだがアーサーが手に握られていた。

 どうやらアーサーは私に助けを求めているらしい。



「幽霊の私にどうしろと·····」



 すると、目の前で宣教師の死体が輝き始めた。眩い光の中に見えた人影···そこに居たのは子供になった宣教師だった。



「どういうこと?」


「きっと··生命の妖精が私にもう一度人生を授けてくださったのでしょう。···この服を着なさい!」



 そう言って投げられた服。掴めないとわかってるのに反射的に服に手を伸ばした。すると、手に感触が·····



「す、すごい!触れる!」



 そして、このいかにもオタク感あふれるシスター服を着ると重力に従ってかぺたりと地面に落ちた。



「凄い!!人間になれた!」


「それは私の加護の半分を引き換えにして手に入れたなんでも糸のシスター服です。感謝しなさい。」

「ありがとう!!」



 さて私は動くために腕を縦にグルングルン回しながら肩のコリをほぐした。



「さてさて、いっちょやりますか···その前に、アヴァロンくーん、何故召喚主であるアーサーを狙うんだ?」


『····黙れ』



 すると、アヴァロンが口からビームを放った。···幸福で辛うじて避けられたが、直撃してれば跡形もなく消え去るだろう。ま、霊体化出来るから大丈夫だが。

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