ソフィア視点
更新遅れて申し訳ありません。
少しでも読んでくれている方がいらっしゃると思うと頑張れます。
今回はソフィア視点になります。
時は少し遡ってローゼリアが捕まってる所からです。
私がロゼちゃんが来ていないと知ったのはロゼちゃんが誘拐された翌日だった。
「ロゼちゃん、まだ来てないのね。珍しい...。」
「ソフィア様、ローゼリア様の侍女と執事を今日は学園でお見掛けしておりません。もしかしたら、ローゼリア様も学園に来てはいないのかもしれません。」
と話してくれたのは私の侍女であるリーナだ。
「あら、何かあったのかしら?」
ロゼちゃんが学園に来ないというよりは、いつも学園でさえ私とのお茶会に来れない場合はちゃんと伝えてくれる律儀な子なのだ。その律儀な子が何も無いままお茶会に来ないなどロゼちゃん自身に何かあったに違いない。
「風邪とかひいたのかしらね?でも、それなら侍女が知らせに来るだろうし...。」
そう思い悩んでいるとロゼちゃんのクラスメイトを発見した。
「リーナ、あの方達を此方に」
「畏まりました。」
リーナが連れてきたのはロゼちゃんと仲が良いルーカス様とユリアス様、そしてアンリ様だ。
「ソフィア様御機嫌よう。如何なさいましたか?」
初めに声を掛けてきたのは幼馴染でもあるユリアス様だった。
「御機嫌ようユリアス様。あのお聞きしたいのだけど、あなた達ロゼちゃんを見ていない?」
「...ソフィア様もご存知ないのですか?」
アンリ様が暗い顔で私を伺うように聞いてきた。
「どういうこと?」
「私達も理由は分からないのですが、ロゼ様今日欠席しているのです。」
「風邪かしら?でも...。家の問題...?」
「担任も把握していないらしく分からないの一点張りなんですよ。後はあのエリック殿下の護衛であるルドルフ殿も欠席していて何だか妙なんですよね。エリック殿下も何故か分からないみたいですが、まぁ毎日のようにエリーナ嬢が引っ付いているからあまり深くは考えないようですよ。」
ユリアス様はいつもニコニコしていて取っ付きやすい雰囲気があるけれど、今は笑っているのに目は全く笑ってなくて雰囲気も少し怒気を含んでいる感じだ。
甘いマスクをしているユリアス様を小さな頃から知っている。小さな頃から色々な年齢の女性の方々から気に入られていてそれは成長するにつれ増す一方だった。
私もウィル様の婚約者になり王妃教育が始まった頃からユリアス様と会わなくなったのよね。小さな頃から知っているとはいえ、こんな表情を見るのははじめてだわ。
「アイツ本当に目障りだ」
ボソリと呟いたのはルーカス様だった。ロゼちゃんと一緒にいる時は良く喋っているのを見るがロゼちゃん以外と話す所をあまり見た事が無かった。ロゼちゃんとお茶会をしていてルーカス様も同席する事もあるけれど、ルーカス様に話をふっても一言二言話せれば良い方だった。
「エリーナ様の事で何かあったの?」
問題児であるエリーナ様がまた何かやっているのかと思い聞こうとした所で
「あらぁ〜ユリアス様にルーカス様じゃなぃですかぁ〜。こんな所にいたんですねぇ〜。」
その問題児が自分からやって来てくれた。
それも私やアンリ様等見えてないかのように振舞ったのでアンリ様は眉間に皺を寄せた。
「エリーナ嬢、俺達よりもまずはソフィア様にご挨拶では?」
ユリアス様は優しくエリーナ様に諭すが意味がないようであった。
「えぇ〜?あ、本当だぁ!全然気付きませんでしたぁ〜。ソフィア様、アンリ様御機嫌よう」
「ソフィア様になんて口の聞き方ですか!」
「フン、五月蝿いですぅ〜。そんな怖い顔しないで下さいよぉ〜。あ!良い事教えてあげますから〜」
「...良い事とは何かしら?」
「ローゼリア様ならもう学園に来ないんじゃないかなぁ〜と思ってるんですぅ〜」
エリーナ様の言葉が不可解で無表情を意識していたが眉間に皺が寄ってしまった。
「そ、れはどういう事なの?何故そんな事が言えるの?何か知っているのなら教えて下さらない?」
「私はヒロインなんですよぉ〜。だから知ってるんですぅ〜。もうローゼリア様は学園には来ない事を〜。」
彼女自身が言った“ヒロイン”であるとはどういう事なのか理解しがたいし、ヒロインだからロゼちゃんが学園に来ないと言えるのかも分からなかった。
「自分で自分をヒロインとか頭痛いね、アンタ」
可愛い顔の少し幼さが残るルーカス様から出る辛辣な言葉がもし自分にだったら心折れるなぁなんて呑気な事をこの場で考えてしまう。
「私はヒロインなんですよぉ。ヒロインは皆から愛される運命なんですぅ〜それを邪魔しているローゼリア様はその報いを受けるべきなのですぅ〜。」
この子は何を言っているのか分からない。いつも分からないが今回は特に理解出来ない。ロゼちゃんが報いを受ける?あんな真面目で聡く慈悲深いロゼちゃんが何をしたというのだろうか?
「貴女何か勘違いをなさってるのでは?ロゼちゃんは素敵なご令嬢なのよ。」
「あんな奴消えれば良いのよ。」
いきなり俯いたかと思うとブツブツと何かを呟いたけれどなんて言ったか聞き取れなかった。
それは傍にいたユリアス様達も同じようで訝しげにエリーナ様の様子を伺っていた。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




