【77】
「エリーナ・ウォレス。あの男爵令嬢の名前がありました。それ以外はロゼ様と関わりがない平民や商人でした。」
(まぁ薄々は感じてはいたけど、証拠っていう証拠も無かったから気にしないでいたけど。そう、あの人が...ならダミエル伯爵に近付いたのもエリーナよね。)
「やっぱりそうか。何かとロゼに突っかかってきたいたからそうかなとは思っていたけど。」
「だけど、この証拠だけではまだ不十分なのよね。お父様やウィル様にも相談してみるわ。」
「はい、その方が良いかと思われます。下手に私達で動いて他の証拠を消されても困りますし、何よりもまたロゼ様が危ない目に合うのは避けなければいけませんから。」
「アレン、お父様に今日時間あるか聞いてきて貰っても良いかしら?ウィル様にはお手紙を書くことにするわ。学園でも会えるけどまだもう少しお休みしてたいから...そうだ、エルは私に合わせて学園をお休みしなくて良いのよ?」
誘拐監禁されて助けられてからまだ1度も学園には行っていない。なので、約2週間程学園に通っていない。ソフィア様やルー、ルドルフ、アンリ様にユリアス様から心配するお手紙が届くしお見舞いに行くという内容も来るがまだ少し家族達以外会いたくないのでそれとなく断っている。
(心配してくれて本当に有難いのだけど、今はまだ外に出たいと思えないのよね。それに何か家族、エル、アレン以外の男の人に合うのがちょっと怖い。多分会えば何ともないだろうけど...。ルドルフには直接助けられたからお礼をちゃんと会って良いたいんだけど...後少しだけ...。)
家族もまだ学園に行かなくて良いと言ってくれるため甘えてしまっている。
(でも、さすがに2週間は休み過ぎよね。それにエルも一緒になって休んでいるから良くないわ。エルだけでも学園に行かせないと!)
「家にいたらずっとロゼと一緒にいれる。けど、僕が学園に行くとその間はロゼと一緒にいられない。」
「それはそうだけど...でも、学ぶ為に学園に来たのでしょ?」
「...そうだけど、1番はロゼにまた会いたくてなんだ。」
(この上目遣い...ダメダメ。これを見ちゃうと揺らいじゃう!耳垂れて上目遣いよ!?誰が勝てると言うの!?私には無理よぉ〜!!!)
「あざとい。」
「あざといですね。お嬢様がそれに弱いと分かってやってらっしゃる。」
「わん!!」
アレンとアンナが何か言っていてそれに同調するようにエルトが吠える。
「い、いや。私も出来ればエルと一緒にいたいのよ?で、でも、せっかく留学してまで此方に来たのに...ね?」
私が説得していく内にエルの目がだんだん潤んでいって耳と尻尾が垂れ始める。
(ローゼリアよ、ここは自分の意志を強く持て!エルの可愛さに負けるんじゃない!)
「...そ、そうだ!この一致したエリーナ様はエルに付きっきりだったわよね。エルにはボロが出るかもしれないわ!私の為だと思って学園に通ってくれないかしら?ね?」
「...分かった。ちゃんと学園行くしアイツから情報聞き出す。だからご褒美頂戴?」
「へっ!?ご、ご褒美?...クッキーとか?」
「ご褒美については今日の夜言う。」
「私にできる事だったら良いけど。」
「お嬢様、そんな下品なご褒美なんて聞かなくて良いですよ!」
「アンナの言う通りです。」
「はぁー!?なんで下品だなんて決め付けるんだよ。至って普通だよ。ロゼにしか出来ないことだから大丈夫だよ。」
エルトがエルから私を守るように私の両膝に身体を乗せてエルに吠えている。
一応エルが明日から学園に通うのが決まったのでご褒美が何か分からないけど良いとしよう。
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