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ラウス(エル)視点

ローゼリアが捕まった時のエル視点になります。

 僕はゲルマじい様に朝の訓練をお願いした為、朝からアレンと一緒に体力作りをしていた。

 これが終わったら宿題をしてその後にロゼと一緒に過ごそうと今日1日のスケジュールを考えていた。


「ほれ、まだまだじゃの。そんなんじゃすぐにあの世行きじゃ、がははは。」


 この爺さんはどんだけの体力と力があるんだ?と本当に不思議でならない。僕達獣人は人間より遥かに身体能力が上のはずなのに、全く勝てない。

 それについて行っているアレンもまた人間離れしていると思う。そんな2人に遅れを取らないように必死でついて行く。


「よし、今日はここまでじゃな。明日はお主ら学校だから帰ってきてから訓練にしよう。」


「「はい、ありがとうございました。」」


 水浴びして汗を流して次は宿題をしようと部屋へ向かう途中で次期当主であるリッカーに出会った。


「ラウス殿下、お疲れ様です。」


「リッカー殿は今からお出掛けですか?」


「うん、まだまだ覚える事ばかりで。あ、そう言えばロゼちゃん、アンナと一緒に街へ出掛けるって言ってましたよ。」


「街へ?...そうですか。教えて下さってありがとうございます。」


 せっかく考えていたスケジュールをまた組み直さなきゃいけないな。と思いながら部屋へと言った。



 その後、ロゼが帰ってこないと騒ぎになったのは夕方頃だった。



「なぁアレン、まだロゼは帰ってきてないのか?」


「はい、只今ロゼ様達を乗せた馬車の従者に確認した所、ロゼ様とアンナは街まで行き、ロゼ様に時間になったら戻るからその時また迎えに来て欲しい。と言われて一旦戻ってきたそうなのです。しかし、その時間に迎えに言ってもロゼ様とアンナは来なかったみたいで、その従者はまだ買い物等を楽しんでいるのか。と思い数時間待っていたみたいです。」


「待ってみたけど来なかったと?」


「はい、そして今は捜索中です。見つかり次第お知らせしますのでお部屋でお待ち下さい。」


「僕も」


 行く。と言う言葉は出せずに終わった。


「ラウス殿下、貴方が行方不明になられては国同士の問題になります。どうかお部屋で。」


「...」


 返す言葉が無かった。僕が動き何かあった場合最悪戦争になる事もある...。ロゼの為に動きたいのに自分の身分のせいで動けない事が凄く悔しい。


 ウィンズリー家の総力を上げ、ウィリアム殿下も動いて数日後やっとロゼを見つけ出す事が出来た。

 ロゼを見つける為にダミエル伯爵の屋敷へと騎士団が調査しに行った。だが、地下牢まで全て調べたがロゼや侍女は見つからなかったと言っていた。


「その伯爵の家にいるのは分かっているのだろう?何故ロゼは見つからないんだ!?」


 報告しに自らウィンズリー家へとやって来たウィリアム殿下に聞いた。


「ロゼや侍女があの家に連れ去られたのは聞き込みで確認済みなんだけど...ただ、騎士の1人が妙な事を言っていたんだ。」


「殿下、妙な事とは?」


 早く見つけてやりたいのだろう、親として当たり前だ。しかしその焦りを見せずに落ち着いた口調でウィンズリー公爵が聞く。


「地下牢を調査している途中で本当に僅かな音が下から聞こえたそうなんだ。...もしかしたら地下牢の下に部屋があるのかもしれない。」


「だったら僕の出番です。僕は匂いも音を聞くのも人より何倍も優れています。行かせて下さい。」


 返事より先に僕はダミエル伯爵の屋敷へと向かった。すぐ後にはアレン、公爵、ゲルマ殿が続きウィリアム殿下についていたルドルフも案内役として着いてきた。


 屋敷へと問答無用で入り地下牢へとルドルフに案内させる。

 すると話し声が聞こえてきた。そして、僅かながらロゼのあの甘い良い匂いがしているのに気付く。


「ここからロゼの匂いがする!」


「...これは隠し扉か。」


 公爵はそこにあった隠し扉を探し当て扉を開くと下へと続く階段があり僕はすぐに駆け下りた。




ここまで読んで下さりありがとうございます。

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