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【63】

「がはは、エルト体力落ちたんじゃないか?それにラウス殿下はまだまだですな。」


 エルトとエルが倒れ込むように私の元へと戻ってきた。


「...獣人、の僕が、負けるなんて...」


「くーん」


 まぁ無理もない。おじい様の遊びは軍人レベルの訓練くらいにハードらしい。らしいと言うのも私はお断りしていて、前にアレンがおじい様に遊んでもらっていたのを見ていたので知っているだけなのだ。


(私はこれからも絶対に参加はしたくないわね。)


「おじい様はまだまだお強いですね。エルもエルトもお疲れ様。」


 エルトは座り込んだままでエルは何とか立ち上がって椅子に座ってアレンが用意してくれたお水で喉を潤した。


「僕、獣人だから体力には自信あったんだけどなぁ。国の中でも強い方だったけど...鍛え直さなきゃだ。」


「おーアレン!お前もいたか!」


 息切れ一つしていないおじい様が私の傍にいたアレンを見つけて遊びという名の訓練に誘った。


「.........はい。ロゼ様、いってまいります。」


「...おじい様、程々になさって下さいね。」


「おう!身体が鈍ってないか確認するだけだよ。」


(...いや、あれは確実にやるわね。アレン、ご愁傷様。)


 アレンを連れて行ってしまったので代わりにアンナが来てくれた。


「お嬢様、クッキーが焼き上がりました。如何ですか?」


「まぁ美味しそうないい匂いね!頂くわ。」


「料理長がお嬢様の大好物のクッキーを楽しそうに作っていらっしゃいました。」


「見た目と違うわよね。ふふ」


 ここの料理長は前世でいう“ヤ○ザ”のような風貌なのだが、出される料理は繊細な見た目と味だし、お菓子作りの方が得意らしい。


「ロゼ、クッキーが好きなの?」


 テーブルにお行儀悪く突っ伏しているエルが顔を上げる。


(コテンと首をかしげた時に耳がピクって動くのがたまらん!!!)


「...えぇ、大好きなの。でも、食べすぎちゃうと体型が変わってしまうから困るのよね。」


「...クッキーね。...ロゼはどんな体型になっても僕は大丈夫だよ。」


「ふふ、ありがとう。でも、お嫁に行けなくなってしまうから最低でもこの体型を維持しておかないといけないわ。」


「僕がいるから大丈夫!」


 先程まで疲れていたのに今は胸を張って自信満々で言うエルがとても可愛くて、つい前のように頭を撫でてしまった。


「そうねぇ。エルの所に嫁げたら幸せね。その時はアンナも来てくれる?」


「勿論ですとも!お嬢様の所でしたら、何処へでも着いていきます!」


「助かるわ。...さぁ、料理長が作ってくれたクッキー皆で食べましょう。おじい様とアレンはまだ帰ってこないもの。」






ここまで読んで下さりありがとうございます。


こういうおじいちゃん、好きなんですよねぇ(笑)

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