【61】
数週間経っても嫌がらせの手紙も未だに続いていて学園でも軽い嫌がらせが続く中、今日は手紙で書いてあったように、おじい様とおばあ様が屋敷に来る日である。
「ねぇアンナ、変ではない?」
アンナに何度も何度も自分の格好が変ではないか確認している。
「とってもお綺麗ですよ、お嬢様。」
「おじい様もおばあ様もリベルに会いに来てるのは分かっているのだけど、久しぶりに会うから少し緊張してしまうわ。」
おじい様とおばあ様がご到着したとアレンが報告しに来てくれた。
「おじい様、おばあ様ようこそおいでくださいました。」
「まぁロゼちゃんお出迎えありがとう。」
「ロゼ、また一段と綺麗になったな!」
「ありがとうございます。リベルの元に案内致しますわ。」
2人をお母様とリベルがいる部屋へと案内して行くとその間も学園についてや私の友人について、おじい様はエルトについて色々と聞いてきてくれる。
おじい様もおばあ様も相変わらず若々しくて実年齢を知らなかったらお母様やお父様の兄や姉だと言われても分からないと思う。
「お母様、お連れ致しました。」
おじい様とおばあ様をリベルに合わせると2人はたちまち破顔した。リベルは本当に可愛いらしい子なのだ。将来がとても楽しみである程に。それにお父様とお母様によく似ている、私はどちらかというとおじい様譲りのエメラルドグリーンの瞳とツリ目なのであまり両親に似ていないのが少し寂しくはある。
だから少しだけ妹であるリベルが羨ましいなと思うけれど、おじい様に似ている私なのでおじい様に良く可愛がってもらえてるからそこまで悲観はしていない。
まぁ両親からも愛情を沢山貰っているので寂しくない。特にリベルが産まれてからお母様がリベルに付きっきりなのでお父様が私に付きっきりになっている部分もある...。
(前世では親の愛情ってあまり貰えなかったから今、凄く幸せなのよね。...両親達が私を溺愛してくれるから嫌がらせの件は絶対にバレてはいけないわ。心配させたくないもの...。)
まだリベルにメロメロなおじい様とおばあ様なのでお母様に断って部屋をでる。エルトが庭にいるとアレンが言うので部屋で宿題をしているエルを誘って庭へとやってきた。
「エルト、おじい様が来たわよ。きっと遊んでくれるはずだから楽しみにね。」
「わん!!」
エルトはおじい様が来たのだと理解すると私に擦り寄って尻尾を勢い良く振る。
「僕もお2人にご挨拶したいな。」
「えぇ、もちろんよ!今はリベルに夢中だからもう少し待ってもらう事になってしまうけれど。」
「それは大丈夫。その分、ロゼと一緒にいられるからね。」
最近のエルはたまに甘い雰囲気を漂わせて熱の篭った瞳で私を見つめる事が多くなった。
そんな瞳で見られるとどうして良いのか分からず目を逸らしてしまう。
「わん」
そんな時、エルトがいると雰囲気を察してなのか私の間に入ってきてくれたり鳴き声をあげるのだ。
「ど、どうしたの?エルト」
「チッ、本当に...」
「?、エルどうかした?」
「ううん、別にナンデモナイヨ。うん、何でも...はぁ~」
エルトに心の中で感謝しながらたまになるこの雰囲気をどうしようと考えるのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




