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【57】

 放課後にエリーナ様に呼ばれて誰もいない空き教室へとやってきた。


「...こんな所に呼び出してエリーナ様、どういうつもりですか?」


「ねぇ、アンタも転生者なのでしょ?アンタはゲームはプレイしていなかったと言っていたけれど。私がこの世界のヒロインって知ってるでしょ?そして、貴女は悪役令嬢なのよ。ねぇ、わかってるの!?」


「...えぇ、友人が凄くハマっていて少しだけゲームについて聞いてたから何となく理解はしているわ。私、卒業パーティーとかで婚約破棄されて処刑とか国外追放になるのでしょ?まぁ今はエリック殿下と婚約していないからどうなるか分からないけれど」


「それよ!なんで婚約しないのよ!シナリオがめちゃくちゃじゃない。それになんで隠れキャラのラウスがアンタといるのよ!おかしいじゃない。ラウスは小さい頃に人身売買に捕まって心に闇を抱えていてそれをヒロインである私が癒してあげるのよ!そしてハッピーエンドになる予定だったのに。」


(ん?それもしかして私が癒しちゃった感じかも?...今言うのは得策じゃないな。うん、辞めとこう。)


「ねぇ、確か前は逆ハーレムエンドを目指すとか言ってなかった?変えたの?」


「当たり前じゃない!隠れキャラであるラウスが出てきたのよ。私の最も推しのラウスよ!他の攻略対象なんていらないのよ。ラウスが私の手に入るなら何でもするもの。」


「...ねぇ貴女の方が悪役令嬢っぽいのだけど」


「ヒロイン補正があるから何でも良いのよ!シナリオ通りに進められたら憎いアンタを断罪出来るのに全く上手くいかない。本当に憎いわ。」


「どうしてそんなに?」


「だってアンタ、私のシナリオ通りに動かないんですもの。私のラウスとも仲良いし!アンタは悪役令嬢なのよ!なんか前世の私の友人に似ていてイライラするのよ。」


「友人だったのにイライラするっておかしくない?」


「...イライラしていたのよ。なんでも器用にこなすアイツが。何一つ勝てなかったしそのまま死んじゃったし、私もその数ヶ月後に事故で死んじゃったんだけど。...そしたら私が熱を上げてプレイしていた乙女ゲームの世界に転生出来てそれもヒロインで最高に嬉しかったのに、なのに!!イケメンの攻略対象はアンタと仲良くなっていて本当にイライラするわ!!!」


「はぁ、そんな事を言われても私はその乙女ゲームやった事、無いからどう進めて行けば良いのか分からなかったのだから仕方ないじゃない。それにヒロイン補正でカバー出来ないほどよ、貴女の言動は。」


「そんな事ないわよ!私はヒロインなの、何でも許されるのよ!」


(いや~それは無いと思うけどなぁ。だってその言動ばかりだから攻略対象達が逃げていってるじゃない。この子も相当な馬鹿っぽいのよね。エリック殿下とお似合いだと思うけれどその2人が王族になられたらいくらウィル様とソフィア様がいるとはいえ、国が傾きそうよね。)


「はぁ何でもいいわ。勝手にして頂戴!但し、前みたいにあんな酷い事はしないで!」


「何のことですか~?エリーナ、知らないですぅ~では、ちゃんとシナリオ通りに婚約して下さいねぇ~では!」


 勝手に自分の都合だけを押し付けて彼女は去っていった。


「はぁ...なんか疲れたわ。これからも突っかかってくるわね。本当に面倒くさいわ、けれど前みたいな事になるのは御免だから警戒はしとかないといけないわね。」





ここまで読んで頂きありがとうございます。

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