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【56】

「ラウス様~」


 私がエルと一緒にいるとすかさずエリーナ様が来て私とエルの間に来てエルの腕に自分の腕を絡ませていく。


「エリーナ様」


「あ、ローゼリア様~いらしたのですねぇ~」


「まぁ!エリーナ様がそんなに目が悪いなんて存じ上げませんでしたわ。」


「...い、いえ目はとても良い方ですわ~」


「そうなのですか?ラウス殿下の隣にいる私にお気付きにならないなんて一度病院へ行かれる方が良いかと思いますわ。とても心配ですもの!」


「な、なんでそんな酷い事を言うんですかぁ~!?」


「あら?ただ貴女を心配しただけですのに。」


 凄く嫌な顔をしていたエルはエリーナ様から逃げるように離れて距離を取った。


「ら、ラウス様~どうして逃げるのですか~?...あ、貴女ね!!ラウス様に変な事を吹き込んでいるのでしょ!?酷いわ~そう思いませんかぁ~ラウス様~?」


 顔を覆い隠し泣きだす。


(どうせ嘘泣きでしょ)


「エリーナ?それにローゼリア嬢?」


 タイミングが悪い事にエリック殿下が駆け寄ってきた。


「エリック様~私、ラウス様が教室の場所が分からないのだと思いお教えしようとしたらローゼリア様に邪魔だと言われてしまってぇ~」


 エリック殿下に助けを求めるように泣きながら抱き着く。


「ローゼリア嬢、言い方が悪いだろ。エリーナが泣いているぞ。」


「何の事でしょう?ラウス殿下とお話していたら勝手にエリーナ様が来て私が見えないのだと仰ったから病院をお勧め致しましたのよ?邪魔だなんて一言も発言していないのに。ねぇラウス殿下?」


「あぁ、それに教室の場所はローゼリア嬢に案内して貰っているので必要は無いのです、エリック殿下」


「ふむ、エリーナ何か勘違いしていたのではないか?それに淑女があまり人前で泣くのは良くないと聞くが。」


「え、エリック様は私の味方では無いのですかぁ~!?」


(この王子、空気読めない奴で本当に助かる。エリーナは私が悪い方へと持っていきたいのだろうけどエル本人の目の前でやっているしエリック殿下も空気読めない奴だから空回りよね。)


「俺はいつだって兄の味方だ!」


「...エリック殿下、私達は用事がございますので失礼致しますわ。」


「ちょ、ちょっと!待って、下さい~!!...ラウス様は隠れキャラで私を好きになるはずなのになんで、なんで上手くいかないのよ!...ローゼリア、貴女がいるからいつも上手くいかない。」


 私の所へと来て強い力で私の腕を掴んで睨み上げてくる。


(い、痛い!!!...エルはやっぱり攻略対象なのね。まさか隠れキャラだなんて思ってもみなかったけれど。)


「...私はこのゲームをやっていないから彼が攻略対象だなんて知りもしなかったわ。知っていても知らなくても彼が今の貴女を好きになる事は無さそうだけどね。」


「ねぇ、何してるの!?ロゼから離れて!」


 エルはエリーナ様を私から離して私を庇うように間に立ってくれる。


「...エル、もう行きましょう」


 これ以上話していたくなくてエルの手を掴んでその場を離れた。






いつも読んで頂きありがとうございます。

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