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【55】

前半はいつも通りローゼリア視点ですが

後半はラウス視点になっています。

 まだまだ問題はあるけれど一先ず片付いたという事で今日は学園はお休みだからエルとエルト、アレン、アンナを連れてピクニックに来た。


「うーん!気持ちいいわね。」


「うん、あの時はほとんど屋敷の中だったからこんな近くにピクニック出来るような丘があるなんて知らなかった。」


「そうよね、ずっとエルに見せたかったから来れて良かったわ。ふふ、エルトも気持ち良さそうね。」


「お嬢様、ラウス殿下、準備出来ました。」


「ありがとう。ねぇエル、学園はもう慣れた?大変だったり困った事は無いかしら?」


「うん、学園は慣れたよ。...ただ」


「ただ?」


「あの女が執拗いんだ。最初は無視していたけれど無視してもくっ付いてくるしエリック殿下もいたりするから無下にも出来なくて...。凄く面倒」


(やっぱりそうなのね。エリーナの目的は元々エルだったのかしら?逆ハーレムエンドになれないと分かったからエルに絞ったとか?...ん?そもそもエルは攻略対象なの?...はぁ、こういう時ゲームしてないからどう動いてけば良いのかわかんないよー!!)


「あまりにも酷いようなら私からも注意しとくしウィル様にも伝えてみるから遠慮なく言って頂戴ね。」


「うん、今の所はなんとかなってるから大丈夫。ありがとう、ロゼ」


 他愛もない会話をしたり食事を楽しんだりエルトと遊んだりして楽しい時間を過ごした。





 ──────────

 ────────



 今日はロゼに誘われてピクニックに来ている。

 入学してからは環境の変化について行くのがやっとでバタバタしていたから、この自然がとても心地良い。僕がバタバタしているのをロゼは気にしていたみたいだからピクニックに連れてきてくれたみたいだ。


 ロゼに心配される程、疲れた顔していたのかな?と思うと自分はまだまだ子供だな。と思って悔しいけど、でもロゼが僕の事を思ってくれているのは凄く嬉しい。


「ねぇエル、学園はもう慣れた?大変だったり困った事は無いかしら?」


 慣れたといえば慣れた。友達と呼べるかはまだ分からないけれどいつも一緒にいる奴は出来たし勉強も普通についていけてる。


 ただ...


「あの女が執拗いんだ。最初は無視していたけれど無視してもくっ付いてくるしエリック殿下もいたりするから無下にも出来なくて...。凄く面倒」


 面倒ってものじゃない。甘ったるい声を出して誘惑気味な事してくるし、休憩時間は必ず僕のクラスに来る。迷惑でしかない。


 これがロゼだったら喜んで受け入れてるのにあんな奴なんかに言い寄られても気持ち悪いだけなんだ。

 クラスの奴らは羨ましいと言ってくるけどだったら変わって欲しい。僕と一緒にいる奴もあの女は凄く苦手らしくて見る度に睨み付けている。


 あの女じゃ無くてロゼに来て欲しい。学園に通うようになって知ったけど、ロゼの周りには顔が整いすぎてる奴が多すぎる。ウィリアム殿下は婚約者のソフィア様がいるから安全だけど、女ったらしのユリアス、ロゼの事をリアと呼ぶルーカス、騎士のルドルフ、第2王子のエリック殿下、次期当主候補のリッカー。

 アレンは愛は愛でも主人への敬愛というか溺愛?が前より一層強くなってる気がする。まぁ大丈夫だろう...たぶん。


 ライバルが多すぎて困る。

 また一緒に暮らせるようになって僕の匂いを付けまくってるから同じ獣人への牽制は出来てる。けど人間は僕達より鼻が悪いから匂いを付けた所で牽制にならないから困る。


 それに僕が一生懸命付けても一緒に寝れないから匂いがつくのは微量だし何故かエルトが上書きしようとしてきて腹が立つ。

 今だって僕とロゼの間を陣取っていて僕がロゼに近付けさせないようにしている。


「...ムカつく犬」


 ロゼには聞こえてなかったけどきっとエルトには聞こえたのだろう。此方を向いた後にロゼに甘えに行ったから。...本当にムカつく。


 焦りは禁物。ライバルは凄く多いけど必ずロゼに振り向いて貰うんだ。


 僕無しじゃ生きて行けないようにロゼの奥深くまで僕を感じて欲しいから...


 覚悟してね、ロゼ




ここまで読んで頂きありがとうございます。

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